アニメ沼

アニメ沼

沼の底からアニメの感想をお届けします。

2024年春アニメ 総括感想

 



 

皆様、お久し振りでございます。

例の如く3ヵ月近く何も呟いてなかったですが、生きてます。

 

潜伏していた理由として近況報告をしておくと、まず仕事の絡みでGWが消し飛び、そこまではまだ良かったんだけど、その直後に出てきたこれが全てを狂わせた。

 

 

そう、アイマスシリーズの新作ゲーム・学園アイドルマスターである。

語り出すと長くなるのでここでは詳しく触れないけど、プロデュースしているのを強く感じられるゲーム性になっており、気付けばどっぷりハマっていた。プレイしている人ならわかると思うけど、現在PLv46なのでそこそこやってます。推しは咲季とリーリヤで莉波がお姉ちゃん。

 

閑話休題

 

とまぁそんなこんなでただでさえ遅れていたアニメ視聴の停滞に拍車がかかり、総括も大幅に遅れたというわけですが、お盆返上で引きこもってようやく今期も全て見終わったので、感想をまとめていきたいと思います。
なかなかに分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.響け!ユーフォニアム(3期)

2.ガールズバンドクライ

3.ダンジョン飯(2クール目)

4.烏は主を選ばない

5.夜のクラゲは泳げない

6.時光代理人-LINK CLICK-Ⅱ

7.僕のヒーローアカデミア(7期)

8.忘却バッテリー

9.終末トレインどこへいく?

10.怪獣8号

11.アストロノオト

12.狼と香辛料

13.無職転生(2期2クール目)

14.この素晴らしい世界に祝福を!(3期)

15.うる星やつら(2期2クール目)

16.ゆるキャン△(3期)

17.鬼滅の刃 柱稽古編

18.シャドウバースF(7クール目)

19.アイドルマスター シャイニーカラーズ

総評

 

 

1. 響け!ユーフォニアム(3期)

 

ユーフォシリーズ第3期にして完結編ということで。本シーズンでは3年になり部長となった黄前久美子と、強豪校から転校してきた黒江真由を中心に物語が進んでいく。

この真由というキャラが中々に曲者で、『バランスを重んじる実力者』な真由は実力主義の北宇治とは相反しており、得体の知れない異物感とそれに戸惑う様子が、間の取り方などから伝わってくるのがリアルで良かった。あすか先輩との思い出の曲に踏み込んでくる(普通のコミュニケーションだが)真由に対して久美子が思わず距離を取ってしまうシーンとか、オーディションを辞退しようとするシーンとか質感あり過ぎて…この辺の描写が真に迫っているから、見てるこちらも感情移入してしまった。

黄前部長にも触れておくと、部員達の悩みに真摯に向き合っていたのが印象的で、気苦労が絶えない中でも部長として牽引する姿はカッコ良かった。滝先生の判断に対して部員が疑心暗鬼になり、麗奈には部長失格とまで言われてしまった時でも折れず、涙を浮かべながらも思いの丈を全てぶつけて皆の心を1つにする姿は紛れもなく部長で、込められた熱量に涙が零れたと同時に、CV:黒沢ともよで良かったと改めて思った。

そして何といっても特筆したいのは12話のオーディション回。北宇治の実力主義を信じてやってきた久美子が最後までそれを貫きたいと匿名オーディションを申し出るところから既に泣きそうになって、真由が演奏に懸ける想いが現れた表情に胸が熱くなって、種々の感情で挙手する部員達にもグッときて、そして何より、選ばれなかった悔しさがありながらもこれが正しい選択だと部長として宣言する久美子の成長っぷりにはボロボロと泣いてしまった。言うまでもなく、自分のことのように涙を零す奏にも貰い泣き…ここまでだけでも最高なのに、締めの麗奈とのワンシーンがまた素晴らしくて。

久美子の音がわかっていながらも、実力主義という理想を貫いた麗奈の葛藤が泣けるし、そんな特別な麗奈だからこそ共に演奏したかった久美子の悔しさ…北宇治は実力主義であるべきという考えは嘘ではないけれど、だからと言って結果を全て割り切れるほどに久美子はまだ大人ではなくて。そしてかつての久美子であれば、死ぬほど悔しいと思うようなこともなくて…そんな成長の狭間にいるからこその涙に、3年間の青春の集大成とも言える涙に、こちらも涙が止まらなかった。驚愕なのがこの展開が丸々アニオリらしいところで、これは花田先生GJと言わざるを得ない。

最終話では演奏シーンを流すよりも回想が多めだったけど、本当に色々なことがあったと感慨深くなれて良かった。"悔しくて死にそう"から始まった物語が"嬉しくて死にそう"で終わる締めも美しく、文句なしの大団円だったと思う。

強いて言うなら演奏シーンが全体通してほとんど無かったので、せめてサンフェスぐらいは欲しかったかな。演奏シーン抜きで竹川さんの頑張り褒められても…って感じで違和感あったし。まぁでもそこくらいで、2015年から始まった響けシリーズの総決算として相応しい最高の終幕だった。素晴らしい作品をありがとう。

 

 

2. ガールズバンドクライ

 

