アニメ沼

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沼の底からアニメの感想をお届けします。

2023年秋アニメ総括感想

 



 

皆様、明けましておめでとうございます。

 

年末年始は時間あったはずなんですが、溜めアニメが多いこともあり結局いつも通りのタイミングでの総括となりました。ありがち。

近況としてちょっと前にMyGOにハマってガルパ(バンドリアプリ)を始めたんですが、直近更にシャニソン(シャニマス新作アプリ)も始めてしまいまして、ソシャゲに忙殺される日々へ片足突っ込んでます。付き合い方は考えないとなーと思いつつ貧乏性だからなかなか割り切れずについつい真面目にプレイしちゃう…やめさせてくれる人募集中。

 

閑話休題

 

2023年秋アニメをようやく見終わったので早速感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.オーバーテイク!

2.葬送のフリーレン

3.MFゴースト

4.呪術廻戦(2期2クール目)

5.Dr.STONE(3期)

6.君のことが大大大大大好きな100人の彼女

7.アンデッドアンラック

8.SHY

9.アンダーニンジャ

10.ウマ娘 プリティダービー(3期)

11.SPY×FAMILY(2期)

12.薬屋のひとりごと

13.16bitセンセーション ANOTHER LAYER

14.カノジョも彼女(2期)

15.アイドルマスター ミリオンライブ!

16.るろうに剣心(2クール目)

17.シャドウバースF(6クール目)

総評

 

 

1. オーバーテイク!

 

とある理由でスランプに陥ったフォトグラファー・孝哉と、若くしてレーサーの父を事故で亡くした高校生F4ドライバー・悠が出会うところから物語が始まる。

本作の魅力は悩み多き登場人物達が織り成す人間ドラマ。互いに傷を抱えながらもひた向きな生き様で活力を与えあう主役2人の関係性が素晴らしく、物語が進むにつれて対照的な両者の関係が変わっていくのがよく出来てて感心。応援はされる方だけじゃなくする方も力が湧いてくるという最後の締めも納得出来た。

またライバルチームメンバーである春永・徳丸も良いキャラしてて、1stドライバーをテーマにした苦悩や葛藤には随分と感情移入させられた。両者は途中で立場が入れ替わるんだけどそこでの感情の揺れ動きがまた良くて、一見お調子者な春永の人間らしい一面が露わになって一気に好きになった。他にも悠を支えるメカニックの錮太郎が悠のベルソリーゾ移籍で悶々としたり等々、どのキャラも等身大の感情が描かれていて愛着が湧き、共感出来たのが大きかった。

人間ドラマがメインの作品だとは思うけどレースシーンもきっちり仕上げてくれていて、6話の悪天候下でのレースは緊張感MAXで固唾を呑んで見守ってたし、白熱したラストレースは視点も凝ってて昂った。

敢えて引っ掛かった点を挙げるとすれば孝哉のトラウマに一区切りをつける第9話で、一連の流れに対する悠の関りが弱く感じてしまった。いや勿論確かにずっと側にはいたんだけど、悠がいなくても成立してしまいそうなのが気になったというか、悠のお陰だと明確に分かる描写が同話内に欲しかった。

とは言え全体通して非常に綺麗に纏まっていた作品だったので、見終わった後の満足感はすこぶる高かった。よく練られたキャラ配置やストーリー構成だったと思う。

 

 

2. 葬送のフリーレン

 

1000年以上生きる魔法使いフリーレンを軸に魔王討伐後の勇者一行を描く後日譚ファンタジー

本作の魅力は過去を絡めて描かれる情感豊かなエピソードで、新たな旅の途中で様々な記憶が呼び起こされるんだけど、楽しい日々だったり、大切な言葉だったり…噛み締めるように語られる思い出の数々が温かく、見てるこちらも幸せな気持ちになれるのが良い。時間にすれば僅か人生の100分の1にも満たない旅なのに、今もなお鮮明に思い出せる…そんなかけがえの無い日々を胸に少しずつ変わっていくフリーレンが見所。

基本的には落ち着いた雰囲気を保ちつつ、メンバーが増えてからはギャグや恋愛要素も出てきて作品としての幅が広がった印象。シンプルにフェルンの毒舌っぷりと乙女っぷりとむくれ顔が好きというのもあるが、青い少年少女のシュタルク・フェルン、二人を見守り導く大人組のザイン・フリーレンというパーティのバランスも良くより味わい深くなった。

あとは力入れて作られてるだけあって要所の戦闘作画も素晴らしかった。顕著だったのはアウラ編、特にフェルン・シュタルクの奮闘を描いた9話は至高と言って良い出来でアニメ化の強みを存分に活かしていたと思う。

2クール目も続くということで、引き続き楽しませてもらいます。

 

 

3. MFゴースト

 

頭文字Dの近未来の世界観設定で描かれる公道カーレースバトルアニメ。自分はイニDには全く触れたこと無いんだけど、新規からでも充分楽しめた。

本作の魅力はカーレースの熱&爽快感。主人公・カナタが駆る車は馬力の低いトヨタ86なんだけど、超絶技巧でライバル達のスーパーカーを抜き去っていくのがシンプルながら熱い。常人離れしたテクニックを見せつけてくれるのは勿論、それをミッションをこなすが如くクールに遂行していくのがギャップあって痺れるんだよね。また爪痕は残しつつ車の限界で結果は伸び過ぎないのが現実味あって良いし、車の制約→チューニングでの解放という盛り上がるイベントが用意されてるのも抜かりない。

あとレースに熱狂させてくれる重要な要素として実況がめちゃくちゃ良い。滾らせてくれるワードセンスと、臨場感溢れる渾身の叫びのハイブリッドで自然と熱が入ってしまう。「曲がれるのか…?曲がってしまうのか…?曲がったぁぁぁぁぁっっっ!!!」のところとか実況無しでは成立しない最高のシーンだったし、本作を支えるMVPと思う。

要所でかかるアゲアゲ(死語)なユーロビートも高ぶらせてくれて、純粋にレースをずっと見ていたいと思える。…いやレースクイーン描写がいらないとは言ってないよ?7番ちゃんのヒップは芸術だよなぁ!(相葉先輩並感)

最後はアップデートした86でのカナタ無双をチラ見せしたところで締めという何ともニクい構成。続編無かったらうーん…となってるところだけど決まってるからむしろ期待が高まる。続きも非常に楽しみ。

 

 

4. 呪術廻戦(2期2クール目)

 

五条悟封印という絶望的な状況から始まった渋谷事変第2クール。

始めから終わりまで重苦しい雰囲気が続き、見てるこちらも精神が削られることが多かった。そんな中でも渾身のアニメーションは健在で、毎週のように異次元の戦闘作画が繰り広げられるからそれだけで一定の満足感があった。1話毎の作画カロリーは断トツでトップだろう。変幻自在な戦い方で悪を貫く真人は勿論、パパ黒・宿儺といった強キャラが登場すると作中の緊張感もより高まるのでそういう面でも目が離せなかった。

ストーリー面で印象深いのは主要キャラの退場で、まさかまさかの展開には驚きを隠せなかった。ただ釘崎に関しては適切なタイミングだったかと言われるとやや急で掘り下げ不足に感じたかな…後々復活しそうなフラグ立ててはいたけど。

あと宿儺の所業や仲間の死といった背負い切れない程の事象が畳み掛け、悲痛な程に追い込まれていく虎杖は見応えあった。1つだけでも心折れそうなのに3連続でやるの作者ドS過ぎるよ…。渋谷事変も収束するどころか事態が悪化して終わってしまい、虎杖自身は殺害対象にされるという散々っぷりなんだけど、この困難をどのように乗り越えていくか先は気になるばかり。幸いにも続編決定しているので気長に待とうと思います。

 

 

5. Dr.STONE(3期)

 

メンバーの大半が石化されて大ピンチな状況から始まった3rdシーズン。

改めて本作は順序立てて少しずつ物事を進めていくのが魅力だと感じていて、水中へ潜る為のボンベや石化光線を奪う為のドローン作りといったモノづくりの楽しさとリンクした要素だったり、重要な人員から順番に石化を解いていくストーリーだったりと、物語に必要なピースがハマっていくのが見てて気持ち良い。あと全員に役割があるチーム千空を見ていると、科学をテーマにしつつもその根幹には人があるのを感じられるのがいいなと思う。

また今シーズンはバトル面でも見所あって、敵の大将であるイバラが非常に用心深く一筋縄ではいかない存在だったのが緊張感を底上げしてくれていた。そんなイバラと千空が一騎打ちする展開は滾るものがあって、最後の最後まで決着が読めない激戦には手に汗握った。やり遂げた千空の雄叫びや仲間と共に掴んだ勝利の余韻にはグッときたし、何より最後決めるのは仲間達に全てを託された千空っていうのが激熱過ぎて…無言のハイタッチを交わすシーン大好き。

そして次の舞台はいよいよ月ということで。もう何が起きても驚かないぞと思ってたのに目玉飛び出たけど、この作品ならまた一つずつ積み上げて実現してしまうのだろう。完結編のアニメ化も決まったとのことで楽しみに待っています。

 

 

6. 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

 

タイトルに偽り無しな100股(予定)ラブコメ。もう頭の整理が追い付かない。

本作の魅力は100人の運命の人と愛し合わなければ死ぬというハチャメチャな設定から生まれるぶっ飛びっぷりで、当然のように複数股をしてヒロイン達もそれを許容するというカオスな世界観が見所。挙句の果てにヒロインの母親まで彼女にしてしまうのには恐れいったw更に凄いのが義務感的なのは全く無くて、主人公・恋太郎がヒロイン全員のことを真剣に想っているのが伝わってくるんだよね。何故か一周回って誠実に見えてくる不思議。

そしてもう一つ本作の魅力としてヒロイン同士もすこぶる仲が良く、いがみ合ったりするどころか誰かが困ってる時は迷わず手を差し伸べてくれるのが好き。羽香里を助けんとする恋太郎ファミリーには不覚にもグッときたし、本気で心配してたが故の唐音の涙ながらのビンタには涙腺が緩んだ。全員が全員のことを大大大好きな幸せ空間が形成されていたのが微笑ましく、見てる此方も幸せな気持ちになれる作品だったように思う。

ヒロインは甲乙つけがたいけど、可愛さなら唐音で面白さなら羽香里かな。主人公にくすぐられてアヘ顔で嬉ションしそうになるヒロイン面白過ぎる。

最後には新ヒロイン達もチラ見せした上で第2期決定とのことで今後の展開が気になるところ。流石にまともに100人まで増えはしないだろうけど、絡みが増えて賑やかになれば面白さも増していきそうなので楽しみにしています。

 

 

7. アンデッドアンラック

 

最高の死を望む不死(アンデッド)・アンディと生身で接触した相手に不運をもたらす不運(アンラック)・風子が出会うところから始まる予測不能の"否"王道バトルアニメ。

本作の魅力は個性豊かな能力者達バトルで、"何か"を否定している否定者達の能力を軸に展開される駆け引きが見所。自身の身体を武器にして戦うアンデッドや隕石を落とすレベルのアンラックといった豪快な戦いっぷりだけでなく、頭脳戦の一面もあることで戦闘が単調にならずに楽しめた。

またメイン二人は個々の魅力は然ることながらその関係性も味があって、最初は風子のことを不死の自分を殺してくれる存在としてしか見てなかったアンディが徐々に惹かれていくのがたまらない。印象深いのはvsヴィクトルでのキスシーンで、特大の不運を起こす為のキスだけど決してそれだけではない感情が溢れてる二人の表情や、二人の特別な時間であることを強調する静寂が素晴らしくて大好き。その後の病室でのシーンも演出バチバチに決まってて9話は完成度高かったと思う。

たまに回想が多かったりでテンポの悪さを感じる時があるのが若干気になるけど、アンディの過去や壮大な世界観etcとまだまだ引き出しありそうだし、噂によると伏線回収も結構あるらしいので期待したい。2クール目も楽しみ。

 

 

8. SHY

 

各国の代表ヒーローが平和を守る世界で、恥ずかしがり屋の日本代表ヒーロー・シャイを始めとしたヒーロー達と謎の敵対組織『アマラリルク』との闘いが描かれる。

本作の魅力は主人公・シャイのヒーロー性。普段はその名の通り恥ずかしがり屋で内気な少女なんだけど、ひとたび変身すると闘志を燃やして全力で戦い周囲の人々の涙を拭っていくTHE・ヒーローになるギャップがたまらない。欲しい時に欲しい言葉をくれるというか、相手の心に寄り添って優しく掬い上げてくれるもんだからこんなのファンになっちゃうよっていう。

本作は愛や優しさ、またその継承がベースの考え方としてあって、そこからくる温かさが好き(主人公がCV:下地紫野なので「優しさのSHINING LINE*だ…」などと勝手に思っていた)。特に母からの愛情を確かに受け継いで立派なヒーローになったペペシャにはグッとくるものがあって、後悔と自責の念に駆られ悲しいすれ違いをしてしまった母との和解には涙腺緩んだ。普段は酔いどれお姉さんなのにズルいよ…。

シリアスブレイカーなクフフさんを筆頭に敵側の描写がまだフワフワしてて地に足着いてない印象はあるんだけど、その辺りは制作決まった続編(というか実質分割2クールっぽいが)次第かな。また楽しませてくれることを期待しています。

