アニメ沼

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沼の底からアニメの感想をお届けします。

2023年秋アニメ総括感想

 



 

皆様、明けましておめでとうございます。

 

年末年始は時間あったはずなんですが、溜めアニメが多いこともあり結局いつも通りのタイミングでの総括となりました。ありがち。

近況としてちょっと前にMyGOにハマってガルパ(バンドリアプリ)を始めたんですが、直近更にシャニソン(シャニマス新作アプリ)も始めてしまいまして、ソシャゲに忙殺される日々へ片足突っ込んでます。付き合い方は考えないとなーと思いつつ貧乏性だからなかなか割り切れずについつい真面目にプレイしちゃう…やめさせてくれる人募集中。

 

閑話休題

 

2023年秋アニメをようやく見終わったので早速感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.オーバーテイク!

2.葬送のフリーレン

3.MFゴースト

4.呪術廻戦(2期2クール目)

5.Dr.STONE(3期)

6.君のことが大大大大大好きな100人の彼女

7.アンデッドアンラック

8.SHY

9.アンダーニンジャ

10.ウマ娘 プリティダービー(3期)

11.SPY×FAMILY(2期)

12.薬屋のひとりごと

13.16bitセンセーション ANOTHER LAYER

14.カノジョも彼女(2期)

15.アイドルマスター ミリオンライブ!

16.るろうに剣心(2クール目)

17.シャドウバースF(6クール目)

総評

 

 

1. オーバーテイク!

 

とある理由でスランプに陥ったフォトグラファー・孝哉と、若くしてレーサーの父を事故で亡くした高校生F4ドライバー・悠が出会うところから物語が始まる。

本作の魅力は悩み多き登場人物達が織り成す人間ドラマ。互いに傷を抱えながらもひた向きな生き様で活力を与えあう主役2人の関係性が素晴らしく、物語が進むにつれて対照的な両者の関係が変わっていくのがよく出来てて感心。応援はされる方だけじゃなくする方も力が湧いてくるという最後の締めも納得出来た。

またライバルチームメンバーである春永・徳丸も良いキャラしてて、1stドライバーをテーマにした苦悩や葛藤には随分と感情移入させられた。両者は途中で立場が入れ替わるんだけどそこでの感情の揺れ動きがまた良くて、一見お調子者な春永の人間らしい一面が露わになって一気に好きになった。他にも悠を支えるメカニックの錮太郎が悠のベルソリーゾ移籍で悶々としたり等々、どのキャラも等身大の感情が描かれていて愛着が湧き、共感出来たのが大きかった。

人間ドラマがメインの作品だとは思うけどレースシーンもきっちり仕上げてくれていて、6話の悪天候下でのレースは緊張感MAXで固唾を呑んで見守ってたし、白熱したラストレースは視点も凝ってて昂った。

敢えて引っ掛かった点を挙げるとすれば孝哉のトラウマに一区切りをつける第9話で、一連の流れに対する悠の関りが弱く感じてしまった。いや勿論確かにずっと側にはいたんだけど、悠がいなくても成立してしまいそうなのが気になったというか、悠のお陰だと明確に分かる描写が同話内に欲しかった。

とは言え全体通して非常に綺麗に纏まっていた作品だったので、見終わった後の満足感はすこぶる高かった。よく練られたキャラ配置やストーリー構成だったと思う。

 

 

2. 葬送のフリーレン

 

1000年以上生きる魔法使いフリーレンを軸に魔王討伐後の勇者一行を描く後日譚ファンタジー

本作の魅力は過去を絡めて描かれる情感豊かなエピソードで、新たな旅の途中で様々な記憶が呼び起こされるんだけど、楽しい日々だったり、大切な言葉だったり…噛み締めるように語られる思い出の数々が温かく、見てるこちらも幸せな気持ちになれるのが良い。時間にすれば僅か人生の100分の1にも満たない旅なのに、今もなお鮮明に思い出せる…そんなかけがえの無い日々を胸に少しずつ変わっていくフリーレンが見所。

基本的には落ち着いた雰囲気を保ちつつ、メンバーが増えてからはギャグや恋愛要素も出てきて作品としての幅が広がった印象。シンプルにフェルンの毒舌っぷりと乙女っぷりとむくれ顔が好きというのもあるが、青い少年少女のシュタルク・フェルン、二人を見守り導く大人組のザイン・フリーレンというパーティのバランスも良くより味わい深くなった。