ユーフォに続いて花田先生が構成・脚本を手掛けるオリジナルロックバンドアニメ。

本作の魅力は何といっても主人公・井芹仁菜。気に食わないこと全てに噛み付く狂犬

で、ロックの申し子と言わんばかりの暴れっぷりには随分と笑わせてもらった。また笑いだけでなく、自分に嘘をつけない真っ直ぐさは愛おしくもあり…特に自身の原点である桃香への想いは最初から最後まで一貫していて、感情が爆発した5話や8話ではその熱量に涙が零れてしまった。仁菜は常に感情剥き出しで、見てて飽きないキャラだったと思う。

他で言うとすばるがお気に入りで、開戦のゴング鳴らしたり、ガチ喧嘩始まったらドラマの撮影ですとフォローしたりと、包容力とユーモアを兼ね備えてるところが好き。途中参戦した智とルパについてはもう少し掘り下げが欲しかったのが本音だけど(特にルパ)、MVで過去をチラ見せしたり等、少ない時間に情報を詰め込んで想像させる手法で何とか上手くやっていたのかなと。

作画に関しては表情が多種多様で見てて楽しかったのと、ライブの躍動感溢れるカメラワークが見応え抜群だった。CGは特に気にしないタイプなので違和感無し。

またバンドアニメだけあって楽曲にも力が入れられていて、Vo:理名の歌声も相まって魅力的なものが多かった。ストーリー補正込みなら「空の箱」が別格で、それ以外なら5話挿入歌「視界の隅 朽ちる音」が好き。

ストーリーとしては、仁菜を救ってくれた桃香と、現実に打ちのめされていた桃香がかつての自分のように眩しい仁菜と出会う始まりに惹かれた(お互いがお互いの光になっている関係性大好き侍)。ラストも賢い選択でなくても自分達の信じる道を突き進むロックっぷりを見せつけて締めと、隙の無い構成だった。

ただ引っ掛かる点もあって、父親・ダイダス・ヒナと仁菜のトゲの元にもなっていた存在に対し、展開としては関わり合う中で単純に憎い怒りの対象ではなくなっていく。これは仁菜の成長としてみると納得出来るんだけど、一方でこの物語は仁菜のトゲから始まったわけで、そのトゲが抜けていくのは芯の部分が折れていく感覚があって好きになれなかった。トゲナシトゲアリの今後については描かない締め方だったけど、もうロックを歌う反骨精神は仁菜に残ってなくない?って思っちゃう。人気出たから普通なら続編もあり得るけど、書くのは難しいと感じる。

とまぁ色々書いたけど、毎週楽しませてもらっていたことは間違いなく、制作陣に感謝。我々の記憶に確かな爪痕を残した作品だった。

 

 

3. ダンジョン飯(2クール目)

 

作品全般の魅力については前シーズンで書いたので、印象深いエピソードについて触れていきたい。

1つ目は変貌を遂げたファリンとの邂逅(17話)。救出したい対象が禍々しいキメラに姿を変えている絶望感が半端なかったのと、良かれでやってきた今までの行動がカブルーやシュローといった第三者から改めて異常性を突き付けられる展開には胸が苦しくなった。ただそんな状況下でも、「1日3食しっかり食べていた俺達の方がずっと本気だった」と言い切るのが、食事と真摯に向き合う本作らしくて好き。

2つ目はセンシの過去回(23話)。食に厳しくなるのも頷ける壮絶なパーティ崩壊描写は身につまされる思いだったし、恐怖を抱きながらもトラウマと向き合い、安堵の涙を流すことができたセンシにはこちらも涙が零れてしまった。一方でトラウマ克服に向けて一切の躊躇なく事を進めようとするライオスが実にライオスで(伝われ)面白かった。

3つ目はファリン救出方針決定(24話)。生と死が曖昧になっているダンジョンにおいて、唯一明確に食事が死をもたらしているという着眼点が目から鱗で、ファリンの龍の部分を食べる解決策が奇想天外に見えて説得力あるのが気持ち良い。というかダンジョン飯を描いてきた本作ならではのアイデアに収束するのがあまりにも美し過ぎてビックリした。一体何食べてたらこんなの思いつくんだ(魔物か?)

その他の単話でも漬物石にされるマルシルや、シェイプシフターでの偽物判別大会等々、実に愉快な道中で存分に楽しませてもらった。そして続編も決まったということで非常に嬉しい!今後のやることも明確になって期待は膨らむばかり。原作読もうかと思ってたけど一旦アニメを待とうと思います。

 

 

4. 烏は主を選ばない

 

烏に姿を変えられる八咫烏の少年・雪哉が、世界を治める金烏とされる若宮に仕えることとなり、金烏の后選びで権謀術数渦巻く桜花宮の争いに巻き込まれていく和風大河ファンタジー

本作の魅力は金烏争い及び金烏の后争いを軸にした、各人の(腹黒い)思惑のぶつかり合い。誰が敵で誰が味方かわからない…というか何なら全員敵に思えてくるぐらい腹に一物ある人物ばかりで、キレのあるやり取りの数々にはゾクゾクさせられた。腹の内が読めないが故に先の展開が読めないことも多く、各々の立場・感情・謎が複雑に絡み合う骨太なストーリーが常に興味を引き続けてくれていた。