 

 

9. アンダーニンジャ

 

極秘裏に暗躍する2つの忍者組織、NINとUNの暗闘を軸に描かれるサスペンスアクションアニメ。

本作の魅力は全編に漂う濃さマシマシのシュールっぷり。苗字ランキング拘り男(主人公)・母乳おじさん・加齢臭フェチ女etcとキャラが濃すぎる登場人物達も然ることながら、戦闘に使用される兵器も多種多様で、宇宙から照射されるレーザービーム・ダンボール人型ロボ・ドローン刀etcとカオスが極まっていて面白い。またシリアスな展開で緊張感持って見てたらさらっと挟まれるギャグがシュールで笑ってしまうのがズルい。

謎多き世界観に加えて序盤は時系列シャッフルもあって余計に何が何だか分からなかったんだけど、その展開の読めなさがむしろ興味を持って視聴させてくれたように思う。飄々としてて底知れない主人公・九郎が特にそうだけど、次は一体何をしでかしてくれるのかが気になってどんどん引き込まれていった。

そして決戦の幕切れがまさかまさかの展開で、これは続きが見たくなってしまう。アニメ続編は流石に無さそうだし原作読んでみたい。

 

 

10. ウマ娘 プリティーダービー(3期)

 

キタサンブラックを主役に据えて描かれるウマ娘3rd season。

今シーズンで良かった点はまずキタサンのライバル・サトノダイヤモンドの勇姿。GⅠで勝てないサトノ家のジンクスに苦しめられつつも、その名の通り強靭な精神で決して挫けない姿には心打たれたし、悲願の初勝利でこれまで堪えてきた感情が決壊して子供のように泣きじゃくるダイヤには涙腺が緩んだ。その後もキタサンの好敵手として良い立ち位置を確保していて主人公に次ぐ活躍だったと思う。

次に印象深いのは12話のシュヴァルグラン回。決して届かない眩しい存在であり、それ故にずっと背中を追わせてくれた目標でもあり…そんなキタサンがいなくなってしまう悔しさや寂しさは共感出来たし、複雑な感情の集大成である「君が好きだ」の叫びはグッときた。正直掘り下げの積み重ねは不足していた感もあるんだけど、心境とシンクロした歌詞の挿入歌と共に、これまでの感謝とこれからの決意を返すかのような渾身の走りは刺さった。シャインポストもそうだったけど夏吉ゆうこさん歌唱力お化けで好き。

引っ掛かった点はキタサン描写のチグハグさで、ピークを迎えた…というには敗北が目立っていて全盛期が感じられなかった。また結果的にはGⅠ7勝という快挙を成し遂げた最強クラスのウマ娘にも関わらず、作中で天才ではなく凡人扱いだったのも噛み合ってない気がしてて、制作側でも扱いが定まってなかったように思う。

あと(おそらく)史実を優先してしまったが故に全く描写の無かったウマ娘が勝利するという、作劇として腑に落ちない結果が散見されたのが残念。色々難しいんだろうけど史実を完全再現する必要ないのではと素人目線では思っちゃう。

他にも各話の構成・レース展開が単調気味で変化に乏しかったことや、他のライバルは影薄めだった割にダイヤの凱旋門賞がサラっと流されたこと等々、不満点も目立つシーズンになってしまったかなと。

次作は劇場版みたいだけど果たしてどうなるか。地力のあるシリーズではあるので期待したい。

 

 

11. SPY×FAMILY(2期)

 

言わずと知れた人気シリーズの2nd season。

2期の軸である豪華客船編では特殊な背景を持つ主役3人がそれぞれのアプローチで奮闘するという本作の強みが出ていたように感じてて、特に暗殺者設定が浮きがちだったヨルさんの活躍が見れたのが今までにない味わいで良かった。今まではただ強いだけだったのが、家族を守る為に戦う(というにはバイオレンスが過ぎるがw)母としてのキャラが確立された意義深いシーズンだったように思う。着せ恋最終話を彷彿とさせる鮮やかで美しい花火を背景に敵をなぎ倒していくヨルさんは単純に映像としても見応えがあり、33話はお気に入り。

他の回も大きな波こそ無いもののコンスタントに笑わせてくれて安定感あったかなと。ステラ獲得の話はどこいった感あるけど、それが無いと成立しない作品でもないから固執する必要はなさそう。続編やるならまた見ます。

 

 

12. 薬屋のひとりごと

 

人攫いにあって後宮に下女として売られた薬師の少女・猫猫(マオマオ)が後宮を舞台に様々な事件を解決していく謎解きミステリー。

本作の魅力は小気味よく繋がっていく謎解きで、散りばめられた情報を基に事件の全容を組み立てていくのが見てて心地よい。またドロドロな後宮を舞台にしているだけあって真相に苦味が伴うことが多く、"ひとりごと"という表題通りあくまで猫猫の推定として断定しないような締め方も相まって絶妙な味わい深さがあった。この辺りのテイストは氷菓に似てる気もする。

あとは単純にキャラクターとして主人公の猫猫が魅力的だった。薬屋としての知識を駆使したカッコいい一面を見せたかと思えば毒見でテンション爆上がりして顔を蕩けさせたり、執拗に粘着してくる壬氏様に翻弄されたりと基本は冷静で落ち着いてるんだけど意外と表情豊かなのが面白い。千変万化な感情を見事に演じ切ったCV:悠木碧もハマり役だった。薬屋としての知識無双や周囲下げが過ぎるとなろう感強くなってしまいそうだけど、今のところ怪しかったのは4話ぐらいであとは丁度いいスパイスになってるかなと。

2クール目も連続してあるということで、引き続き追いかけます。

 

 

13. 16bitセンセーション ANOTHER LAYER

 

美少女ゲーム大好きなイラストレーター・コノハが黄金時代の名作「同級生」のパッケージを開き、そのゲームが発売した過去にタイムリープをしてしまうところから始まるオリジナルアニメーション(一応原案はある模様)。

本作の魅力はタイムリープを軸にした息もつかせぬ展開で、ゲームを開封すると発売年にリープする設定を活かして次々と時代を移り渡っていくのが特徴。今となっては珍しくもないリープものだけど、急に現代に戻ってしまったり、コノハじゃなく男主人公の守がリープしたりと意表を突いた脚本で飽きさせなかったのは凄い。引きもバッチリ気になるところで決めてて、誰も先を知らないオリアニの強さを発揮してたと思う。8話の「想像」と「創造」をテーマにした概念的なエピソードも印象的だったけど、急にこういう話をぶち込めるのもオリアニらしくてワクワクできた。

他にも時代の移ろいと共に徐々に進化していくゲーム制作事情や、懐かしのタイトル群(登場作ではKanonぐらいしかやったことなかったが)等、今では下火なギャルゲー全盛期の匂いを感じ取れるノスタルジックさも魅力だった。

残念だったのはいつの時代にも普遍的に存在する創造力というクリエイターの熱量が軸にあったはずだけど、それがあまり感じられなかったこと。というのも先に述べた通り時代を転々とする関係上そちらの描写に時間が割かれてしまい、ゲーム制作描写が薄くなってしまっていたかなと。"熱は全ての可能性"という台詞もありそれ自体は納得出来るものの、作中描写とのリンクが弱く感じた。

あと「コノハが過去で得た経験を基に未来でどう生きていくか」を(勝手に)期待していた自分としては、そこはあまり主眼に置かれてなかったのが物足りなかった。

とは言え爆発力を秘めたオリアニをリアルタイムで見届ける楽しみは唯一無二なので、これからもオリアニには頑張って欲しい。

 

 

14. カノジョも彼女(2期)

 

2股系ラブコメ第2弾にしてまさかの今期2枠目で日本が心配。

主人公・ヒロイン共に常識外れのアホ達で構成された愉快なコメディだった1期に対し、その味は残しつつも一風変わった様相を見せた2期。

というのも2期の主役は今シーズンからヒロインとして本格参戦した紫乃になっており、彼女の内面が深く掘り下げられることになった。ずっと密かに抱いていた淡い恋心が肥大化し、自身でも制御不能になっていく…抑えなければいけないと頭では分かっているのに、心がそれを許してくれない。恋心と友情の間で葛藤する姿が切なく、最後にやっと想いを打ち明けられたシーンにはグッときた。怒るのではなく、気付けなくてごめんと号泣するサキサキがまたいい子でさ…無人島から直也が帰還するシーンでも直也のことが本気で好きなことが伝わってくる泣きっぷりが魅力的だったし、本当良い彼女だよね。アホだけど。

ただ紫乃の恋心は見応えがあった一方で、本作はスタートがそもそも二股から始まってる倫理観度外視コメディなので、真面目な恋愛模様を描かれても…というチグハグ感が若干あった。まぁ100カノとの差別化は出来てたから結果的には良かったかも?また続編やるなら見ます。

 

 

15. アイドルマスターミリオンライブ!

 

ご存じアイドルマスターシリーズのミリオン編。ミリオンのゲームは未プレイ。

本作の魅力は個性豊かなアイドル達。…と言いたいところなんだけど、残念ながらその魅力は伝わりきらなかった。とにもかくにも数が多過ぎるのが問題で、脚本が悪いというよりシンプルに39人ものアイドルを12話で描くのはそりゃ無茶だよと。この絶望的な数字差からするとグループ毎で分けて見せ場作ろうとしたりで健闘してたとは思うんだけど、最終話の連続ステージで名前すら浮かんでこないキャラがいるのは致命的と言わざるを得ない。先輩として初代765プロメンバーが出てくるのは感慨深い一方で、存在感が完全に食われてしまっていた。

一番印象に残ったのは10話の静香回で、幼い頃に他ならぬ静香父自身も元気を貰っていたことに気付く回想からの「…それならよく知っています」が温かくてグッときた。

キャラ単体で言うと亜利沙のリアクションやら声がオジサン臭強くて好き。常にグヘグヘしててもはや声から涎出てる勢いなのが笑う。

4月からシャニマスのアニメ化も決まってるけど、人数的にはミリマスよりやりやすいと思うので期待したい。

 

 

16. るろうに剣心(2クール目)

 

昔の名作漫画リメイクシリーズで原作既読なので特に語ること無し。

雷十太3話、津南2話、アニオリ2話と正直内容は薄めで箸休めのクールだったかなと。原作既読組としては雷十太みたいなちょいキャラにスポット当ててくれるのはむしろ嬉しいんだけど、新規組がついてきてくれてるか心配ではある。

vs斎藤は名言連発で盛り上がるものの、原作でも名シーンの1つだから順当といったところ。斎藤一とかいう男カッコ良過ぎなんだよな。あと序盤を改めて見てると思うけど、何だかんだ抜刀斎モードが出て来るとアガるね。

少なくともvs志々雄の京都編までは作ってくれるのは素直に嬉しいし楽しみ。引き続き追いかけます。

 

 

17. シャドウバースF(6クール目)

 

今シーズンで印象深い戦いは2つあって、1つはルシアvsミカド。

立て続けに敗北し、負けることが怖くなってしまったミカドの追い詰められっぷりが真に迫っていて見応えあった。そこから「弱い自分を乗り越える」と再び立ち上がる姿が熱く美しかったし、本作は一貫して敗北を価値あるものとして描いているところが魅力なんだけど、その良さが出てたと思う。

もう1つはヒイロvsライトの新旧主人公対決で、強者として立ちはだかる成長したヒイロは感慨深いし、ポセイドン伊達政宗のお馴染み最強コンボはシャドバおじ歓喜だし、何よりお互い純粋にシャドバが好きで楽しそうにプレイしてる姿が良かった。

以降はアークを絡めた世界観に切り込んでいく話になりそうだけど、その辺りは正直あまり期待していないので程々にして欲しいがどうなるか。

 

 

【総評】 

以上、計17作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(気持ち左右差あり)。


S(歴代上位) : 該当無し
A+(クール最上位):  > オーバーテイク フリーレン MFゴースト 呪術廻戦  Dr.STONE 
A(クール上位) : アンデッドアンラック SHY アンダーニンジャ > ウマ娘 SPY×FAMILY 薬屋のひとりごと 
B+(中の上) : > 16bitセンセーション カノジョも彼女
B(中) :ミリオンライブ るろ剣 シャドバ >

 

評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

今シーズンのBEST回は葬送のフリーレン第9話『断頭台のアウラ』でした。これは言わずもがなだと思うので詳細割愛。

 

全体感としては良作が多いものの、頭一つ抜けたものは無かった印象。

他には盾と勇者の3期も見るつもりだったんだけど2期がハマれず+今期の数が多くて断念。正直1シーズン10作品ぐらいが丁度良い感あるんだけど、供給豊富過ぎてそれを許してくれないのが悩ましい…20作品以上とか見てる人本当に尊敬する。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

冬アニメは例の如く追えてませんが、TL見ている感じだと普段見ない異世界転生系が多くて視聴数は減りそうかな?気になった作品を順次チェックしてまた感想書いていきますので、今年もよろしくお願い致します。


それではまた。

 

2023年夏アニメ総括感想

 

 

 



 

お久し振りでございます。

気付いたら1ヶ月以上アニメ感想呟いていませんでしたが、生きてます。

 

遅まきながら今期も全て見終わったので感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです!
気軽にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう!

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

 

【目次】

1.BanG Dream! It's MyGO!!!!!