あとは力入れて作られてるだけあって要所の戦闘作画も素晴らしかった。顕著だったのはアウラ編、特にフェルン・シュタルクの奮闘を描いた9話は至高と言って良い出来でアニメ化の強みを存分に活かしていたと思う。

2クール目も続くということで、引き続き楽しませてもらいます。

 

 

3. MFゴースト

 

頭文字Dの近未来の世界観設定で描かれる公道カーレースバトルアニメ。自分はイニDには全く触れたこと無いんだけど、新規からでも充分楽しめた。

本作の魅力はカーレースの熱&爽快感。主人公・カナタが駆る車は馬力の低いトヨタ86なんだけど、超絶技巧でライバル達のスーパーカーを抜き去っていくのがシンプルながら熱い。常人離れしたテクニックを見せつけてくれるのは勿論、それをミッションをこなすが如くクールに遂行していくのがギャップあって痺れるんだよね。また爪痕は残しつつ車の限界で結果は伸び過ぎないのが現実味あって良いし、車の制約→チューニングでの解放という盛り上がるイベントが用意されてるのも抜かりない。

あとレースに熱狂させてくれる重要な要素として実況がめちゃくちゃ良い。滾らせてくれるワードセンスと、臨場感溢れる渾身の叫びのハイブリッドで自然と熱が入ってしまう。「曲がれるのか…?曲がってしまうのか…?曲がったぁぁぁぁぁっっっ!!!」のところとか実況無しでは成立しない最高のシーンだったし、本作を支えるMVPと思う。

要所でかかるアゲアゲ(死語)なユーロビートも高ぶらせてくれて、純粋にレースをずっと見ていたいと思える。…いやレースクイーン描写がいらないとは言ってないよ?7番ちゃんのヒップは芸術だよなぁ!(相葉先輩並感)

最後はアップデートした86でのカナタ無双をチラ見せしたところで締めという何ともニクい構成。続編無かったらうーん…となってるところだけど決まってるからむしろ期待が高まる。続きも非常に楽しみ。

 

 

4. 呪術廻戦(2期2クール目)

 

五条悟封印という絶望的な状況から始まった渋谷事変第2クール。

始めから終わりまで重苦しい雰囲気が続き、見てるこちらも精神が削られることが多かった。そんな中でも渾身のアニメーションは健在で、毎週のように異次元の戦闘作画が繰り広げられるからそれだけで一定の満足感があった。1話毎の作画カロリーは断トツでトップだろう。変幻自在な戦い方で悪を貫く真人は勿論、パパ黒・宿儺といった強キャラが登場すると作中の緊張感もより高まるのでそういう面でも目が離せなかった。

ストーリー面で印象深いのは主要キャラの退場で、まさかまさかの展開には驚きを隠せなかった。ただ釘崎に関しては適切なタイミングだったかと言われるとやや急で掘り下げ不足に感じたかな…後々復活しそうなフラグ立ててはいたけど。

あと宿儺の所業や仲間の死といった背負い切れない程の事象が畳み掛け、悲痛な程に追い込まれていく虎杖は見応えあった。1つだけでも心折れそうなのに3連続でやるの作者ドS過ぎるよ…。渋谷事変も収束するどころか事態が悪化して終わってしまい、虎杖自身は殺害対象にされるという散々っぷりなんだけど、この困難をどのように乗り越えていくか先は気になるばかり。幸いにも続編決定しているので気長に待とうと思います。

 

 

5. Dr.STONE(3期)

 

メンバーの大半が石化されて大ピンチな状況から始まった3rdシーズン。

改めて本作は順序立てて少しずつ物事を進めていくのが魅力だと感じていて、水中へ潜る為のボンベや石化光線を奪う為のドローン作りといったモノづくりの楽しさとリンクした要素だったり、重要な人員から順番に石化を解いていくストーリーだったりと、物語に必要なピースがハマっていくのが見てて気持ち良い。あと全員に役割があるチーム千空を見ていると、科学をテーマにしつつもその根幹には人があるのを感じられるのがいいなと思う。

また今シーズンはバトル面でも見所あって、敵の大将であるイバラが非常に用心深く一筋縄ではいかない存在だったのが緊張感を底上げしてくれていた。そんなイバラと千空が一騎打ちする展開は滾るものがあって、最後の最後まで決着が読めない激戦には手に汗握った。やり遂げた千空の雄叫びや仲間と共に掴んだ勝利の余韻にはグッときたし、何より最後決めるのは仲間達に全てを託された千空っていうのが激熱過ぎて…無言のハイタッチを交わすシーン大好き。