キャラも魅力的で、好き勝手やってるようで姫達の身を案じていたり、真の安寧をもたらすにはどう立ち振る舞うべきかを考えていたりと思慮深い若宮にはついていきたくなるカリスマ性があったし、そうはいっても奔放な若宮に振り回される雪哉との絡みは微笑ましく、何も信じられなくなっていくような本作の中で唯一の癒しだった。

四家の姫で言うと精神が壊れていく白珠の描写は凄みがあって引き込まれたし、浜木綿は言動がイケメンでカッコよくて、謎が多かった彼女の出自が明かされるシーンは食い入るように見ていた。真赭の薄はプライドの高さと純粋さ(人の良さ)を併せ持つところに惹かれ、断髪シーンは男前過ぎて惚れた。あせびはまさかまさかの展開で怖過ぎて震えてた。きょとんとした表情が恐ろし過ぎる…もう誰も信用できないよ…。

とこんな感じで楽しませてもらってた。2クール目もあるということで引き続き追いかけていきたい。

 

 

5. 夜のクラゲは泳げない

 

匿名で活動していた4人の少女が集い、匿名シンガーのJELEEを結成するところから始まる、オリアニの青春群像劇。

本作の魅力は、自分だけでは輝けないクラゲのような少女達が、皆でなら輝きを放つところ。まひる・花音・キウイ・めいの4人は全員どこか傷を抱えているんだけど、それぞれの光を力にして支え合っているのが素敵で、温かいエピソードの数々には涙腺が緩みがちだった。

印象に残っているのを挙げると、まず3話のキウイ回。嘘で塗り固めた自分なんかと塞ぎ込んでしまうキウイに、貴方は私のヒーローだと告げるまひる…自分のことを影だと思っているけど、自分が光だと思っている人の光になれている展開に弱くて涙した。

次が5話のまひる回。コメント欄での誹謗中傷というリアルさが真に迫っていて胸が苦しくなったし、そんなまひるを一人にせず水族館に連れてきてくれる花音の温かさがじんわり染みるし、何よりもっと自分の絵を信じたい・好きだと思えるようになりたいと、悔し涙を流しながらも絵の練習に励むまひるの姿には共感できてクるものがあった(ちょっとそこから解決までの時間が早過ぎる気はしたが…)。

あとサブエピソードだけど6話のみー子回も結構好き。周りから見ると嘲笑の対象になり得るような崖っぷちアイドルの母でも、娘のアリエルはそんな母のことがカッコよくて、可愛くて、大好きで…素敵な母娘関係に涙腺が緩んだ。

そして奇しくもガルクラと同じく音楽ものということでこちらも楽曲に力が入っていて、全て40mPが手掛けているのが個人的に嬉しいポイント。昔はかなりボカロにハマっていて、その中でも40mPはアルバム全部持ってるぐらいには好きだったから、久々にガッツリ曲聴けて嬉しかった。お気に入りは『一日は25時間。』と『最強ガール』かな。歌詞に注目すると、"夜(ヨル)"は勿論、『深海遊泳』の"もう雪の音が聴こえなくても" とか、本編に絡めたワードを盛り込んでくれているのも好き。

ただ脚本面でいうと、9話の決裂回までは良かったと思うんだけど、そこからの展開が精彩を欠いた印象。というのも10話のめい全力歌唱は感情が爆発していて泣けるんだけど、花音を立ち直らせるのがヨルじゃないのは違和感が残った。11話のキウイ身バレ回も単体で見れば良いエピソードなんだけど、構成として今やる?感は拭えなかった。最終話のミロ改心は唐突感あったし、花音が皆の為に歌うというアンサーも結論が飛躍しているように感じた。ののかではなく花音として認めたことを示すクレジット演出とか随所に光る部分はあっただけに、終盤で粗さが散見されたのが惜しい。

長短含め長々と書いてしまったけど、それだけ入れ込んで見ていたのもまた事実。並の作品ではこうはいかないので、良いオリアニだったと思う。

 

 

6. 時光代理人 -LINK CLICK- Ⅱ

 

衝撃の展開で幕を閉じた1期から2年、再び日本に上陸した中国発のタイムサスペンス。

写真の世界(≒過去)へダイブすることができる能力を軸にした、ドラマチックな短編を持ち味にしていた1期とは少し趣が異なり、2期では人を操る特殊能力を持った敵との対決がメインとなっている。写真ダイブが少なめだったり、肉弾戦のシーンがやたら多かったり、そういう点も含めて少し毛色が違ったシーズンだったかなと。アクション作画自体はよく動いていて見応えはあるもののどれも冗長気味で、この辺りはマイナスポイント。

逆に各話の引きの良さは健在で、早く続きが見たくなる吸引力が素晴らしかった。また敵能力や事件の真相等、散りばめられたピースが徐々にハマっていく興奮は1シーズン通して1つのエピソードをやり切った2期ならではの魅力だと思う。どんどん壊れていくリー兄妹の物語は見てるの辛かったけど、だからこそ感情が揺さぶられた。いいお兄ちゃんになろうとして道を踏み外してしまったが故に、"いいお兄ちゃんがいないと生きられない"だった妹が亡くなるというのは何とも皮肉で…切な過ぎるよ。