2.呪術廻戦 懐玉・玉折(2期)

3.彼女、お借りします(3期)

4.蒼穹のファフナー THE BEYOND(3期)

5.好きな子がめがねを忘れた

6.AIの遺電子

7.るろうに剣心

8.無職転生(2期)

9.わたしの幸せな結婚

10.アンデッドガール・マーダーファルス

11.シャドウバースF(5クール目)

総評

 

 

 

1. BanG Dream! It's MyGO!!!!!

 

リアルな人間の感情を描くガールズバンドアニメ(公式)。今期の個人的No1はこの作品となりました。

まず初めに言っておきたいのは、バンドリシーズを題しているが基本独立してるのでこれまでのを見て無くても全然大丈夫です。自分もバンドリは初代の1期しか見てないので、シリーズ見てないのを理由に避けてる方は一度見てみることをオススメします。

本作の魅力は人間臭い登場人物達が剥き出しの感情をぶつけ合うところで、1話開始3分のギスギスしたやり取りで一気に惹き込まれていったのが懐かしい。『ドロドロ、ぐちゃぐちゃ。それでも。』というキャッチコピー通りメンバー達はすれ違いやいがみ合いを繰り返すんだけど、そこでは等身大の感情が描かれている。迷って、ぶつかり合って、傷だらけになって、"それでも"懸命に生きる彼女達の姿を見てるとこちらもどんどん感情移入してしまう。主要5人はハッキリ言って色々と難アリなところもあるんだけど、そういう不完全さを持ち合わせているからこそ愛おしく感じられた。

あと本作で好きなのは失敗を、過程を肯定してくれるところ。1話の「またダメにならないように頑張れば良くない?」から始まり、「迷子でもいい、迷子でも進め!」で終わるところまで一貫してテーマになっており、転んでしまった人に手を差し伸べて絆創膏を貼ってくれるような温かさが根底にあった。ギスギスしていると評されることも多いけれど、一癖も二癖もある彼女達を受け入れてくれる懐の広さも含めて本当に温かい作品だったように思う。

ストーリー面に触れておくと、序盤は前バンド・CRYCHIC解散という大きな気になるイベントを軸に展開させつつ、そよさんが感情を爆発させた7話から緊張度が一気に増して目が離せなくなった。というか最後まで見てから改めて7話を見ると祥子の涙が一層辛くて…本当はこの手を離したくなかったのに、もう自分の手の届かないところにいるのをまざまざと見せつけられるの切な過ぎる。他の回もそうなんだけど、祥子に注目してもう一周すると色々と発見があってまた違った趣があるんだよな。そして修復不可能に思われた関係も、全ての始まりでもある燈が紡ぐ言葉で、心の叫びで、MyGOという一つの形を成していくのは納得感あって良かった。

キャラも本当に魅力的で皆好きなんだけど、特に一番迷子だったそよさんには心を動かされまくりだった。復帰後の絶妙な感情も解像度高くて、本作は表情表現が凄く良いのも相まって共感してしまう。お調子者な愛音との絡み好き過ぎるから無限にして欲しい。剥き出しの自分を受け入れられるようになったラストもグッとくるものがあり、これまでの経緯を思うと感慨深いものがあった。

最終話ではこれまであまり触れてこられなかった祥子にも焦点が当たり、そのまま続編発表があって嬉しい限り。祥子は勿論のこと睦の心の内も気になるところなので、更なる感情のぶつかり合いが見れることに期待したい。というか祥子と睦は頼むから幸せになってくれ…。

 

 

2. 呪術廻戦 懐玉・玉折(2期)

 

大人気シリーズとなった呪術廻戦の2ndシーズンで、夏クールは過去編である懐玉・玉折と渋谷事変の触りといった構成。

まず懐玉・玉折について、これがべらぼうに良かった。本作は五条悟の最強っぷりが魅力の一つなんだけど、常に冷静な五条がまだ"青かった"時代が描かれることで、彼の人間的な部分が垣間見えることとなった。全て思い通りに出来そうな力を持っている五条悟がどうにも出来なかった夏油傑という存在…夏油の絶望も、それを止められない五条の歯痒さも痛い程伝わってきたし、爽やかなOPとのギャップがまたクるんだよなぁ。劇場版で結末を知ってるから尚の事切ないものがあった。

渋谷事変についてはまだ始まったばかりというところだけど、やはり心奪われるのは五条の無双っぷり。特級呪霊が束になっても敵わない、常に相手の予想を超えていく戦いには興奮するなという方が無理というもの。無量空処からの殲滅とか表現難しかったんじゃないかと思うけど、目にも止まらぬ速さで行われたことが伝わってくる迫真の映像で素晴らしかった。またそれだけじゃなくて(偽)夏油との再会で心が揺れるところも味があって、脳裏を駆け巡る夏油との思い出が、魂が、目の前の存在を否定する…五条にとっての夏油は何者にも代えがたく、"今でも青が棲んでいる"のだなと。五条は過去編を経て一層魅力的なキャラになってて、そういう意味でもやっぱ最強だよこの人。

と言いつつ第2クールは虎杖達の活躍も見れそうでそちらの方も楽しみ。引き続き追いかけます。

 

 

3. 彼女、お借りします(3期)

 

ダメダメ大学生・和也と色々な彼女達が織り成す大人気ラブコメ第3期。

3期は「千鶴が出演する映画を小百合婆ちゃんに見せるべくクラファンでの映画製作に挑む」というストーリーの軸がハッキリしていたので見やすい構成だったかなと。2期で片鱗を見せ始めていた和也の頼もしさが更に1ランク上がり、逆に千鶴は弱さを持った女の子の側面を見せるようになった。そんな千鶴のことをただ好きだという気持ちでは足りず、支えたい、守りたいという愛おしさが溢れる和也には共感しまくりだったし、そんな和也のお陰で悲しみを乗り越えられた千鶴を見てるとこちらまで幸せな気持ちで満たされた。自分は和也が千鶴のことを"君"と呼ぶシーンが好きで、レンタル彼女である水原だけじゃなくて普段の一ノ瀬も含めた全ての"君"へ向けられているようで、その想いの大きさに泣きそうになる。

恋愛面でも千鶴のメインヒロイン力は相変わらず圧倒的で、"好きじゃなくもない"なんて台詞が出たり、二人の旅行では意識しまくりで寝れなかったり、自然と楽しそうに和也のことを語ったり…ちょっと不本意さを滲ませながらも確実に惹かれている言動の数々には存分にニヤニヤさせてもらった。

ただ3期はちょっと引っ掛かった点もいくつかあって、クラファン編前半の映画作りについては割とすんなり進行して2期終了時の期待値は越えなかったのが正直なところ(小百合婆ちゃんとのエピソードは盛り返してくれたが)。またストーリーの軸が千鶴に固定されたことで他ヒロインの影がかなり薄くなってしまったのも仕方ないとは言え少し寂しい気がした。特に麻美ちゃんとかほぼ出番無かったし…最後は思わせぶりだったけど今後何かしでかしてくれるのだろうか。あと文字演出自体は前からあったけど、方針が変わったのか今期は相当過剰だったと思う。

そして今期から登場したみにちゃんについては賑やか&楽しいキャラで、ギャグ成分を補充してくれる貴重な存在だったかなと。ただ中々一歩踏み込めない二人を強引に近付ける起爆剤として機能していた一方で、外から関係性を明示するのは自覚していく過程が大好き侍としては若干野暮な気もしたり。

とまぁお気に入りのシリーズなだけに気になるところもあったんだけど、後半、特に最終回がかなり刺さったので最終的な満足度は高め。4期発表は無かったけど、また来年か再来年の夏に絶対やってくれると信じてます。というかやって下さいお願いします。

 

 

4. 蒼穹のファフナー THE BEYOND(3期)

 

1期からすると約20年続くファフナーシリーズの完結編。

主人公が転生した子供の総士というまさかの新章ながら、見終わってみるとファフナーを完結させるにはこの存在が不可欠だったのかなと。ファフナーと言えば常に誰かの犠牲の上に成り立つ物語で、身体を蝕まれても、大切な人を失っても、それでも平和な日常を手にすべく戦う。視聴者だけでなく作中キャラも、そういうものだと思ってしまっていた。美羽が自身を捧げようとしていても誰も止めなかったように。

そんなファフナーの世界に「いつまで同じことを繰り返す気なのさ…!」と総士は叫ぶ。こんなものは受け入れられないと、子供のようなワガママを。

ファフナーを象徴する一騎と直接ぶつかって超えていく第11話をもって、「幸せの為に必ずしも犠牲が必要ではない」という当たり前と言えば当たり前な、でも過酷な戦いを経験してきた島民達には無かった価値観を与えてくれるのは納得だった。強引さもあるけれど、過去に囚われない総士という純粋な存在が必要だったんだと思う。

惜しかったのは敵サイドに魅力が乏しく感じたところ。マリスの目的が美羽を同化させたくないというのもスケール小さいし、総士の言う通り「早く言え!」って感じなんだよな。あとこれは完全に自分が悪いんだけど、EXODUSから8年経過してる故にキャラとか設定とか色々と忘れてて、過去シリーズを活かした展開には感情移入しきれなかった。2期までは一気見したから問題なかったけど、用語とか多いのもあって時間経つと全然覚えてないなと…wikiとか見ながら見てたけどついていけない所あったのは残念。

何にせよ長く続いたシリーズがきっちり完結まで描かれるというのはそれでも素晴らしいことだと思う。制作陣の方々に祝福のあらんことを。

 

 

5. 好きな子がめがねを忘れた

 

いつも眼鏡を忘れてしまう天然女子・三重さんとちょっぴり奥手な中学生男子・小村くんが織り成すラブコメディ。

本作の魅力はまずメインヒロインの三重さん。ド近眼であるが故に距離感が近く、無自覚に小村くんを翻弄する天然っぷりが良い。そして物語が進むにつれて徐々に小村くんへの想いが強まっていくのがまた良くて、最初は無邪気にしてた言動に照れが混じっていくのは天然ヒロインならではの味でニヤニヤしてしまった。若山詩音ボイスも至高。

主人公の小村くんについては三重さんの一挙手一投足が気になって仕方ないTHE・思春期真っ盛りの中学生男子な思考回路が解像度高くて、中々にキモい(褒めてます)心の声には何度も笑わせてもらった。

ベースとなる眼鏡を忘れまくる設定は流石に無理があるんだけど、「ねーよwww」って感じでギャグとして観れたので特に問題なし。ずっと見えていなかった小村くんの表情を見て小村くんの気持ちに気付く9話など、見えないことを活かしたストーリー展開もあったりで巧かったと思う。

1話はクセのあるヌルヌル作画で若干とっつきにくい印象もあったんだけど、瑞々しくてどこかこそばゆい、中学生らしい恋愛模様が進展していく良質なラブコメだった。

 

 

6. AIの遺電子

 

AIが発展し、人工知能を有するヒューマノイドが同じ人間として総人口の1割として生活する未来でのドラマを描くSF作品。

本作の魅力はAIやヒューマノイドを軸にしたメッセージ性の強さで、記憶・感情・性格と言った人間らしい要素を意図的に弄ることが出来てしまうが故に葛藤が生まれ、「人間らしさとは何なのか?」を視聴者に提起してくるのが興味深い。例えば5話とかお気に入りで、難ありな性格だがその分ピアノに情熱をかけていた少年の性格を矯正した結果人間関係は良好になったが、どこか張り詰めたピアノの音色は昔と変わってしまうのとか考えさせられるテーマで好き。あと8話は個人的ベスト回で、リサの"ずっと友達"とか"恋してるサバちゃんが好き"という紛れもない本心が、サバちゃんの決して叶わぬ恋を強調してるのあまりにも切なくて涙が零れてしまった。辛くて消したくなる面倒臭い感情だけど、その面倒臭さこそが人間の魅力なのだと訴えかけてくるのがまた良い。

更に面白いのはAI文明を悪として描くのではなく、上手く共生していくようなエピソードも描かれる点。ChatGPTやAI画像生成etcと最近のAI技術の進歩は更に加速している印象で、本作のような世界がファンタジーでなくなる未来もそう遠くない気もする中、人類はどのように共にあるべきか?を問われるのは真に迫るものがあった。

惜しむらくは基本1話につき2本の短編という構成上、積み重ねからくるような劇的なドラマは無かったことかな。深さよりも種類(観点)を重視してるから当然だけど。あと主人公である須藤先生の母を巡る物語については全く解決せずに終わったのもちょい残念。ヒロインのリサはCV宮本侑芽も相まって可愛くてグッド。

SFでありながらどこか現実味を感じる不思議な作品でした。

 

 

7. るろうに剣心

 

古き良き名作漫画のリメイクシリーズ。自分は原作既読で旧アニメ未視聴。

自分にとってのるろ剣はオタクになり始めた頃に買って何度も繰り返し読んだ思い出深い作品で、今回のリメイクは楽しみにしていた。

展開どころか要所の台詞も覚えてるので全然目新しさは無いんだけど、何もかもが懐かしくて心が躍ってしまう。何ならもう喜兵衛が出てきた瞬間笑ってたし、vs刃衛とか鮮明に覚えてて台詞の答え合わせ的な楽しみ方をしてた。