そして次の舞台はいよいよ月ということで。もう何が起きても驚かないぞと思ってたのに目玉飛び出たけど、この作品ならまた一つずつ積み上げて実現してしまうのだろう。完結編のアニメ化も決まったとのことで楽しみに待っています。

 

 

6. 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

 

タイトルに偽り無しな100股(予定)ラブコメ。もう頭の整理が追い付かない。

本作の魅力は100人の運命の人と愛し合わなければ死ぬというハチャメチャな設定から生まれるぶっ飛びっぷりで、当然のように複数股をしてヒロイン達もそれを許容するというカオスな世界観が見所。挙句の果てにヒロインの母親まで彼女にしてしまうのには恐れいったw更に凄いのが義務感的なのは全く無くて、主人公・恋太郎がヒロイン全員のことを真剣に想っているのが伝わってくるんだよね。何故か一周回って誠実に見えてくる不思議。

そしてもう一つ本作の魅力としてヒロイン同士もすこぶる仲が良く、いがみ合ったりするどころか誰かが困ってる時は迷わず手を差し伸べてくれるのが好き。羽香里を助けんとする恋太郎ファミリーには不覚にもグッときたし、本気で心配してたが故の唐音の涙ながらのビンタには涙腺が緩んだ。全員が全員のことを大大大好きな幸せ空間が形成されていたのが微笑ましく、見てる此方も幸せな気持ちになれる作品だったように思う。

ヒロインは甲乙つけがたいけど、可愛さなら唐音で面白さなら羽香里かな。主人公にくすぐられてアヘ顔で嬉ションしそうになるヒロイン面白過ぎる。

最後には新ヒロイン達もチラ見せした上で第2期決定とのことで今後の展開が気になるところ。流石にまともに100人まで増えはしないだろうけど、絡みが増えて賑やかになれば面白さも増していきそうなので楽しみにしています。

 

 

7. アンデッドアンラック

 

最高の死を望む不死(アンデッド)・アンディと生身で接触した相手に不運をもたらす不運(アンラック)・風子が出会うところから始まる予測不能の"否"王道バトルアニメ。

本作の魅力は個性豊かな能力者達バトルで、"何か"を否定している否定者達の能力を軸に展開される駆け引きが見所。自身の身体を武器にして戦うアンデッドや隕石を落とすレベルのアンラックといった豪快な戦いっぷりだけでなく、頭脳戦の一面もあることで戦闘が単調にならずに楽しめた。

またメイン二人は個々の魅力は然ることながらその関係性も味があって、最初は風子のことを不死の自分を殺してくれる存在としてしか見てなかったアンディが徐々に惹かれていくのがたまらない。印象深いのはvsヴィクトルでのキスシーンで、特大の不運を起こす為のキスだけど決してそれだけではない感情が溢れてる二人の表情や、二人の特別な時間であることを強調する静寂が素晴らしくて大好き。その後の病室でのシーンも演出バチバチに決まってて9話は完成度高かったと思う。

たまに回想が多かったりでテンポの悪さを感じる時があるのが若干気になるけど、アンディの過去や壮大な世界観etcとまだまだ引き出しありそうだし、噂によると伏線回収も結構あるらしいので期待したい。2クール目も楽しみ。

 

 

8. SHY

 

各国の代表ヒーローが平和を守る世界で、恥ずかしがり屋の日本代表ヒーロー・シャイを始めとしたヒーロー達と謎の敵対組織『アマラリルク』との闘いが描かれる。

本作の魅力は主人公・シャイのヒーロー性。普段はその名の通り恥ずかしがり屋で内気な少女なんだけど、ひとたび変身すると闘志を燃やして全力で戦い周囲の人々の涙を拭っていくTHE・ヒーローになるギャップがたまらない。欲しい時に欲しい言葉をくれるというか、相手の心に寄り添って優しく掬い上げてくれるもんだからこんなのファンになっちゃうよっていう。

本作は愛や優しさ、またその継承がベースの考え方としてあって、そこからくる温かさが好き(主人公がCV:下地紫野なので「優しさのSHINING LINE*だ…」などと勝手に思っていた)。特に母からの愛情を確かに受け継いで立派なヒーローになったペペシャにはグッとくるものがあって、後悔と自責の念に駆られ悲しいすれ違いをしてしまった母との和解には涙腺緩んだ。普段は酔いどれお姉さんなのにズルいよ…。