そしてラストはヒカルのリープ能力を示唆し、1期に続いてまたしても衝撃展開で締めというニクい構成。間違いなく続編もあるだろうから、また放送してくれる日を楽しみに待ってます。

 

 

7. 僕のヒーローアカデミア(7期)

 

物語も佳境に入って言うまでもなく安定して面白いんだけど、長期シリーズなのでトピック別で簡潔に一言感想を添えるスタイルで。

・スターvs弔

アメリカのトップヒーローらしいスターのダイナミックな攻撃に大興奮。新たなルールを付与するのもチート感あって好き。周りの軍人達がちゃんと仲間として一緒に戦ってるのが燃えるし、能力を奪われる逆境に対して、自らを犠牲にしてでも致命傷を負わせるスターの執念には胸が熱くなった。

・青山

どうしようもない状況まで追い込まれた青山の辛さは痛いほど伝わってきたし、だからこそ"君はまだヒーローになれる"と手を差し伸べてくれる皆の温かさが染みて泣けた。この後の総力戦でもそうだけど、サブタイでもあった「皆がヒーローになるまでの物語」の通り、本作は全員が主役として描かれているのが良い。

・ヒーローvsヴィラン総力戦

全ての戦力が一堂に会してぶつかり合うという構図がまず燃えるのと、"脇役なんていない"というセリフに説得力を感じるぐらい各々の個性を結集させた作戦には手に汗握って見守っていた。特に最強と化した弔に専用の要塞を作って立ち向かうのは状況だけでも滾るものがあるし、それをまた新たな力で超えてくる弔もラスボス感あってたまらん。

クール跨いで続けての放送になるので、引き続き追いかけます。

 

 

8. 忘却バッテリー

 

中学時代に怪物バッテリーだった葉流火(ハルカ)と圭、だが圭は記憶を失い素人になってしまう。無名の高校へ進学した二人と、中学時代の彼らを知る元球児達が出会い、歯車が動き出す…という物語。

本作の魅力は記憶喪失の主人公・圭。普段はお馬鹿なギャグを連発するアホさに笑わせてもらいつつ、芯の部分では初期衝動や情熱があり、野球を再び学び成長していくのが良かった。また記憶喪失設定の活かし方も巧くて、期間限定で記憶を戻すことで変化を与えてきたり、ワンバン送球という素人ならではの柔軟な発想で解決策を提示してきたりと、出オチになってなかったのが好印象。

あと怪物には届かなかった葵と千早の物語も見所で、イップスやフィジカルといった壁にぶつかった彼らが、信頼できる仲間達と出会って壁を乗り越えていく姿には胸が熱くなった。自分自身も野球やってて、両方と似た経験で苦しんだ過去があるから、感情移入して見れたのも大きかったかな。特に7話の葵回は至高の出来で、トラウマ克服までだけでも充分だったのに、先輩との再会シーンが演出素晴らしくて自然と涙零れてた。絶妙な空気感の再現度高過ぎるし、葵の表情を見せずに感情を想像させるのも良い。

最初はギャグの比重多めだったからどういう作品か読めなかったけど、野球作画も気合入ってたし、想定以上に野球と正面から向き合っている良作だった。物語としてはまだまだこれからというところで終わったので、また先が見たい。

 

 

9. 終末トレインどこへいく?

 

7G回線の開通と共に変貌してしまった終末世界で、消息を絶った友達・葉香に会いに電車で池袋を目指す、水島努監督率いるオリジナルアニメ。

本作の魅力は小気味良いテンポで繰り広げられる会話劇。畳み掛けるように台詞が押し寄せてくるんだけど、何でもアリな世界観と相まって勢いが凄まじく、見ている(聞いてる)だけで楽しかった。池袋までの各駅epもキノコ人間・ガリバー旅行記・ゾンビ・漫画家バトルetcと制作陣がやりたい放題やっていた印象で、楽しんで作ってるのが此方にも伝わってきた。また好き勝手やってるかと思いきや、"知らないことやわからないことはあればあるほど楽しい"ことに静留が気付くという形で奇妙な旅に意味を持たせるのは成程と妙に納得してしまった。世界が完全に元通りにはならなかったところも含め、意外とメッセージ性の強い結末なのが好き。

一方、前半で期待していた7G事件の謎については多く語られず、ボタンを押すだけで終わりなのは少々味気無かったかなと。先の読めないミステリアスな開幕で期待しただけに、もう少し捻りが欲しかった。敵役であるポンタローが小物感満載だったのも残念。

とは言え全編通してオリアニらしい自由さで作られていたのは評価したいポイント。こういうアニメは定期的に摂取させて欲しい。

 

 

10. 怪獣8号

 