原作に忠実に作られていてファンに優しいだけでなく、要所でアニオリを挟んでくれるのも嬉しいポイント。技名の無かった白刃取りが飛天御剣流唯一の徒手空拳技・龍咬閃になってるのカッコいいし、御庭番衆が確かな居場所になってた般若の回想シーンとか泣けるし、観柳がガトガト言いながらガトリング撃ってるの面白過ぎるし…というか観柳は演技が荒ぶりまくりで全ての台詞が笑えるwCV:真殿光昭さんGJ。薫殿も原作より更に可愛く感じるのはCV:高橋李依の力が大きいと思うし、声優はつくづく偉大だなと。

どこまでアニメ化してくれるのか知らないけど、少なくともvs志々雄まではやってくれると思うので今後も楽しみ。

 

 

8. 無職転生(2期)

 

エリスとの手酷い別れを経験して失意の底にいるルーデウスという重たい開幕で迎えた2ndシーズン。

泥沼編、学園編共に軸はED治療とふざけているようで、当のルーデウスにとっては真剣な悩み。最後まで見ると真摯に向き合い立(勃)ち直る物語だったんだなと。踏み込むのが怖かったけど勇気を出して気付いて貰えたシルフィの嬉しさや、今までのトラウマとは違う幸せな朝を迎えられたルーデウスの涙と、終盤はグッとくるポイントもあった。

ただ正直1クール使う程の内容だったかと言うと疑問で、学園編で出会ったケモ耳少女達やクリフ等の人物が少なくとも現時点で必要性が薄く、横道に逸れてると感じることが多かった。物語の核心に迫る9話のナナホシ回はワクワクしたし、もっとそっちの話も見たかったというのが本音。あとエリスがまだ忘れられていない自分としては、シルフィと結ばれるENDに「エリスは…?」と辛くなってしまった。逡巡とか一切無かったから余計にそう思う。2クール目で胸中語られるかもしれんが…。

いずれにせよ期間を空けての2クール目があるということで、そちらに期待したい。

 

 

9. わたしの幸せな結婚

 

継母達から虐げられて育った少女・美世が孤高のエリート軍人・清霞と出会う所から始まる、愛と異能が紡ぐ異色のシンデレラ・ストーリー。

本作の魅力はまず美麗な映像で、鮮やかで色彩豊かなアニメーションには思わずうっとりしてしまう。OPとか見てるだけでもクオリティの高さを感じられるし、全編通して作画も高水準で保たれてて一度も不満に思う瞬間が無かったのは凄い。それだけでも一見の価値があったと思う。

またメイン二人の関係性も見所で、とんでもなく自己肯定感が低かった美世が虐待にも屈せず自らの強い意志で清霞との道を選ぶようになっていったり、抱え込み過ぎずに時には頼るのも家族なのだと気付いたり…斎森家のどん底スタートからタイトル通り幸せな結婚への道を歩んでいくシンデレラストーリーだったなと。夫である清霞も美世への愛情が溢れていて見ているこちらも旦那様と呼びたくなるというか、ここまで想ってもらえる美世の幸せはこれ以上ないくらい伝わってきた。

ただその反動なのか、清霞が美世に惹かれる過程がもう少しゆっくりであって欲しかったように思う。冷酷男()から変わるの早過ぎて都合の良さを感じてしまったかな。

あと話題になりがちな異能についてはどちらかと言うと肯定派。違和感はあったけどちょっとシュールで笑えたりしたし、綺麗過ぎる物語にアクセントをつける為には必要な要素だったと思う。

そしてうざねること香耶は徹底された素晴らしい悪役っぷりかつオシオキのされっぷりまで完璧で前半の面白さを支えていた。あやねるにああいう意地悪いキャラを演じさせたら合い過ぎてて笑ってしまう。一方で終盤の薄刃の異能を巡る騒動では新の心変わりが急過ぎるように感じてちょっと残念。

万事解決でハッピーエンドと思いきや2期も決まったということで。何をやるのかなと言う気もするけど、また見ます。

 

 

10. アンデッドガール・マーダーファルス

 

怪物専門探偵<鳥籠使い>一行が不死の生首少女・鴉夜の失われた体を取り戻すべくヨーロッパを巡り事件を解決していく笑劇(ファルス)。

本作の魅力は軽妙な台詞回しで、鴉夜の体が無いことや不死であることを活かした掛け合いがセンス抜群。例えば"無駄骨を折ってる"なんて悪態をつかれると"あいにく体を痛めることはありませんが"みたいにサラりと返してくれるオシャレさが好き。探偵である鴉夜のCV:黒沢ともよがまたハマってて、流暢な推理パートは聞いてるだけでも耳が心地良かった。

なので自分としては掛け合いや推理が好きだったこともあり、逆に本作のもう一つの特徴である戦闘シーンに関してはあまり惹かれなかったかな。度々混戦が繰り広げられるんだけど、戦闘になると基本的に鴉夜は蚊帳の外になってしまうのが残念だった。戦闘作画がずば抜けてるとか戦い方が斬新とかそういうのも別に無かったしね。

とはいえキャラとしても不死の生首探偵という設定特盛な鴉夜だけでなく、生意気な軽口を叩く津軽と冷静で鴉夜様ファーストな静句含めたメイン三人衆のバランスが良く安定感あったので、基盤がしっかりしていたと思う。良作でした。

 

 

11. シャドウバースF(2期5k)

 

vsセブン・シャドウズがメインの5クール目。

一番の見所はミカドvsヒイロで、前作主人公のヒイロが本気ドラゴンではなくネメシスで戦うのも強者感あって良いし、弱さを切り捨ててきたミカドに対して破壊されたフォロワーを力に変える初期ネメシスのフィニッシャーであるサフィラが決めることで敗北を意味のあるものだと教えてくれるの完璧過ぎた。挿入歌・灯火も熱くて見た後はしばらく興奮冷めなかった。

他はスバルvsカグヤの兄弟対決かな。カグヤがずっと抱えていた本心を打ち明けるのはグッときたし、仮面を取って真正面からぶつかるスバルとシンクロするマスカレードゴーストシンシアでフィニッシュするのが熱かった。あとリョウガとデモニアのコンビが可愛くて好き。

まだまだドラマを見せてくれそうなので今後も楽しみです。

 

 

【総評】 

以上、計11作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(不等号含めて左右差あり)。


S(歴代上位) :MyGO
A+(クール最上位): 呪術 かのかり
A(クール上位) : ファフナー 好きめが > AIの遺電子 
B+(中の上) : るろ剣 無職 わた婚 アンファル
B(中) : シャドバF

 

割と適当かつ個人的な感覚なので参考程度に。

 

また評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

 

BEST回はMyGO7話「今日のライブが終わっても」。

物語の転機となる回で、唐突に始まってしまった思い出の春日影で否応なく壊れる対比脚本がエゲつないし(褒めてます)、祥子に感情移入すると涙無しでは見れない。

 

全体感としてはMyGOに出会えたのは大きな収穫であった一方で、ハマった作品数は少なく寂しいシーズンになってしまったかなと。視聴数としてはこれぐらいが丁度良いんだけどね。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

秋アニメは例の如く全く追えてないんだけど、TL見てると連休だろうが見切れないレベルで数がとんでもなく多いみたいで戦慄してる。いつも以上に皆さんの評判を頼りにしつつ追い付いていきたいと思います。

 

それではまた。

 

It's MyGO!!!!! 11話 感想

 

MyGO11話も面白過ぎてtwitterの制約上では語り切れる気がしないし、かと言って何も書かずにはいられないので、異例の2話連続ブログ更新。

 

今回は好きなシーンをいくつかピックアップして感想を書いていこうと思います。

 

・一生、一緒

「それでも、一生、やる…!」

「一生なんて、馬鹿みたい…!」

今まで"一生"が叶わなかったそよさんにとっては簡単に信じられない言葉であると同時に、最も信じたい言葉なんだろうなと…ボロボロ泣く姿に感情移入してしまった。

 

・愛音×立希

見栄っ張りな愛音、不器用な立希…でも何だかんだでお互いに認めてる二人の関係が心地良い。

 

 

 

前話でのそよさんへの対応もそうだけど、愛音の包容力というか、立希やそよといった癖のある人間を愛おしいと感じてる節があって、時折見せる優しい表情が凄く好き。

 

・そよの困惑

11話で感心したのはそよさんの感情に対する解像度の高さ。

あれだけのことをしてしまった以上いきなり仲良しこよしとは出来ないし、どう振舞ったらいいか分からない…そんな絶妙な距離感がたまらない。

 

 

"私なんかがここにいていいのかな…"と心の声が聞こえてきそうな表情が素晴らしい。

そしてそんなそよの様子を立希は見逃さない。

 

・私"も"最悪

 

「そよがCRYCHIC忘れられないこと…気付いてて、私も利用してた」

「だから、私"も"最悪」

 

そよが最悪じゃないとは言わない、言えるはずもない。でもそれでも構わないんだと。相変わらず言葉足らずで不器用なんだけど、立希なりの優しさにグッとくる。

 

思い返せば愛音も似たようなことを言っていた。

 

「ムカついたけど、そよさん"も"人間なんだなぁって思って」

 

裏表凄いし、嘘つきまくりだし、意地悪いところがある…ポイントは"も"で、立希も愛音もそよも、エゴイストという点で共通している。自分を押し通す人と捉えれば楽奈や燈もそうではないだろうか。

 

あの感動的なLIVEが終わった後でも一致団結とはいかず、集合写真では向いてる方向もバラバラで全く統一性がない。

 

 

 

でもこれでいいんだ。

こんな不揃いな彼女達だからこそ、一緒にいられるんだと思う。

MyGOらしさが詰まった写真で凄く好き。

 

・一生、迷子

「傷付かずに一生は…無理」

「傷だらけ、泥だらけになって、いっぱい藻掻かなきゃ…」

「それでも、皆と一生バンドやりたい」

 

静かに、でも力強く語られる燈の想いが響く。

 


同時に映される歌詞ノートが幾度も書き換えて(藻掻いて)作られた様子で、燈の言葉とリンクしてるのが良い。恥(失敗)をどう捉えるかは自分次第というAパートの台詞とも繋がってるのかも。

愛音が燈から貰った言葉を大事に保管してたのもエモくて、めげずにギター練習してた時とかもずっと心の支えにしてたんだろうなと…バンド名に繋がっていく流れも美しく何も言う事がない。

 

 

あと11話はギャグもキレキレでだいぶ笑わせてもらった。立希の「ともりん?」「あのちゃん!?」からの「えっ…」のところ好き過ぎて何回も見てる。

愛音と立希・そよの掛け合い面白過ぎるから無限にやって欲しい。

 

 

イラつき顔のそよさんからしか摂取出来ない栄養がある。

 

 

にしても最高に楽しめてるのに来週で終わりだと思うと寂し過ぎる…頼むから終わらないで欲しい。

叶わぬ願いを胸に、今日はここまで。

 

それではまた。

 

It's MyGO!!!!! 10話感想

 

色々と見所の多い回で全て語っているとキリが無いので、そよの感情変化に焦点を当てて少しだけ。

 

これまでのそよを振り返ると、家族からの愛情を充分に受けられず、初めての居場所になったCRYCHICは理不尽に解散…まだ終わっていないと縋りつきたくなる気持ちも分かるというもの。また舞台装置としてMyGOメンバーを見ており、愛音も楽奈もいらないと言う。裏返すとMyGOに自分の居場所は無いと思っていたはずだ。

 

それを今回、燈がひっくり返した。

 

燈からすればそよには裏切られたような気持ちも当然あるだろう(事実9話ラストでは真実を知って絶望していた)。

でもそれ以上に、燈はそよを"迷子"と称した。それは 詩超絆の歌詞にも表れている。

 

"昨日を握ったまま ズキズキ震えてる 痛い程伝わるから 君を離れない"

 

CRYCHICを引き摺ってるそよの辛さに寄り添いながら、ずっと一緒にいたいと真っ直ぐに伝えてくるのだ。

 

そりゃあ泣くよ。

居場所を失くした(と思い込んでいた)迷子のそよにとって、こんなにも嬉しい言葉は他にないのだから。

もしかすると、平常時の冷静な言葉だったら心は動かなかったかもしれない。

 

 

でも今回は違う。他でもない、心の叫びである燈の歌を通して伝えられたからこそこんなにも響いたのだろう。

身体の向きも完全にそよの方を向いていて、想いを届けたいという燈の意志が明確に感じられるのが素晴らしい。

 

 

想いが通じて今まで堪えてきた感情が決壊したように泣きじゃくるそよに、見てるこちらも涙を禁じえなかった…泣き顔の表情がまた良いんだ。

 

しかし最終話でもいいぐらいの回をやってしまって残りどうするんだろう。もう祥子や睦の掘り下げはないのだろうか。

百合豚的には赤丸急上昇中の愛音×そよ(素)を強めでお願いしたい。何でもしますから…!

 

 

 

祥子に怒られたので今日はこの辺で。

それではまた。

 

2023年春アニメ総括感想

 

 



 

 

本格的に暑くなってきて室内でのオタ活が捗る季節になってきましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。アニメ鑑賞は年中変わらずいつでも楽しめるのが良いところですね。

自身の近況としては4月に職場の異動があってプライ.ベートな時間は前より増えたんですが、総括感想まとめるのは結局いつも通りの時期になってて性格の問題ということに気付いた今日この頃でした。

 

閑話休題

 

遅まきながら今期も全て見終わったので感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです!
更に気軽にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう!