シリアスブレイカーなクフフさんを筆頭に敵側の描写がまだフワフワしてて地に足着いてない印象はあるんだけど、その辺りは制作決まった続編(というか実質分割2クールっぽいが)次第かな。また楽しませてくれることを期待しています。

 

 

9. アンダーニンジャ

 

極秘裏に暗躍する2つの忍者組織、NINとUNの暗闘を軸に描かれるサスペンスアクションアニメ。

本作の魅力は全編に漂う濃さマシマシのシュールっぷり。苗字ランキング拘り男(主人公)・母乳おじさん・加齢臭フェチ女etcとキャラが濃すぎる登場人物達も然ることながら、戦闘に使用される兵器も多種多様で、宇宙から照射されるレーザービーム・ダンボール人型ロボ・ドローン刀etcとカオスが極まっていて面白い。またシリアスな展開で緊張感持って見てたらさらっと挟まれるギャグがシュールで笑ってしまうのがズルい。

謎多き世界観に加えて序盤は時系列シャッフルもあって余計に何が何だか分からなかったんだけど、その展開の読めなさがむしろ興味を持って視聴させてくれたように思う。飄々としてて底知れない主人公・九郎が特にそうだけど、次は一体何をしでかしてくれるのかが気になってどんどん引き込まれていった。

そして決戦の幕切れがまさかまさかの展開で、これは続きが見たくなってしまう。アニメ続編は流石に無さそうだし原作読んでみたい。

 

 

10. ウマ娘 プリティーダービー(3期)

 

キタサンブラックを主役に据えて描かれるウマ娘3rd season。

今シーズンで良かった点はまずキタサンのライバル・サトノダイヤモンドの勇姿。GⅠで勝てないサトノ家のジンクスに苦しめられつつも、その名の通り強靭な精神で決して挫けない姿には心打たれたし、悲願の初勝利でこれまで堪えてきた感情が決壊して子供のように泣きじゃくるダイヤには涙腺が緩んだ。その後もキタサンの好敵手として良い立ち位置を確保していて主人公に次ぐ活躍だったと思う。

次に印象深いのは12話のシュヴァルグラン回。決して届かない眩しい存在であり、それ故にずっと背中を追わせてくれた目標でもあり…そんなキタサンがいなくなってしまう悔しさや寂しさは共感出来たし、複雑な感情の集大成である「君が好きだ」の叫びはグッときた。正直掘り下げの積み重ねは不足していた感もあるんだけど、心境とシンクロした歌詞の挿入歌と共に、これまでの感謝とこれからの決意を返すかのような渾身の走りは刺さった。シャインポストもそうだったけど夏吉ゆうこさん歌唱力お化けで好き。

引っ掛かった点はキタサン描写のチグハグさで、ピークを迎えた…というには敗北が目立っていて全盛期が感じられなかった。また結果的にはGⅠ7勝という快挙を成し遂げた最強クラスのウマ娘にも関わらず、作中で天才ではなく凡人扱いだったのも噛み合ってない気がしてて、制作側でも扱いが定まってなかったように思う。

あと(おそらく)史実を優先してしまったが故に全く描写の無かったウマ娘が勝利するという、作劇として腑に落ちない結果が散見されたのが残念。色々難しいんだろうけど史実を完全再現する必要ないのではと素人目線では思っちゃう。

他にも各話の構成・レース展開が単調気味で変化に乏しかったことや、他のライバルは影薄めだった割にダイヤの凱旋門賞がサラっと流されたこと等々、不満点も目立つシーズンになってしまったかなと。

次作は劇場版みたいだけど果たしてどうなるか。地力のあるシリーズではあるので期待したい。

 

 

11. SPY×FAMILY(2期)

 

言わずと知れた人気シリーズの2nd season。

2期の軸である豪華客船編では特殊な背景を持つ主役3人がそれぞれのアプローチで奮闘するという本作の強みが出ていたように感じてて、特に暗殺者設定が浮きがちだったヨルさんの活躍が見れたのが今までにない味わいで良かった。今まではただ強いだけだったのが、家族を守る為に戦う(というにはバイオレンスが過ぎるがw)母としてのキャラが確立された意義深いシーズンだったように思う。着せ恋最終話を彷彿とさせる鮮やかで美しい花火を背景に敵をなぎ倒していくヨルさんは単純に映像としても見応えがあり、33話はお気に入り。

他の回も大きな波こそ無いもののコンスタントに笑わせてくれて安定感あったかなと。ステラ獲得の話はどこいった感あるけど、それが無いと成立しない作品でもないから固執する必要はなさそう。続編やるならまた見ます。