怪獣達から人々を守る防衛隊員を目指すカフカが、謎の生物に寄生されて怪獣人間となってしまうところから物語は始まる。

本作の魅力は、怪獣であることを隠しながら防衛隊員として戦うカフカ。周囲にバレるかもしれない緊張感がありつつ、そんなリスクを負ってでも手を差し伸べずにはいられないヒーロー性と、圧倒的パワーで窮地を打開する爽快感…展開は王道ながら、それを見せつけてくれる主人公っぷりが気持ち良かった。戦闘作画が気合入ってるからそれだけでも見応え充分。怪獣清掃業で培った知識を活かして貢献するのも地味に好きポイントだけど、華があるのはやっぱり怪獣モードかな。

戦闘面で言うと巨大斧を手に華麗に戦場を駆ける天才少女のキコル・双剣使いで糸目強キャラな保科副隊長・超大型ライフルで掃討する亜白隊長等々、厨二心をくすぐる戦闘スタイルが多くて興奮させてくれた。中でも保科副隊長は命を賭けて闘う覚悟の強さや、隊員を守る使命まで背負っている情の厚さといった内面までカッコよくて好き。自らを犠牲にしてでも皆を守ったカフカへ向けた粋な敬礼はイケメン過ぎて惚れた。他の隊員達も仲間想いで向上心が高く、好感持てるキャラが多いのがグッド。

2期も決まって嬉しい限りなんだけど、カフカの身バレが思ったより早くて、怪獣であることを隠して戦うという本作の特徴が損なわれたのはやや不安…単調にならないことを祈る。

 

 

11. アストロノオト

 

癖のある住人達が住まうアパート・あすトろ荘を舞台に、料理人の宮坂拓巳と大家の豪徳寺ミラを中心に描かれる愉快なSFラブコメディ。

本作の魅力ですが、ラブコメのラブ部分ではヒロインのミラさん。宮坂くんの料理を美味しそうに食べる姿はシンプルに可愛く、中盤以降で宮坂くんのちょっとした言動が気になって嫉妬しちゃう乙女っぷりにはニヤニヤさせてもらった。CV:内田真礼もピッタリ。お相手である主人公の宮坂くんはとにかくミラさん一筋で、全然カッコよくないどころか情けないまであるんだけど、等身大なところが好感持てた。2人目のヒロインとして参戦した葵ちゃんの秘めた恋心も見所で、失恋した後に昔のことを思い出してもらえるところとか切な過ぎてグッときたよ…陰で支えるナオスケとのコンビも素敵。

コメディとしても安定していて、個性豊かな登場人物達が繰り広げるドタバタ劇には笑わせてもらった。ミボー人・ゴシュ人とかのネーミングもそうなんだけど、思わずクスっと笑ってしまうことが多かったように感じる。と言いつつ最終話手前であすトろ荘が変形して巨大ロボットになった時は流石に予想外過ぎて爆笑してしまったわけだけどw

あと全体通して温かさが根底にあったのが本作のお気に入りポイントで、自分の好きなことができる幸せな空間にしたいとミラさんが言っていたように、無職の若林さん・スカートを履きたいレンくん・売れない地下アイドルのテルルン等、ともすれば白い目で見られかねないことでもあすトろ荘は受け入れてくれる。そしてそんなあすトろ荘がかけがえのない場所であることが、楽しそうに過ごす住人達から伝わってくるのが好きだった。

気になった点を挙げておくと、ミラさんから宮坂くんへの矢印はもう少し印象深いエピソードがあると納得感増したと思うからそこは惜しい。

作品としてはTLの評判があまり良くなかった感じだったけど、良作だったと思う。制作陣に感謝。ちなみにOPは今期で一番好き。

 

 

12. 狼と香辛料

 

最近流行りのリメイクシリーズ。遂にこの作品までリメイクされるようになったのかと…時の流れを感じる。

原作既読かつ旧アニメ視聴済なので今更語ることは何も無いんだけど、何回触れても面白いものは面白いね。商取引という題材がまず珍しくて新鮮だし、騙し騙されは当たり前で手に汗握る商人達の駆け引き、心地良い軽妙な掛け合いがいずれも高水準。

なにより主人公・ロレンスとヒロイン・ホロの関係性が最高で、張り合おうとしても最終的には手玉に取られてしまうロレンスにはニヤけが抑えられない。そして基本的にはホロの方が常に優位に立ってるんだけど、大事な場面では関係が入れ替わり、ロレンスの誠実さが、本当は寂しさや不安を抱えているホロの心を包み込むのがまたたまらない。

ホロは耳や尻尾でも感情を表現するのが最高で、例えばレメリオ商会に裏切られた後にホロとロレンスが合流したシーン。ボロボロになりながらもホロの服を後生大事に持っていたロレンスに対し、相方が悲惨な目に合わされたことに怒りつつも、大切にされている嬉しさが抑え切れずに尻尾を揺らすところとかもうヒロイン力が天元突破してる。ちなみにこのシーン、気になって原作や旧アニメ見返したけど尻尾は振ってなかったからアニオリなんだけど、事務的なリメイクじゃなくて細かいところで味付けが加えられてるのが良い。