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

 

【目次】

1.機動戦士ガンダム 水星の魔女(2クール目)

2.ヴィンランド・サガ(2期2クール目)

3.スキップとローファー

4.私の百合はお仕事です!

5.僕の心のヤバイやつ

6.天国大魔境

7.マイホームヒーロー

8.BIRDIE WING-Golf Girls' Story-(2クール目)

9.推しの子

10.アイドルマスターシンデレラガールズ U149

11.Dr.STONE(3期)

12.鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(3期)

13.この素晴らしい世界に爆焔を!

14.王様ランキング 勇気の宝箱(2期)

総評

 

 

 

1. 機動戦士ガンダム 水星の魔女(2クール目)

 

毎週日曜をお祭り騒ぎにしていた本作も遂に完結。

1クール目の衝撃的な締めから3ヵ月お預け喰らった状態での第2クールということで期待値も最高潮となっていたが、概ねその期待に応えてくれたのではないだろうか。

見所は激化していく戦火の中で成長を見せる少年少女達で、特に印象深いのはグエル。罪の意識に苛まれる絶望のドン底から再び立ち上がり精悍な顔を見せる姿はまるで主人公で、初期の傲慢な御曹司を思い出すとその成長っぷりに泣きそうになってしまう。スレッタへの告白、グエルやラウダとの死闘etcと短髪にしてからやること為すことカッコよくて、苦難を乗り越えた男の器量の大きさが節々に現れてて好きだった。

また成長という観点だとスレッタも外せなくて、母の言う事に言いなりで、"進めば2つ"という言葉に翻弄され続けた彼女が最後には自らの足で母とエリクトを助けに向かう決断をする姿には胸が熱くなった。進んだからといって2つが手に入るとは限らなくて、スレッタやミオリネのように転んでしまうこともあるけれど、それでも立ち上がって前に進むことで手に入るものもある…本作のキーワードである"進めば2つ"にはそういうメッセージが込められているんじゃないかと思う。

ただ引っ掛かった点もあって、終盤、特に結末は腑に落ちなかった。アーシアンスペーシアンの対立構造は特に解決していなかったり、散々争った末にベネリットグループ解散で解決するのも釈然としないし、作中で描かれてきた罪に対する罰をまともに受けたのはシャディクぐらいで大団円というのも本当にそれで収まるのか…?というモヤモヤがあった。プロスペラも被害者と言えばそうだけど、お咎め無しは納得しにくい。あと不満というより要望だけどキャリバーンの活躍をもうちょっと見たかった。

とは言え久々の日5ガンダムで毎週楽しみにリアタイしていたのは事実だし、普段ガンダムを見ないような視聴層にも裾野を広げた本作の功績は計り知れないと思う。しかしここまで人気出ちゃうと次のガンダムは大変だなぁ。

 

 

2. ヴィンランド・サガ(2期2クール目)

 

前クールに引き続き骨太で重厚な物語を味合わせてくれた本作。

2クール目で外せないのはまずガルザルとアルネイズのエピソード。葛藤しながらもかつての構えを取るトルフィンには鳥肌ものだし、家族と共に過ごしたいというささやかな、けれど決して叶わぬ願いの結末の切なさには涙…幸せな情景が流れれば流れる程、一つの選択で崩れ去ってしまった現実とのギャップで胸が締め付けられた。深い絶望に包まれたアルネイズも、何とかしてあげたいのにどうにも出来ないエイナルも辛過ぎたし、その辛さや怒りを理解しつつも復讐は死の連鎖を生むだけだと涙を流しながら友を鎮めるトルフィンにはこちらも涙を堪えきれなかった。これまでの経験からくるトルフィンの言葉に重みがあるのが素晴らしく、偉大な父の教えである「誰にも敵などいない」へ遂に辿り着き本当の戦士となった姿には胸が熱くなった。

その他にもあんなに優しかったのに激昂してしまうケティル、部下を守りつつ恩義を返そうとする蛇、笑われる勇気を手にしたオルマル(その決断を笑わない蛇も最高)、母との再会等々見所満載で非常に濃密な第2クールだったと思う。

あと原作既読の自分でも十二分に楽しめたのは劇伴の影響が大きいように感じていて、ハードな世界観を鮮やかに彩る荘厳な音楽が無ければここまで心揺さぶられることは無かったと思う。素晴らしいお仕事でした。

区切りの良いところまでやってくれたけど、このクオリティで見れるならこの先も是非見たい。待ち続けるのでまたお願いします。

 

 

3. スキップとローファー

 

田舎の小さい中学校から一人上京してきた美津未が都会的スマートイケメンな志摩くんと出会うところから始まる青春スクールライフ・コメディ。

本作の魅力は主人公である美津未のキャラクター。どこかズレたところがありながらも純粋で前向きな彼女の明るさが伝播していき、悩み多き年頃な少年少女の影を照らしてくれるところが素敵。ド派手に転ぶけど起き上がるのも得意だと自負する通り落ち込むこともありつつ、最後には元気良く駆けだしていくエネルギッシュさにはこちらもパワーを貰えた。

そしてそんな美津未のあまりの眩しさに目を逸らしてしまう志摩くんも良いキャラしてて、普段は飄々としているからこそ時折見せる暗い部分や人間臭いところのギャップが魅力的に映った。特に好きなのは第6話の仲直りシーンで、どこか掴み所の無かった志摩くんが思わず美津未の手を取ってしまって本当の自分を見て欲しいのだと本音を告げ、最後には心からの笑顔を見せてくれたりなんかしたらそりゃキュンときちゃうよっていう。冒頭の文ちゃんとの話が繋がり恋の始まりを予感させて締める構成の巧さも相まってめちゃくちゃ好きな回。眩しさと向き合い、嫉妬の感情を受け入れることで前を向くことが出来た最終回も成長が垣間見えて良かった。

あと作中で最も人間味に溢れたミカには感情移入しまくりで、誰にも選ばれないと思い込んでいた頑張り屋さんな彼女を選んでくれたシーンには涙腺が緩んだ…。他にも結月×誠の間で育まれる友情などなど人間模様に惹かれる部分が多く、感情移入して見れたのは繊細な心情描写があるからこそだと思う。

全話通して温かさに満ちていて元気が貰える素晴らしい青春アニメだった。黒沢ともよ主演作品に外れ無し(ユーフォ・宝石の国・アクダマドライブetc)説にまた新たな作品が刻まれたのは間違いない。原作も気になるが期待を込めて2期待ちで。

 

 

4. 私の百合はお仕事です!

 

完璧な外面を武器に生きてきた陽芽がひょんなことからリーベ女学園というコンセプトカフェでアルバイトをすることになるところから始まる、"女の感情が絡み合う異色のコンカフェガールズラブ"(原作の帯より引用)。

本作の魅力はコンセプトカフェという設定を軸にした多層的な感情の絡みで、設定を演じる自分、普段の自分、隠された本音の自分…それらが絶妙に混じり合うことで拗れていく人間関係が見所。"嘘の世界の、ホントの気持ち"というキャッチコピーにもあるように、演技の中に見え隠れする本音の部分がたまらなくて、コンカフェをいいことに公開イチャつきを始める楽しさだったり、「これは本当の気持ちなんだ」と対比的に強調されることでより一層想いの強さが伝わってくるのが最高。

特にその傾向が強い主人公・陽芽が想いを打ち明ける瞬間とか素晴らしくて、完璧な外面を演じてきた陽芽がボロボロと涙を流しながら"嫌いにならないで欲しい"とずっと変わらぬ本音をぶつけるのとか心動かないわけないよっていう。何が本当なのか分からなくなりやすい世界観でたった一つの双方向の想いに辿り着くのは感動的だし、その傍らでは嫉妬の炎が燃え盛るところまで抜かりが無い。

美月×陽芽ペアだけでなく果乃子×純加ペアも見所満載で、自分自身に芽生えつつある感情に気付かないまま突き進む純加、陽芽への想いの行き場を無くしてグチャグチャになる果乃子、どちらにも感情移入してしまった。陽芽の「言わなかったら無かったことになっちゃうからね」がここにきて効いてくるのとかも良く出来てるなと感心する。

またどんなやり取りをしてもお客さんからはエンタメとして受け入れられるギャップも面白くて、同じ姉妹関係の契りでもその中身はただの設定だったり、ある時は本当の気持ちが通じ合った証となったり、ある時は特別な関係として繋ぎ止める鎖になったり…演じるコンカフェという舞台の活かし方がとにかく巧かったように思う。

ちなみにハマった勢いで迷わず原作購入したんだけど、アニメ化以降の話も超面白いのでオススメ。既刊12巻でアニメは4巻までだから未視聴分のボリュームもあります。百合にも色々あるけど、ここまで真摯に百合を描いているのはやが君以来じゃないかな。相応にハードだけどその分破壊力が半端じゃない。

個人的にハマった度合いで言うと間違いなくこの春No1の作品だった。素晴らしい出会いに感謝を。2期やってくれたら泣いて喜ぶけど流石に厳しいだろうな…。

 

 

5. 僕の心のヤバイやつ

 

陰キャ少年の市川と陽キャ少女の山田が織り成すラブコメディ。

本作の魅力は初々しい二人の恋模様で、付き合う1歩手前…というかもう付き合ってるだろ!と言いたくなるぐらいの甘酸っぱいやり取りにニヤニヤしてしまう。次第に高まっていく胸の高鳴りが抑えきれずに恋を自覚したり、でもそんな気持ちを直接口にするのは恥ずかしくて遠回りしちゃったり…ED:斜陽の通り"(恋に)落ちていく"最も美しい時間を存分に描いてくれたかなと。

グイグイ攻めてくる山田がとにかく可愛くて、市川を意識してるのが言わずとも伝わってくる行動の数々にはニヤけが止まらない。やたらと距離を詰めてくるもんだから年甲斐もなくドキドキしてしまうし、耳元で囁かれるウィスパーボイス(CV羊宮妃那)には身悶えしてしまう。正直に言うと山田が市川を好きになる理由がもう少し欲しかった気もしてるんだけど、これは多分嫉妬なんだと思う。キッカケはあったしね。

あと各話サブタイトルの出し方がオシャレで好きだった。心情や状況を表すタイトルが牛尾憲輔氏のエモーショナルな劇伴と共に的確なタイミングで出てくるから、こちらの感情を昂らせてくれていたように思う。

最終話は恋愛方面というよりも殻に閉じこもっていた市川の変化に焦点を当てられていたんだけど、そういった面でも山田との出会いが市川にもたらした影響の大きさを再認識出来る良エピソードだった。そっと受け止めてくれる山田が素敵。

そして早くも2期が決まったということで嬉しい限り。加速していく二人の関係から今後も目が離せない。

 

 

6. 天国大魔境

 

未曾有の大災害で廃墟となり、人食いと呼ばれる異形の化物が巣食う日本の地で詳細不明の"天国"を探すキルコとマル。一方、壁に囲まれた平穏な世界で暮らす子供達が外の世界へ疑問を持ち始めて…といった感じの予測不可能な近未来SFアドベンチャー

本作の魅力は謎が謎を呼ぶ伏線の数々によって興味を引き続けてくれるところで、画面の情報量が多く一瞬たりとも目が離せない濃密さに圧倒される。2つの世界の関係が徐々に明らかになっていくのはワクワクするし、平和な壁の中の世界が回を追う毎に不穏さを増していくのも緊張感あって良かった。

メインキャラであるキルコがまた魅力的で、ボーイッシュで戦闘能力が高いボディガードという分かりやすいカッコ良さに加えて、ある経緯から自身の境界が曖昧になっていくという複雑で繊細な一面も持っているところに惹かれた。パートナーであるマルとの掛け合いも楽しく、基本シリアスな本作の癒しだった。

ちなみに原作者は『それでも町は廻っている』の石黒正数さん。と言っても自分は読んだことないんだけど、日常系のイメージ持ってたから本作とのギャップに驚いた。

惜しむらくは点と点が繋がっていく途中で終わってしまったところ。原作未完かつ1クールの時点で覚悟はしてたけどちょっと残念…天国側の崩壊は盛り上がりそうだったから余計にそう感じる。期間空いていいからまた続きを見させて欲しい。

 

 

7. マイホームヒーロー

 

娘・零花を守る為に道を踏み外してしまった父親・哲雄のクライムサスペンス。

衝撃の1話でグッと引き込んできた本作の魅力は緊張感。罪を犯したが故に追われる立場となるんだけど、いつバレてもおかしくないギリギリの駆け引きを続けるから見てるこっちの心臓が持たないレベルでハラハラする。知略で危機を乗り越えるのが見所ポイントでアイデアの数々に感心するんだけど、追う側も有能で一筋縄じゃいかないのがスリルあって良い。正直言うと作画レベルは低めなんだけど脚本の強さがそれを帳消しにしてたと思う。

共犯者となる妻・歌仙がやり手なのも面白くて、平然とえげつない提案をしたり、哲雄からのミッションを完璧にこなしていくのは一興だった。

また題材が題材だけに自身の選択が本当に正しかったのかと葛藤が入り混じるのも魅力的で、答えがない苦悩を経て更に破滅の道を進んでいく姿には鬼気迫るものがあり引き込まれた。ある程度キリの良いところまで描いたから続編は無くてもいい派だけど、最後にどんな結末を迎えるかは気になる。