 

 

12. 薬屋のひとりごと

 

人攫いにあって後宮に下女として売られた薬師の少女・猫猫(マオマオ)が後宮を舞台に様々な事件を解決していく謎解きミステリー。

本作の魅力は小気味よく繋がっていく謎解きで、散りばめられた情報を基に事件の全容を組み立てていくのが見てて心地よい。またドロドロな後宮を舞台にしているだけあって真相に苦味が伴うことが多く、"ひとりごと"という表題通りあくまで猫猫の推定として断定しないような締め方も相まって絶妙な味わい深さがあった。この辺りのテイストは氷菓に似てる気もする。

あとは単純にキャラクターとして主人公の猫猫が魅力的だった。薬屋としての知識を駆使したカッコいい一面を見せたかと思えば毒見でテンション爆上がりして顔を蕩けさせたり、執拗に粘着してくる壬氏様に翻弄されたりと基本は冷静で落ち着いてるんだけど意外と表情豊かなのが面白い。千変万化な感情を見事に演じ切ったCV:悠木碧もハマり役だった。薬屋としての知識無双や周囲下げが過ぎるとなろう感強くなってしまいそうだけど、今のところ怪しかったのは4話ぐらいであとは丁度いいスパイスになってるかなと。

2クール目も連続してあるということで、引き続き追いかけます。

 

 

13. 16bitセンセーション ANOTHER LAYER

 

美少女ゲーム大好きなイラストレーター・コノハが黄金時代の名作「同級生」のパッケージを開き、そのゲームが発売した過去にタイムリープをしてしまうところから始まるオリジナルアニメーション(一応原案はある模様)。

本作の魅力はタイムリープを軸にした息もつかせぬ展開で、ゲームを開封すると発売年にリープする設定を活かして次々と時代を移り渡っていくのが特徴。今となっては珍しくもないリープものだけど、急に現代に戻ってしまったり、コノハじゃなく男主人公の守がリープしたりと意表を突いた脚本で飽きさせなかったのは凄い。引きもバッチリ気になるところで決めてて、誰も先を知らないオリアニの強さを発揮してたと思う。8話の「想像」と「創造」をテーマにした概念的なエピソードも印象的だったけど、急にこういう話をぶち込めるのもオリアニらしくてワクワクできた。

他にも時代の移ろいと共に徐々に進化していくゲーム制作事情や、懐かしのタイトル群(登場作ではKanonぐらいしかやったことなかったが)等、今では下火なギャルゲー全盛期の匂いを感じ取れるノスタルジックさも魅力だった。

残念だったのはいつの時代にも普遍的に存在する創造力というクリエイターの熱量が軸にあったはずだけど、それがあまり感じられなかったこと。というのも先に述べた通り時代を転々とする関係上そちらの描写に時間が割かれてしまい、ゲーム制作描写が薄くなってしまっていたかなと。"熱は全ての可能性"という台詞もありそれ自体は納得出来るものの、作中描写とのリンクが弱く感じた。

あと「コノハが過去で得た経験を基に未来でどう生きていくか」を(勝手に)期待していた自分としては、そこはあまり主眼に置かれてなかったのが物足りなかった。

とは言え爆発力を秘めたオリアニをリアルタイムで見届ける楽しみは唯一無二なので、これからもオリアニには頑張って欲しい。

 

 

14. カノジョも彼女(2期)

 

2股系ラブコメ第2弾にしてまさかの今期2枠目で日本が心配。

主人公・ヒロイン共に常識外れのアホ達で構成された愉快なコメディだった1期に対し、その味は残しつつも一風変わった様相を見せた2期。

というのも2期の主役は今シーズンからヒロインとして本格参戦した紫乃になっており、彼女の内面が深く掘り下げられることになった。ずっと密かに抱いていた淡い恋心が肥大化し、自身でも制御不能になっていく…抑えなければいけないと頭では分かっているのに、心がそれを許してくれない。恋心と友情の間で葛藤する姿が切なく、最後にやっと想いを打ち明けられたシーンにはグッときた。怒るのではなく、気付けなくてごめんと号泣するサキサキがまたいい子でさ…無人島から直也が帰還するシーンでも直也のことが本気で好きなことが伝わってくる泣きっぷりが魅力的だったし、本当良い彼女だよね。アホだけど。

ただ紫乃の恋心は見応えがあった一方で、本作はスタートがそもそも二股から始まってる倫理観度外視コメディなので、真面目な恋愛模様を描かれても…というチグハグ感が若干あった。まぁ100カノとの差別化は出来てたから結果的には良かったかも?また続編やるなら見ます。

 

 

15. アイドルマスターミリオンライブ!