しかし今こうして見るとロレンスとホロの関係に何か既視感あると思ったら、からかい上手の高木さんなんだよな。阿呆な男であるが故、いつまでもこういうのに弱い。

どこまでアニメ化してくれるかはわからないけど、2クール目も続くということで引き続き追いかけます。

 

 

13. 無職転生(2期2クール目)

 

シルフィと結ばれ、家庭を持ったところから始まった今シーズン。

印象深いエピソードは2つあって、まずはノルンとの和解シーン。優秀な兄と比較され続ける毎日の息苦しさは共感できたし、引きこもってしまったノルンにかつての自分を重ね、どうすれば良いかわからなくても寄り添おうとするルーデウスには胸を打たれるものがあった。具体的に何かをしてあげられた訳じゃないんだけど、悩みもがき、拳を握り締めながら懸命に言葉を紡ぐ姿から、ルーデウスが"本気"で生きて、ノルンを想っていることが伝わるのが素敵。

もう1つはパウロとの決別。転生者であるが故に、父親というよりパウロとして見ている節もあったと思うんだけど、命を賭けて息子を守ったパウロは間違いなく父親で、その姿を目に焼き付けることでようやく息子になれたルーデウスに胸が熱くなった。タイトルとも繋がる"本気で生きる"ことを最後に決意するのが、前世を無かったことにしない本作らしさが詰まってて良いのと、そんなルーデウスの背中を死してなお押してくれるパウロにはグッときた。挿入歌の歌詞"側にいるよ"がまた泣けるのよ…。

ただ引っ掛かった部分もあって、パウロを失った心の傷をロキシーが癒す展開は正直どうなのと。ゼニス&リーリャの前例があるというのはそうだけど、結局シルフィに全てを委ねてるのがどうにも好きになれないし、パウロの死がハーレム作りの理由付けにされてるようにすら感じてしまう。シルフィもそうなんだけど、本作の辛い時は女に癒してもらうみたいなのはちょっとしっくり来てないんだよな…続編制作決まってエリスが出てくるっぽいけど、何かこのままだとエリスも同じ流れになりそうで心配。

 

 

14. この素晴らしい世界に祝福を!(3期)

 

爆焔を除けば実に7年振りとなったこのすばシリーズ。ゆるキャンと同じく制作会社は変更になったものの、おバカなノリは変わらずで安心できた。

宴会芸か酒を飲むことしかしてない駄女神アクア、爆裂魔法をぶっ放すことしか考えていないアホの子めぐみん、ドMクルセイダーのダクネス、皆に振り回されるカズマと癖が強過ぎる個性派パーティの愉快なやり取りは健在で随分と笑わせてもらった。

そんな中でも3期は借金を盾にしたダクネスの強制結婚話が軸に進み、シリアスな一面もあり少し毛色が違った印象。手を取って救い出してくれるカズマさんは不覚にもカッコいいと思えたし…いやまぁ戻ってきたらバツネス扱いされる時点で台無しなんだけどwダクネスとラブコメ展開になるかと思いきや腹筋割れてるでフラグ折ってくるし、絶対ギャグで落としてくれる信頼感があるよね。

新キャラの幼い王女・アイリスはカズマに興味津々で、年相応の反応を見せてくれるのが可愛らしく微笑ましかったし、お兄ちゃん呼びを求めるアホなカズマには笑った。

1話の「このすばが帰ってきた」感からするとシリアス成分増加でトータルとしては若干パワーダウンした気もするが、地力があるシリーズだと改めて感じさせられた。楽しかったです。

 

 

15. うる星やつら(2期2クール目)

 

計4クール続いたドタバタラブコメも終幕ということで。

見所は何と言ってもラスト4話のボーイミーツガール編。嘘でも良いから好きと言われたいラムと、強制されればされる程意固地になってしまうあたる…本気だからこそ安易に口にしたくないというのはわかるし、貫き通した想いがラムに伝わった瞬間は涙腺が緩んでしまった。好きという決定的な台詞は言っていなくても、ここぞという時のあたるの行動はいつもラムへの想いで溢れていて、その積み重ねが答えになるってのがさ…いつまで経っても素直になれない2人だけど、そんな2人らしい美しい結末に感動した。似た者同士だったルパ&カルラがストレートに言葉で伝えたのと対比させてるのも巧いよね。

物語の始まりでもある鬼ごっこで締めるのも粋だし、ラストに相応しいエピソードだったと思う。「いまわの際に言ってやる」はTHE・あたる節でニヤり。

人気が出るのも納得の名作でした。

 

 

16. ゆるキャン△ (3期)

 

安定のシリーズながら、制作会社やキャラデザの変更という不安要素も抱えつつ始まった3rdシーズン。

ただ心配とは裏腹に本作の味は健在だった印象で、3期のテーマである"たのしい、更新中"の通り、綾乃のツーリングキャンプ・なでしこや千明のソロキャン・葵のロードバイクといった楽しさや好きが伝播し広がっていく…様々な関わりを経て少しずつ豊かになっていくささやかな日常の高鳴りが詰まっていたと思う。吊り橋巡りで大変だったけど、何だかんだで終わってみると来て良かったことをリン&綾乃が噛み締めるシーンとかもアウトドアの魅力が感じられて好き。思い出ってこうやって増えていくよね。