 

 

8. BIRDIE WING-Golf Girls' Story-(2クール目)

 

令和のスクライドとも呼び声高い熱きゴルフアニメが再び帰って来たということで。

"七色の弾丸"と称して技名を叫びながら変幻自在のショットを放ち、あらゆるしがらみや強敵を薙ぎ倒していく主人公・イヴの爽快さは健在。また2クール目は専属キャディとしてつくことになったイチナが熱くて、イヴのゴルフに合わせて的確な指示をするのがカッコイイのは勿論、ある時は冷静にイヴを抑え、ある時はイヴを信じて託すのが正にパートナーという感じで好きだった。他にも葵を支える雨音、イヴと共に闘う葵などキャディの活躍が印象的。

また走りながら打つという絵面だけで笑える謎打法や、何故か気象予報士やら鍼灸師の資格を持ってたりするトンチキっぷりにも笑わせてもらった。

少し気になった点としては2クール目の特徴でもあるイヴと葵の出生の秘密を辿るシリアス展開。それ自体は悪くないけど本作のイケイケな楽しさとは少し噛み合ってない気がした(メンタルやられる葵含め)。あと19話で実父の安室監督が倒れて失意の底にある葵が、復帰した監督の姿を見て復活する流れはちょっとどうなのと。そこを立ち直らせるのはライバルであるイヴ、もしくは共に歩んできた雨音のどっちかじゃないのか?とモヤモヤしてしまった。

とは言え1クール目終了時の期待値からすると若干下回った印象ではあるものの、間違いなく楽しませてもらった作品の1つでした。

 

 

9. 推しの子

 

衝撃的な1話の勢いそのままに話題を掻っ攫っていった本作。

1話の引きからすると復讐劇が主軸になるかと思いきやそんなことはなく、蓋を開けると芸能界全般を描くストーリーだったわけだけど退屈さは感じさせなかった。というのも暗い部分から目を逸らさず描いているのが印象的で、顕著だったのは6話のあかね回。SNSで炎上して心身共に追い込まれていく様子は見てて辛かったけど、その分惹き付けられるものがあった。かなの子役時代の栄光からの挫折も然りで、感情移入出来る作りが良かったと思う。またシリアスな部分を描いているからこそ底からの復活劇も映えるわけで、あかね覚醒やかなが原作者に認められたりステージ上で輝いたりするシーンには心動かされた(あかねはCVの力もかなりあるが)。

やや影が薄いと思っていたルビーもかなと対比的な光の存在として役割を持ち始めたし、かなとあかねという新旧天才&アクア好きの対立構造が勃発したりと2期への期待も上げてきてくれたので先が楽しみ。

2期に懸念があるとすれば復讐劇とのストーリーバランスで、1期視聴当初は復讐どこいった?という感じでモヤモヤもあったんだけど、最後まで見るともはや芸能界を軸にしてくれても良いような気もしている(テノヒラクルー)。

 

 

10. アイドルマスターシンデレラガールズ U149

 

タイトル通りデレマスの小学生アイドル達をメインにした作品で、自分はデレマス視聴済み&デレステをリリース当初からやってるのでメンバーは馴染みあり。

本作の魅力はまず子供ならではの眩しい純粋さ。みりあ・仁奈・薫辺りは特に元気いっぱい&天真爛漫でただただ癒されていた。そしてそんな真っ直ぐな一面だけでなく、大きく(≒大人に)なりたいお年頃という面でも子供を描いてくれていたのが魅力的。

プロ意識が高く、悩みながらも仕事に真摯に取り組む桃華や梨沙はカッコ良かったし、大人と子供の狭間で揺れるありすには感情移入してしまった。大人だけど子供っぽいPがまた良い味出してて、子供と大人の中間に位置しているからこそ同じ目線で寄り添ってくれるのが素敵。Pのキャラを存分に活かした11話のありす回は完成度の高さに思わず唸ったぐらい。あと映像面も気合入ってて、キャラの不安や葛藤といった心情を的確に表す演出の数々が素晴らしかったと思う。

引っ掛かった点としてはストーリー展開に粗を感じるところがちょくちょくあったところで、みりあ回でのしゅがはの動きが酷過ぎたり、千枝回とかも感情の動きは良いんだけど小学生(かつ演者)にここまでやらせるのはあり得んだろとかツッコミたくなってしまったりでノリ切れなかったのが残念。

最後新メンバーが顔を覗かせていたけど続編やるのだろうか?やるならまた見ます。

 

 

11. Dr.STONE(3期)

 

船乗りの龍水を仲間に加えて石化光線の発生源を探しに地球の裏側を目指す第3期。

科学王国パートの面白さは変わらずで、流石に無理だろというところまで進化していってるんだけど、地道に積み上げていくからあり得そうに思えちゃうところがグッド。二人なら何でも可能にしててしまいそうな千空&龍水のカリスマ性も見てて気持ち良い。

ストーリーとしては謎の妨害電波を出してくるWhyマンの存在にワクワクさせられたし、仲間が石化される展開は緊張感あって良かった。ただ一方で石化光線という最大の謎が結局vs人間になるのはスケールダウンしてしまった感じもしてちょっと残念。超常現象で片付けないのは本作らしいんだけど、納得のいく展開になるのだろうか。あと途中から参戦したソユーズがぽっと出の割に無個性キャラなのが引っ掛かった。龍水やアマリリスみたいに濃くないと弱さ感じる。

分割2クールでしばらくお預けということで。引き続き追いかけようと思います。

 

 

12. 鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(3期)

 

社会現象と言って良いレベルで人気を誇る鬼滅の第3期。

戦闘作画の迫力は流石といったところで、力の入れようが伝わってくる。ただ原作未読だから分からないんだけど、シリーズを積み重ねるにつれてどんどんテンポが悪くなっていってる気がする。間に挟まれるギャグが自分に合わないのは昔からだけど、金儲け的に少しでも引き延ばしたいんじゃないかと邪推してしまうくらい。

更に3期は敵の鬼が小物感満載だったことと、味方陣営も煉獄さんや宇随さんのような生き様に心惹かれる魅力的な柱がいなかったこともあって物足りなさが目立ってしまった。甘露寺さんは特殊刀での戦闘シーンが美麗で好きだったけど出番少なくて残念。

良いところで言うと禰豆子と村人の命で究極の選択を迫られる炭治郎は見応えあった。まぁその後の復活は直前の葛藤をじっくり描いた反動でどうしてもご都合に感じてしまって素直に喜べなかったんだけど…。

何はともあれこのまま完結まで描いてくれると思うので、引き続き追いかけます。

 

 

13. この素晴らしい世界に爆焔を!

 

このすばシリーズの外伝的な立ち位置で、めぐみんに焦点を当ててカズマ達と出会うまでの物語が描かれる。

本作は友達でありライバルでもあるゆんゆんとの絡みが安定していて、ぶーぶー言い合いながらも何だかんだで仲が良い二人は微笑ましかった。容赦なく弄り倒すめぐみんには笑えたし、気持ちが漏れ出まくってるゆんゆんは可愛くて良い。ただ逆に言うとその他のキャラはどうしても本編に比べると弱くて、クズマ・駄女神・変態と三拍子揃った?強烈なギャグが恋しくなったかな。チラッと出てきたりするシーンでテンション上がったのがその証拠。

もはや本編でめぐみんがどんなキャラだったのか忘れちゃったけど、爆裂魔法への純粋な憧れや拘りはカッコ良かったし、友達想いな一面も見れたりでめぐみんの掘り下げとしては良かったかな(掘り下げる意味があったのかはさておき)。

本編3期が決まったとのことでまた楽しい掛け合いが見れるのを期待しています。

 

 

14. 王様ランキング 勇気の宝箱(2期)

 

第2期…というより本編の幕間を描く短編集的なシリーズ。

正直に言うと鬼滅みたいに引き延ばしたいわけでもない本作で何故この形式にしたのか疑問が尽きないんだけど、改めて良いキャラが揃っていたなとしみじみ。主役のボッジ&カゲは勿論、ヒリング・ホクロといったサブキャラまで温かくて優しい本作とちょっといい話な短編は意外と相性良くて、続編じゃない残念さの割には楽しめた。

本編は後半の展開でやや評価を落としてしまったものの底力があるなと再認識。続編やってくれるか分からないけどやるならまた見ます。最終話は続き見せてくれたし少なくとも製作側はやる気ありそう。

 

 

【総評】 

以上、計14作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(不等号含めて左右差あり)。


S(歴代上位) :該当無し
A+(クール最上位): 水星2k > ヴィンサガ2k スキロー わたゆり 僕ヤバ 天国大魔境 マイホームヒーロー 
A(クール上位) : バディゴル 推しの子 U149 
B+(中の上) : ドクスト 鬼滅
B(中) : この爆 > 王様

 

割と適当かつ個人的な感覚なので参考程度に。

 

また評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

BEST回はスキップとローファー6話「シトシト チカチカ」。

恋に落ちる瞬間というのはいつ見てもいいものです。

 

全体感としては普段ならTOP4入りするような作品でも逃すぐらい中々激戦区で、わたゆりに出会えたこともあり個人的には収穫の多いシーズンだった。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

夏アニメは例によってまだ全然追えてないのでこれから挽回するんだけど、新作は勿論、続編もかのかり・ファフナー無職転生・呪術廻戦etcと良い面子が揃ってて楽しみだから早く見たい。感想もぼちぼち書いていくのでまたお付き合い頂けると幸いです。


それではまた。

 

2023年冬アニメ 総括感想

 



 

 

私事ですがこの4月で入社7年目にして初めての異動となりまして、3,4月は引継ぎをしたりされたりでせわしない日々を送っていました。当然ながら自分でやるのと人にやってもらうのでは全然別で、引継ぎをする大変さを身に染みて感じております。新部署は残業規制が厳しいのでプライベートな時間は増えそうですがはてさて。

 

閑話休題

 

遅まきながら今期も全て見終わったので感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです!
更に気軽にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう!

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

 

【目次】

1.僕のヒーローアカデミア(6期2クール目)

2.ヴィンランド・サガ(2期)

3.もういっぽん!

4.お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

5.吸血鬼すぐ死ぬ(2期)

6.ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(6部3クール目)

7.TRIGUN STAMPEDE

8.不滅のあなたへ(2期2クール目)

9.弱虫ペダル LIMIT BREAK(5期2クール目)

10.トモちゃんは女の子! 

11.うる星やつら(2クール目)

12.転生王女と天才令嬢の魔法革命

13.ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇(4期2クール目)

14.お兄ちゃんはおしまい!

15.シャドウバースF(2期4クール目)

総評

 

 

 

1. 僕のヒーローアカデミア(6期2クール目)

 

 

崩壊し始めるヒーロー社会という最悪な状況からスタートした第2クールですが、今期No.1はこの作品となりました!

守るべき民衆からも非難の目を向けられる絶望感が半端なくて、見てる間ほぼずっと胸が締め付けられるような感覚だった。でもそんな辛く苦しい状況だからこそ輝く光が確かにあって、例えば絶望したレディ・ナガンに手を差し伸べるデク&ホークスもそうで、世界がグレーと知りながらも白の道を進む者の言葉だからこそ響くものがあった。

また2クール目は皆を守る為に雄英を離れるデクが大きな軸としてあり、その選択をするデクの成長っぷりだけでも涙ものなんだけど、もう周りの仲間が熱過ぎて。「今の緑谷出久を補完できるものがあるとすれば…」からの"友だち"のサブタイは鳥肌ものだし、変わってしまったデクに今までと変わらずデクとの思い出を語りかけるA組の面々には涙腺緩みまくり。中でも"余計なお世話ってのはヒーローの本質なんだろ…?"とかつてデクに投げかけられた言葉を涙ながらに返して繋ぎ止める委員長にはボロ泣き…。デクの心情を誰よりも理解しながらも寄り添うかっちゃんのヒーローっぷりも泣けたし、ボロボロに傷付いたデクをただ見て欲しいと渾身の叫びで訴えかけるお茶子には涙が止まらなかった…誇張抜きに見返す度に涙出てくるぐらいには好きなシーン。

勿論エンデヴァーを再び立ち上がらせる焦凍を始めとした轟家を巡るエピソードなど、脇を固める人物達も魅力的で隙が無い。

7期も決まったということで嬉しい限り。何も心配ないので楽しみに待ってます。

 

 

2. ヴィンランド・サガ(2期)

 

 

生きる意味を失い、廃人と化したトルフィンが第2の人生を歩む2ndシーズン。アニメーション的にはあまり映えるような展開じゃないんだけど、魂を吹き込むアフレコと要所で華を添えるBGMが心を揺さぶってくれたお陰で原作既読でも充分楽しめた。

 

あと何と言ってもトルフィンの絶望が深過ぎてもうね…。「今日まで生きてきて良いことが1つもない」なんて台詞を放つ程に擦り減った心を想うと胸が苦しくなるし、そんなトルフィンが今まで自分がしてきたことを悔やみ、もう二度と誰も傷付けないと決意するシーンは静かながらもその決断に確かな重みが感じられてグッときた。9話という決して短くない時間をかけただけのものはあったと思う。

かつては共にいたクヌートが真逆の覇道を突き進んでいるのがまた面白くて、全く異なるアプローチで自らの理想を追い求める二人がこれからどう絡んでいくのか楽しみ(原作読んだのがかなり前で忘れてるところも多くて感覚的には初見)。ケティルとトールギルとかもそうなんだけど、同じ戦乱の世に在りつつも向き合い方は様々なのが好き。

あと1クール目で目立ってたオルマル、クソダサくて情けないんだけどああいうキャラ嫌いになれないんだよな。過程はともかく悔しさは分かるから感情移入して見ちゃう。ここからの汚名返上に期待したい。

2クール目も引き続き楽しませてもらいます。

 

 

3. もういっぽん!