 

ご存じアイドルマスターシリーズのミリオン編。ミリオンのゲームは未プレイ。

本作の魅力は個性豊かなアイドル達。…と言いたいところなんだけど、残念ながらその魅力は伝わりきらなかった。とにもかくにも数が多過ぎるのが問題で、脚本が悪いというよりシンプルに39人ものアイドルを12話で描くのはそりゃ無茶だよと。この絶望的な数字差からするとグループ毎で分けて見せ場作ろうとしたりで健闘してたとは思うんだけど、最終話の連続ステージで名前すら浮かんでこないキャラがいるのは致命的と言わざるを得ない。先輩として初代765プロメンバーが出てくるのは感慨深い一方で、存在感が完全に食われてしまっていた。

一番印象に残ったのは10話の静香回で、幼い頃に他ならぬ静香父自身も元気を貰っていたことに気付く回想からの「…それならよく知っています」が温かくてグッときた。

キャラ単体で言うと亜利沙のリアクションやら声がオジサン臭強くて好き。常にグヘグヘしててもはや声から涎出てる勢いなのが笑う。

4月からシャニマスのアニメ化も決まってるけど、人数的にはミリマスよりやりやすいと思うので期待したい。

 

 

16. るろうに剣心(2クール目)

 

昔の名作漫画リメイクシリーズで原作既読なので特に語ること無し。

雷十太3話、津南2話、アニオリ2話と正直内容は薄めで箸休めのクールだったかなと。原作既読組としては雷十太みたいなちょいキャラにスポット当ててくれるのはむしろ嬉しいんだけど、新規組がついてきてくれてるか心配ではある。

vs斎藤は名言連発で盛り上がるものの、原作でも名シーンの1つだから順当といったところ。斎藤一とかいう男カッコ良過ぎなんだよな。あと序盤を改めて見てると思うけど、何だかんだ抜刀斎モードが出て来るとアガるね。

少なくともvs志々雄の京都編までは作ってくれるのは素直に嬉しいし楽しみ。引き続き追いかけます。

 

 

17. シャドウバースF(6クール目)

 

今シーズンで印象深い戦いは2つあって、1つはルシアvsミカド。

立て続けに敗北し、負けることが怖くなってしまったミカドの追い詰められっぷりが真に迫っていて見応えあった。そこから「弱い自分を乗り越える」と再び立ち上がる姿が熱く美しかったし、本作は一貫して敗北を価値あるものとして描いているところが魅力なんだけど、その良さが出てたと思う。

もう1つはヒイロvsライトの新旧主人公対決で、強者として立ちはだかる成長したヒイロは感慨深いし、ポセイドン伊達政宗のお馴染み最強コンボはシャドバおじ歓喜だし、何よりお互い純粋にシャドバが好きで楽しそうにプレイしてる姿が良かった。

以降はアークを絡めた世界観に切り込んでいく話になりそうだけど、その辺りは正直あまり期待していないので程々にして欲しいがどうなるか。

 

 

【総評】 

以上、計17作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(気持ち左右差あり)。


S(歴代上位) : 該当無し
A+(クール最上位):  > オーバーテイク フリーレン MFゴースト 呪術廻戦  Dr.STONE 
A(クール上位) : アンデッドアンラック SHY アンダーニンジャ > ウマ娘 SPY×FAMILY 薬屋のひとりごと 
B+(中の上) : > 16bitセンセーション カノジョも彼女
B(中) :ミリオンライブ るろ剣 シャドバ >

 

評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

今シーズンのBEST回は葬送のフリーレン第9話『断頭台のアウラ』でした。これは言わずもがなだと思うので詳細割愛。

 

全体感としては良作が多いものの、頭一つ抜けたものは無かった印象。

他には盾と勇者の3期も見るつもりだったんだけど2期がハマれず+今期の数が多くて断念。正直1シーズン10作品ぐらいが丁度良い感あるんだけど、供給豊富過ぎてそれを許してくれないのが悩ましい…20作品以上とか見てる人本当に尊敬する。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

冬アニメは例の如く追えてませんが、TL見ている感じだと普段見ない異世界転生系が多くて視聴数は減りそうかな?気になった作品を順次チェックしてまた感想書いていきますので、今年もよろしくお願い致します。


それではまた。