あと直火焼きハンバーグや段ボール燻製など、食欲をそそる種々のキャンプ飯は本当に美味しそうで、本作が飯テロアニメでもあったことを思い出させてくれた。

たまに観光地紹介の旅番組みたいになってしまう時は退屈だったり、7話の回想キャンプは奇を衒い過ぎてる感あったりとハマれない瞬間はあったんだけど、上記の通り軸の部分はブレてなかったから全体通して見ると楽しませてくれた。

原作ストックがあるのかわからないけど、3年間隔でアニメ化されているので、次は2027年に再び会えることを楽しみに待っています。

 

 

17. 鬼滅の刃 柱稽古編

 

今や国民的アニメとなった鬼滅の新シリーズ。

今期は柱稽古編と銘打たれている通り柱達による修行編で、溜め回ならぬ溜めシーズンだったかなと。柱の掘り下げをするのかと思いきや悲鳴嶼さんぐらいで他はそうでもなく、その割にモブの特訓描写に力入れてたりと、いつも以上に引き伸ばし感がどうしても強くなってしまっていた印象。

ただ最終話は流石の貫禄で、ゆったりと闊歩してくる無惨様のラスボス感から始まり、家族諸共に爆殺する親方様の覚悟、決死の覚悟で薬を打ち込み大打撃を与える珠世、窮地に結集する柱達とどれも劇場版クオリティで盛り沢山。

そして未知の無限城へ落とされながらも不屈の闘志を見せる炭治郎で引きと、完結編である劇場版を見に行きたくなる構成で商売の上手さに感心。個人的には3部作なのが好きになれないから完結するまで待ちそうだけど、続きは楽しみにしています。

 

 

18. シャドウバースF(7クール目)

 

本クールはアーク陣営とのバトルが中心に描かれたわけだけど、印象的だったのはレン&ツバサvsアンドレア&ヒナ。手を差し伸べてくれるヒーロー2人の眩しさに焼かれつつ、結局は助けられない結末が中々に悲劇的でクるものがあった。「悪役なんだから最後は笑え」と不敵な笑みでアンドレアに寄り添うヒナも最高にカッコよくて痺れたし、エピソードとしては別格だった。

バトルとしては懐かしの絶傑シリーズが参戦ということで、ヴァーナレクやガルミーユには相当お世話になったので出てくるだけで大興奮。またタッグバトルやデジフレ覚醒など、イベントを盛り込んで飽きさせない構成にしているのが好印象。あとリョウガがすっかりデモニア大好きになってるのが微笑ましい。

シャドバのアプリは実質サ終して新作のビヨンドへ移行が決まったわけだけど、多分新作もやることになるだろうし、アニメの方も引き続き追いかけます。

 

 

19. アイドルマスターシャイニーカラーズ

 

アイマスシリーズのシャニマス編ということで。原作は最近リリースされたシャニソンを齧ってる程度なので超絶ニワカの立ち位置。

シャニマスはシナリオが気合入ってることで有名だからアニメも期待してたんだけど、正直期待外れだったと言わざるを得ない。

何が良くなかったかと言うと、1クール通してドラマが無さ過ぎる。感情の振れ幅が皆無なレベルで無味無臭で、もっと悩みとか葛藤といった負の感情を描いても良かったんじゃなかろうか。ちょっと前に放映されたミリマスの時は登場人物が多過ぎて感情移入できなかったと書いたけど、今回人数的には1/3以下の16でユニット数は4つと、バランス的に尺はあった。ユニットに描写を絞ればいいのに、1話の中でどのユニットも満遍なく出さないと気が済まないのか、中身の無いシーンをだらだら流すもんだから、本筋が薄っぺらくなってしまっていたのが非常に残念。終始散漫な印象は拭えず、W.I.N.G.で結果が奮わなくて果穂や恋鐘が悔しさを噛み締めるシーンとかもそこだけ見れば良いシーンなのに、積み重ねが不足しているように思えて魂まで響かなかった。

秋からストレイライト・ノクチルが新たに参入して2クール目が放送されるみたいだけど、この調子だと不安しかない…。

 

 

【総評】 

以上、計19作品となりました。

春アニメはビッグタイトルが多くて始まる前から大豊作を予感させていたけど、その通りになったんじゃないでしょうか。

本当は続編枠で劣等生・デアラを見る予定だったのと、バーテンダーも途中まで見てたんだけど、数が多過ぎて泣く泣く断念…。

 

ちなみに個人的段階別評価はこんな感じです(気持ち左右差あり)。


S(歴代上位) : ユーフォ
A+(クール最上位): ガルクラ ダンジョン飯 烏は主を選ばない > 夜クラ 時光代理人 ヒロアカ 忘却バッテリー
A(クール上位) : 終末トレイン 怪獣8号 アストロノオト 狼と香辛料 > 無職転生 このすば うる星やつら
B+(中の上) : ゆるキャン 

B(中) : 鬼滅の刃 シャドバF

C+ : シャニマス

 

また評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

ベストエピソードは響け!ユーフォニアム第12話「さいごのソリスト」でした。これは賛同して頂ける方も多いんじゃないでしょうか。感想は作品別のところでしこたま書いたので割愛。