 

 

高校で柔道は辞めようとしていた主人公・園田未知が、因縁の相手・氷浦永遠と再会して"もういっぽん"への道を突き進む、青春一直線な柔道アニメ。

 

本作の魅力は爽やかな青春っぷり。明朗快活な未知を中心に皆前向きだったから、こちらとしても終始気持ちよく見ることが出来た。反面、敗北の悔しさはもう少し噛み締める展開が欲しかった気もするんだけど、その役割は早苗が担ってくれていたのでヨシ。落ち込むことが多かった早苗には感情移入しまくりでよく泣かされたし、そんな早苗のことをちゃんと見てくれてる姫野先輩にもまた泣かされるんだよな…本作だとこの二人が圧倒的に好き。

 

また一見地味な作風を支えていたのはドラマ部分だと感じていて、特に敵味方含めて多くの人々の想いが交差する後半の団体戦ではそれが遺憾なく発揮されていたように思う。相手側の描写も入れてくれるから感情移入しやすいし、お互いの"負けたくない"という心の声がシンクロするシーンなんかも熱くて燃える。あの日と違って託せる仲間がいることだったり、仲間の奮闘を見たからこその戦いっぷりだったり、団体戦そのものが持つ魅力をバッチリ描いてくれていたのも良かった。

 

あとこの作品、とんでも技が繰り出されるというよりは(おそらく)リアルな柔道の攻防をしてくれてて、技の掛け合いが新鮮で見てて昂るものがあった。作画的には超高水準って感じじゃなかったんだけど見入ってたのは見せ方が上手かったんだと思う。

 

引っ掛かった点としては、南雲の加入で"未知と一緒にいたいから"が理由なのはちょっと腑に落ちなかったかな。友達と一緒の部活に入ろうとするのは全然おかしくないけど、今までずっとやってきて才能もある剣道を蹴ってまで選ぶ道か…?とは感じた。

あとこれは自分だけかもしれないけど、試合中のBGMがちょくちょく合ってないような気がしたというか、感情とシンクロしてないと感じる時があったかな。

 

とは言いつつ全体的には満足度高くて、最終話も永遠ちゃんが最後に負けてしまった瞬間に画面がモノクロに変わっていくんだけど、未知の「ありがとう」というかつては無かった仲間からの声で色付いていくシーンとかグッときた。悔しさをバネにして早苗や南雲が成長・活躍していくのも今後が楽しみだし、続きやって欲しいな。

 

 

4. お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

 

 

本作の魅力は見てるこっちが恥ずかしくなるぐらい甘々な二人のやり取り。告白としか取れない歯が浮くような台詞をお互いに連発しまくるからニヤニヤを通り越して笑ってしまうwしかも付き合ってすらないのにそんなことをしてるもんだからもう可笑しくって仕方が無かった。変な関係ではないと思ってるのは二人だけで、周囲のキャラにはちゃんと通い妻だの新妻だの言われてるのもツボ。

またもう一つの魅力はヒロイン・真昼の可愛さ。最初はツンツンしていたのに、周を信頼するようになってからは恥じらう乙女の顔を見せるようになり、余裕が出てきてからは小悪魔のような言動までしてきたり…1クールを通じて変化があったことで展開としては甘々続きでありながらも飽きが来なかったように思う。

あと地味に主人公である周にも好感を持てたのが良かったかなと。素の真昼を受け止める男としての魅力だったり、どんどん駄目にされていって平静を保てなくなる可愛らしさだったりと、周→真昼だけでなく真昼が周に惹かれることにも共感出来たのがGood。

今まで溜め込んだ分、最終回で畳み掛けるように真昼へストレートに想いをぶつける周にはキュンキュンしたし、真昼の返事が普段の口調である「はい」じゃなくて「うん…!」なのが嬉しさ伝わってきて大好き。

 

個人的には浮ついた台詞の応酬を繰り広げるニヤニヤ+ギャグ作品として見ている側面もあったんだけど、二人の純粋な恋愛ものとしてもしっかり締めてくれたので大満足。

 

 

5. 吸血鬼すぐ死ぬ(2期)

 

 

お馬鹿な吸血鬼達が好き勝手暴れ回るのが楽しいギャグアニメ。

2期と言っても特に内容は変わらずなので改めて語るところはないんだけど、最初からキャラが揃ってるから騒がしさマシマシで1期より面白かった。何か事件があると色んなキャラがかけつけてくるのに、野球拳大好き・マイクロビキニ・Y談おじさんetcと誰一人まともな奴がいないから更にカオスな状況になっていくのが笑ってしまう。ギャグの内容もチ○チ○で笑っていた幼い頃(というか今も笑ってるので変わらないが)を思い出すかのようなお馬鹿なものが多いんだけど、そのバカバカしさがおかしくて。決して出られない空間に閉じ込められたのに自分の生尻を見て感動する男三人衆とか馬鹿以外の何物でもないw

定期的に摂取したくなる作品なので、また忘れた頃ぐらいに3期やってくれることを期待しています。

 

 

6. ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(6部3クール目)

 

 

3クール続いた6部も遂に決着ゥゥーッ!ということで。

無限の発想力から繰り広げられるスタンドバトルの面白さは変わらず。裏返しにされるなら表裏のないメビウスの輪を作れば良いとか、ツッコミどころもありそうなのに思わず納得してしまう勢いが流石。

またラスボスであるvsプッチ戦の盛り上がりが素晴らしくて、時を加速させる『メイド・イン・ヘヴン』の能力が明らかになっていく時の不気味さや、時がどんどん加速していって誰も手が付けられなくなる絶望感が存分に表現されていた。最強の象徴である承太郎ですら打ち破られてしまうラスボス感がたまらんのよ。

そして何と言っても圧巻のラストシーン。未来を知っているからこそ覚悟が出来、それこそが幸せ(≒人間は不幸)だと主張するプッチ神父に対し、仲間に託されたエンポリオが「皆未来なんか知らなくても覚悟があった!」「正義の道を歩むことこそ運命なんだ!」と未知の未来を切り拓くことでジョジョシリーズの根底にある人間讃歌を見せてくれたのが激熱。結果ではなく真実に向かおうとする意志が大切なんだよな。

あと激戦後の真実を一人だけ知っていて「僕の名前はエンポリオです」としか言えないのも、それが誰にも理解されないのも切な過ぎて涙出た。こんな悲しい結末の印象無かったんだけど、当時の自分はちゃんと読めて無かった説。

原作読んだのは10年ぐらい前で、正直6部は他の部と比べると評価低めの記憶だったんだけど思った以上に楽しめた。このまま7部もアニメ化頼みます。

 

 

7. TRIGUN STAMPEDE

 

 

昔の作品で既にアニメ化や劇場版が放映されているらしいんだけど、自分は原作含めて初めてな完全新規勢。

 

本作の魅力はSFならではの世界観・設定と、それを小出しにしてくる構成。例えば主人公のヴァッシュやメインキャラであるニコラスは秘密を抱えているんだけど、それを仄めかすことで先が気になるような作りにしていたのが良かった。荒廃しつつある世界での異種共存というテーマはワクワク出来たし、想いとは裏腹に受け入れてもらえないヴァッシュが抱える苦悩は真に迫っていてグッとくることが多かった。

また本作は3DCGながら作画がハイクオリティで、コミカルなシーンでは動きで笑わせてくれるし、戦闘シーンではカメラワーク等も駆使して躍動感たっぷりに描かれる一連の動きが見応え抜群。この辺は流石『宝石の国』『BEASTARS』を手掛けたオレンジ制作といったところ。

気になった点としてはとにもかくにも1クールで完結しなかったのが痛くて、ヴァッシュの決意はあったものの、状況としては全く変わらないどころかむしろ悪化して終わったから後味が悪かった。ここまでなってもなお人と共存するというのは到底叶いそうにない願いな気がするから続きは見たいんだけど、ここで切られるとモヤモヤしちゃう。全体を通してもエピソード重めなのが多かったこともあり、もう少しスカッとする展開もあるとバランス良かったかな。

あと現時点では正直ヴァッシュの主張よりもまだナイブズの方が納得感あるというか、あそこまで悪者扱いされてるのに全ての人類を何としてでも守りたいというのは違和感あるので、この辺も続きで解消されると嬉しい。

完結編がTVでやってくれるなら引き続き追いかけます(劇場版なら配信待ちで…)。

 

 

8. 不滅のあなたへ(2期2クール目)

 

 

レンリルでのvsノッカーを中心に描かれた第2クール。

街中に広げられた感覚野や切り離しによる復活を駆使した戦いは新鮮で見応えあったし、延々と続く戦いに疲弊していくフシにはこちらも感情移入して見ることが出来た。

また最後までフシのことを一番に想い続けたカハクには胸に来るものがあって、初期の頃はハヤセの顔がチラついて嫌な奴のイメージが拭えなかったんだけど全然そんなことなかった。疑ってすまん。

 

2クール目は禁忌である死者蘇生が絡んでいることもあり、いつも以上にどこに着地するのか分からないワクワク感があった。結果的にはほぼ全員が生き返るという一見超ハッピーな展開でありながら、皆を置き去りにしてノッカー殲滅という我が道を突き進むフシがぶち壊してほろ苦い結末にしてくれるのが何ともこの作品らしいなと。

舞台が現代に移ったところで第3期が制作決定との報があったわけだけど、本当に何やるのか皆目見当つかないのが凄い。こういう先の読め無さというか、得体の知れなさが本作の持ち味だと改めて思う。

個人的な関心所であった死者の復活に対する捉え方に関しては「欲望のままに動いた結果」と2期ではやや結論を濁したような形になったけど、3期で掘り下げてくれたりするのだろうか?不滅を冠する本作がどのようなメッセージを残してくれるのかまだまだ興味は尽きない。3期も追いかけます。

 

 

9. 弱虫ペダル LIMIT BREAK(5期2クール目)

 

 

長きに渡ったインターハイも遂に決着ということで。

最後まで走り切れないくらい、タイトル通り限界を超えてチームの為に走る鳴子の姿にはグッとくるものがあった。

またやはり間に挟まれる回想はテンポ削がれて気になるものの、積み上げられたドラマのカタルシスを最終話で見せてくれたかなと。勝利を噛み締める総北サイド、特に辛酸を舐めてきた手嶋の涙とかも勿論泣けるんだけど、それ以上に悔しさをバネにして死に物狂いで仕上げて来て、それでも届かなかった真波の胸中を思うと涙が零れた。しかも更にあの荒北さんが素直に温かく励ましてくれるもんだからこんなの泣かないわけないよっていう。

 

あと本作は(シュール)ギャグも魅力の一つだと思ってるので、御堂筋&小鞠が思ったより退場早かったのはちょっと残念だったかな。人の太腿触って「ビュッフェ!!」と歓喜の叫びをあげるシーンは意味不明過ぎて今シーズンで一番笑った。

 

続編やるのか分からないけど、やるならまた見ます。

 

 

10. トモちゃんは女の子!



ボーイッシュな女の子・トモと鈍感な幼馴染男子・淳一郎を中心としたラブコメ

 

本作の魅力は主役二人の恋愛模様…も良いんだけど、それ以上に主役を支えるサブキャラクター(みすず&キャロル)が魅力的だったなと。冷静で毒舌家なみすずと天然でマイペースなキャロルの組み合わせは単純にギャグとしても面白くなってたし、恋愛面としても複雑な心情を抱えるみすずがいることで(少なくとも序盤は)単純明快な主役二人の関係に味が出ていたように感じる。トモへの特大感情は勿論、後半はキャロルに気を許してるのもニヤりとしてしまうしつくづく良いキャラだった。キャロルの方も普段は天然ながら意外と鋭い一面を見せたり、御崎先輩への想いが溢れ出した9話は不覚にも可愛いと思ってしまった。色々と考え過ぎなみすずを優しく包み込んでくれるのもたまらない(12話で涙を拭ってあげてる時の表情が超好き)。

 

トモと淳一郎もお互いに悩んだ末、一歩進みつつも二人らしい関係に落ち着くという綺麗なハッピーエンドで締めてくれて満足。1話見た時は正直ギャグのノリが合わなさそうで切るか迷ったんだけど、見て良かったと思う。良作でした。

 

 

11. うる星やつら(2クール目)

 

 

ギャグ作品の2クール目ということで吸死と同じく特に語ることはないかな。ドタバタ感を楽しむ作品なので、キャラが揃ってきて安定感はバッチリ。ネタに目新しさが沢山あるわけではないんだけど、いわゆる"お約束"的な感覚で楽しめてる。

1クール目であったあたるとラムの関係性にフォーカスしたエピソードがほぼ無かったのはちょっと残念だけど、原作の配分的にもこれぐらいがデフォルトなのだろうか?1クールに1,2話ぐらいは恋愛方面の話も見たい感覚だが。

あと本編関係ないけど2クール目のOPED両方好きでよく聴いてる。中毒性高い。

 

4クールと聞いてたから連続でやるのかと思いきや、続きは1年後のようで。間が空いて困るような作品でもないからまた追いかけます。

 

 

12. 転生王女と天才令嬢の魔法革命

 

 

婚約を破棄され失意の天才令嬢・ユフィに手を差し伸べる奔放な王女・アニスから始まるガールミーツガールファンタジー

 

本作の魅力はメイン二人の関係性。魔法に強い情熱を持ちながらも才能が無かったアニスはユフィの魔法に憧れ、由緒正しき公爵令嬢であったユフィはどこまでも自由に飛び立つアニスに憧れるという双方向に憧れを持っている関係性が好きだった(まさかラストのあんな関係にまで発展するとは思ってなかったが)。1話で救われたユフィが逆に最終話でアニスを救うところからしても二人の物語としてはよく出来ていたと思う。

引っ掛かったのはアニスの設定周りで、タイトルにもなっている転生要素が最後までまともに明かされず、アニスが抱く自身の存在そのものへの不安が開示されなかった故に王族に拘る理由が共感し辛かった。序盤は自由に生きてるような素振りだったから尚更、役割に縛られる後半の展開には感情移入が難しくなっていたように思う。

また全体的に描写不足なのか政治周りの世界観がふわふわしていて、例えば弟のアルがヴァンパイアの力を手にしなければ王は務まらないと言って暴走するのも「そこまで必要なのか?」とイマイチしっくりこなかったし、最後の決闘とかもそうなんだけど行動原理が腑に落ちない時が多かった。なんというか作中でキャラが感情を爆発させてるのにこちらに伝わってこなくて上滑りしていたような感覚だった。

原作が小説だから色々端折られてるのかなという気はするけど、もう少し親切設計であって欲しかったかな。作画・演出等のアニメ映像としては良かったから尚更そう思う。

 

 

13. ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇(4期2クール目)

 

 

深層で孤立したベル&リューという絶望的な状況から始まった第2クール。見所は自責の念に駆られるリューを救うベルの構図で、かつて自身も憧れた理想を叶える英雄の如く助けに舞い戻るのは勿論のこと、「リューさんの中に正義はある」と心の鎖まで解き放ってしまうベルは素直にカッコよかった。そこから憑き物が落ちたかのようにデレデレになるリューさんは冷静沈着で頼りになる普段とのギャップが素晴らしく、完全にメインヒロインの器で4期の主役だったと思う。…紐神様、形無し(割と平常運転)。

ただ全体的に2クールかける程のストーリーだったかと言われるとやや疑問で、展開的には間延びしていた印象。また相当の苦難を乗り越えた先の感動の再会なのに、こちらは逆にダイジェスト風に一瞬で終わってしまって勿体なさも感じた。

あとモンスターだけCGにされると作り物感が増して違和感あるから個人的には手描きで頑張ってくれると嬉しい。ストパンネウロイみたいに異質な無機物感を出すにはむしろそれが良いんだけどそうでもないだろうし。

次あるのか分からないけど、やるならリューさんをメインヒロインでお願いします!

 

 

14. お兄ちゃんはおしまい!

 

 

引きこもりのダメニートがある日目覚めると女の子になる(されてる)ところから始まるド直球なTSもの

本作の魅力は圧倒的なアニメーション。無職転生を手掛けたスタジオバインド制作なだけあっていちいち動きのクオリティが高いし、時々絵を崩したり引き絵を活用したりで視覚的にも変化を与えることで単純に"見て楽しめるアニメ"だったのが強みかなと。8話の女子会とか正にそれで、展開的に特に波はないのに満足感があった。

 

一方で作品の根幹でもあるTS設定、これに関しては活かしきれていなかったように感じた。序盤はTSならではの描写があったんだけど、女子中学生として編入し始めた辺りからただの日常系になってしまったのが残念。まひろは画も声も可愛らしいから騙されそうになるけど、冷静に考えると中身は"お兄ちゃん"な訳で、そんな人が普通に女子中学生との日常を満喫してるのはかなり違和感あった。なので再び女の子に戻る選択をするラストも本当にそれで良いのか?と思ってしまったし、TSに依存するのではなくあくまでキッカケとして成長していく姿が見たかった(深く考えたら負けな作品な気はするが)。

まぁ気楽に見れるアニメの方向性としては間違っていないようにも感じるから難しいところだなぁ。

 

 

15. シャドウバースF(2期4クール目)

 

 

毎度ながら幻惑の奇術師、ラハブといった懐かしのカードは出るだけでニヤりとしてしまうし、運命で手札流してフェアリービーストで回復する冥府エルフとか、復讐ヴァンプの復讐の悪魔→ベルフェゴール→カオスシップのコンボとかシャドバおじさんホイホイ過ぎてズルい。間違いなく初期からシャドバやってる人間が脚本に絡んでる。

あと前回も書いたけど、シャドバFは『敗北した悔しさをバネにして強くなる』のを軸にしてるのが好き。有能な弟にようやく向き合って悔しさを感じるスバルや、一人で極める道を進むか葛藤するシオンといった今後へ繋がるドラマが生まれるし、敗北し続けても折れずに立ち上がって来たライトの行動が結実するミカドへのリベンジマッチは熱かった。「確かに可能性は残酷だ…それでも、可能性こそシャドバだろ!」は、たとえ劣勢でも勝ち筋を見据えてプレイするカードゲームに人生をなぞらえた名言だと思う。にしても改めてレーヴァテインドラゴンのカードデザイン秀逸だよなぁ…状況に応じてモードを使いこなして戦うのが切札感あって良い。

7月から続編がまた始まるとのことなので引き続き追いかけます。

 

 

 

【総評】 

以上、計15作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(不等号含めて左右差あり)。


S(歴代上位) :該当無し
A+(クール最上位): ヒロアカ > ヴィンサガ もういっぽん 天使様 吸死
A(クール上位) : ジョジョ TRIGUN > 不滅 弱ペダ トモちゃん 
B+(中の上) : うる星 > 転天 ダンまち おにまい
B(中) : シャドバF

 

割と適当かつ個人的な感覚なので参考程度に。

 

また評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

BEST回はヒロアカ137話「未成年の主張」でした。説明不要。

 

 

不作と言われることが多かった冬アニメですが、結局いつもと変わらず15本見てるし何だかんだで楽しめたクールだったと思う。…と言いつつ自身のラインナップを見ると続編ものが多くて、見てない人からすると不作と感じるのも無理ないような気はした。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

春アニメは水星の魔女しか追えてませんが、TL見てると不作の冬から豊作の春に変わった様子?感想見てて高確率で自分も見るだろうなと思ってる作品だけでも20本ぐらいあるので忙しくなりそう…幸いGWはガッツリ1週間休めそうだからそこで挽回予定。

春アニメの感想もぼちぼち書いていくのでまたお付き合い頂けると幸いです。


それではまた。

 

『アイカツ! 10th STORY 未来へのSTARWAY』感想

 

 

 

 

アイカツ10周年記念映画「未来へのSTARWAY」を観てきた。

正確には実際に観たのは1ヶ月前なんだけど、感情の昂ぶりを残しておきたいのでブログとして書き記すことにする。

 

 

鑑賞前

アイカツが基本的に女児向けアニメであることは当然理解しているが、一方でアイカツおじさんなるワードがあるのもまた事実で、映画館の客層は正直後者寄りだろうと思っていた。

けど違った。8割ぐらい女子。30歳のアイカツおじさんは完全に場違いである。

妙にソワソワしてしまいつつも、当時アイカツを見て育ったぐらいの子も結構いそうでその時点で胸が熱くなっていた。

 

 

本編感想

アニメ本編ではお馴染み、開幕の「熱いアイドル活動・アイカツ、始まります!フフッヒ」で早くも涙腺が緩む…自分でも驚いたんだけど、初代アイカツをリアルタイムで追えなかったので、初代アイカツの新作が生まれたこの瞬間に立ち会えていることに昂ってしまった。

そこからのOP↓も激エモで、"いつか思い出す始まりの日々"にあかり断髪・初LIVE参戦という全ての始まりを重ねて来て涙が止まらない。いちごからあかりへの戴冠シーンはラストの感動がフラッシュバックしてくるしで、映画本編始まっていないのにボロボロだった。

ちなみに本作を見終わった後はいちご自身がいちごを見送るシーンに込められたメッセージにまた涙してしまうんだけどそれはまた後で。

 

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前半、アニメでは描かれなかったコスモスのステージに大興奮。

フォトカツの民だったので曲自体は知っていたが、憧れの存在と共にステージで立派に並び立つあかりの姿を見てると涙腺が緩んでしまった。

 

そして本作一番の特徴であり衝撃でもある、大人になったいちご達の描写へ移る。

これはもうまさかまさかで、お酒で酔っぱらうユリカ様、好青年に成長したらいち、仲良く晩酌を交わすいちご&蘭等々刺激の連続で面白かった。

更に素晴らしいのはこの展開がただの突飛なファンサービスで終わってないところで、スターライト学園を卒業したソレイユの3人はそれぞれ異なる道を進むんだけど、その道の根本は繋がっていて、今まで共に歩んできた思い出を力にして歩んでいく。時を経たソレイユの3人がこれまでの経験を糧にして頑張る姿を見せてくれることで、本作が伝えたいメッセージである"過去の自分が今の自分の背中を押す"にこれ以上ないくらい説得力が生まれていた。

 

アイカツが始まってからの10年間はそれぞれに色んなことがあって、良いことばかりじゃなかったかもしれないけど、劇中の言葉を借りれば"ここまでは来られた"わけで。

その思い出はきっと君の背中を押してくれる、だから大丈夫だよと。そう優しく包み込んでくれるのだ。今の自分は過去の自分が、未来の自分は今の自分が背中を押してくれる…途切れることなく押し寄せるエールのループを思うと無限に力が湧いてくる。

10周年映画の"10年"という数字をただの記念で終わらせず積み重ねという観点でメッセージを込めてくる脚本力の高さには開いた口が塞がらなかった。

他にも劇中で「これからどうなるかは分からないけど、頑張ることだけは決めてる」といういちごの台詞があったけど、とにかく頑張るってのもシンプルだけど大切だよなと思う。歳食ってくると楽をしようとしがちだけど、今頑張ることが未来の自分の力になる精神は忘れないようにしたい。

 

それにしても映画見終わった後だと主題歌『MY STARWAY』の"この道の先ならきっと大丈夫"というフレーズが刺さり過ぎてそれだけで涙出るんだよな…過去の自身のアイカツ総括感想↓

アイカツ全178話を見て(統括感想) | mixiユーザー(id:42317362)の日記

でもアイカツの魅力は過程を大切にするところだと書いたけど、本作はそれが遺憾なく発揮されていて観終わった後の充足感が半端なかった。

更に歌詞に関するところでは言わずもがな、ラストの「今わたしが歩いている"かけがえない"きらめくライン」という自分自身の歩みもまた受け継がれていくSHINING*LINEであることを教えてくれるのが強過ぎて初めて聴いた時は鳥肌立った。

 

あとソレイユの3人が今まで支えてくれた皆に感謝を述べるシーンがあるんだけど、それが作品の垣根を越えて制作陣からアイカツファンへ贈られる感謝そのもので…10年間の想いが詰まってて号泣。自分がリアルタイムでアイカツを追い始めたのは2作目のスターズからだから全然古参とは呼べないんだけど、それでも込み上げてくるものがあった。締めのSHINING*LINEも余韻たっぷりで最後まで涙腺緩みまくり。

 

 

本編視聴後

受け取ったメッセージの巨大さにしばらくは呆然としていた。が、前を向いて進まなければとパンフレット↓を読み耽る。

 

 

 

 

これ本当に読み応え抜群で素晴らしくて、監督・脚本・声優は勿論、歌唱担当やキャラデザetc、果ては音響監督までとアイカツに関わるあらゆる人々のアイカツエピソードや想いが詰め込まれていて幸せな気持ちで満たされた。ファン必携だと思う。

 

あとパンフレットの中で脚本の加藤さんがアイカツ新作構想があると言われていて飛び跳ねてしまった。

劇中でいちごが目指す"また会いたくなるアイドル" はファンがまた会えるその日まで頑張れるような存在だったけど、自分にとってはアイカツが正にそれで。今回の劇場版もそうだし、また新たなアイカツに会えると思うと活力がみなぎってくるんだよな…つくづくアイカツに生かされている。

 

そして本当に今更ながら、初代アイカツBlu-ray BOXを購入した。

自分は1度見た作品を何度も見返すタイプではなくて円盤も普段は購入しないんだけど、あまりの感動に何かの形で還元したいと思ったら自然と手が動いていた。

 

 

 



 

うーむ、良きかな。見てるだけで幸せ。

というか全178話+劇場版3作が入って3万5千円はお得ってレベルじゃない。実質タダ。

 

少し話逸れたけど、感想は以上となります。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

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最後に。

 

最高に素敵な作品を生み出してくれた、アイカツに携わる全ての人々に感謝を。

これからもアイカツを胸に日々を全力で生きていきます。

 

それではまた。