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

夏アニメはお盆パワーで巻き返す計画だったんですが、もう残り少ないので地道に見ていくことになりそう。見たらまた感想書くので、引き続きよろしくお願い致します。


それではまた。

 

ガールズバンドクライ8話が凄かった(小並)

 

今回はタイトル通り。

 

てなわけで衝動に任せてちょいと書き残しておきたい。

以下手短に感想。

 

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「あの時の仁菜は、私が好きだった私なんだ。あの頃の私なんだよ」

「だから…仁菜のまま、歌い続けて欲しかったんだ」

「何にも縛られず、その歌を横で聴いていたかったんだ」

 

うんうん分かるよ桃香さんと頷きながら観ていた。

正直、決まったと思った。

並の作品ならここで終わっているが、井芹仁菜は止まらない。

 

 

「私で逃げるな」

 

特にこの一言には震えた。

画面外の自分まで平手打ちを喰らった気分。

 

 

そして思い出すのは2話のラスト。

 

 

「私が忘れていた、私が大好きで、いつまでも抱き締めていたい…私の、歌なんだ」

 

作中でも指折りの名シーンだが、

 

「そんなのいらない~~~」

 

と仁菜は返した。

その時は台無しじゃねーかwと笑っていたものだけど、違った。

仁菜の心はその時から…いや、一緒に中指立てて下さいと言った出会いの日からずっと変わってなくて。

理不尽に立ち向かう力をくれた桃香には、いつまでも闘っていて欲しくて。

こんな時期もあったな、あの頃は楽しかったんだけどな…なんて感傷に浸って、過去の思い出に閉じ込めることを許さない。

 

なら"今"貴方の目の前にいる私は何なんだ?と。

これこそ貴方が間違ってなかった何よりの証拠だろうと。

ひん曲がりまくって、拗らせまくってて…でも決してブレない、一途な桃香への想いの強さに涙が零れた。

 

そんな仁菜に背中を押され(勢い的には突きとばされて?)、現ダイダスにも中指立てて宣戦布告する桃香

元メンバー達が嬉しそうなのが印象的で、昔の桃香はずっとこういうマインドだったんだろう。

 

そしてかつての熱さを取り戻した桃香に仁菜は告げる。

 

 

「やっぱり私、桃香さんが好きです」

「決まってるじゃないですか……告白です」

 

この告白は"おかえりなさい"なんだと思う。

ここまで真っ直ぐに想いをぶつけられたらそりゃ桃香さんも泣いちゃうよ。

改めて振り返っても自分の信念を貫き通す仁菜の熱量に圧倒された1話だった。

 

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というわけでガールズバンドクライ第8話の感想でした。心はいつまでも熱くありたいものですね。

残りの話数で何をやってくれるかも気になるところだけど、vsダイダス(Voフォーカス)は確定として、個人的には追加メンバー2人の掘り下げとかもしてくれると嬉しい。

 

ちなみに他作品は全然追い付けてなくて白目剥いてます。何とかなるはず、多分。

 

それではまたの機会に。

 

2024年冬アニメ総括感想

 



 

お久し振りでございます。生きてます。

 

最近は期末&期初で仕事に追われつつ、カレイドスター音楽祭に向けて猛スピードで本編を見返してたのでせわしない日々を送っていました。

そんなこんなで視聴数は少なかった割に遅くなってしまいましたが、何とか冬アニメも見終わったので感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.僕の心のヤバイやつ(2期)

2.葬送のフリーレン(2クール目)

3.ダンジョン飯

4.メタリックルージュ

5.アンデッド・アンラック(2クール目)

6.スナックバス江

7.魔法少女にあこがれて

8.薬屋のひとりごと(2クール目)

9.姫様"拷問"の時間です

10.うる星やつら(2期)

11.勇気爆発バーンブレイバーン

総評

 

 

 

 

 

1. 僕の心のヤバイやつ(2期)

 

人気ラブコメ第2弾ということで、定番のバレンタインや名前呼び等のイベントを絡めつつ、付き合ってはいないけどお互いに意識しちゃってる甘酸っぱい関係を存分に描き切ってくれたかなと。今期は特に市川の方から一歩踏み込む展開が増えた印象で、気恥ずかしさがありつつも、もっと知りたい、近付きたいという思春期全開ムーブにはニヤニヤさせられまくりだった。

本作は恋愛的ニヤニヤだけでなく市川の成長にも焦点を当ててくれていて、自分を信じて卒業式で立派な送辞をやり遂げた姿には胸が熱くなったし、孤独だった世界が色付く回想シーンには感慨深いものがあった。

夢追う山田のことを好きなのが一貫してるのもまた良くて、仕事場へ手を引いて連れていったり、オーディションに行くように背中を押したり…距離が近くなったからこそ側にいて欲しい気持ちも強くなっていくんだけど、それ以上に真剣な山田のことを真剣に想う純粋な姿にグッとくる。

あとお互い励ます時に「頑張れ」じゃなくて「大丈夫」って言うんだけど、君が頑張ってるのはちゃんと知ってるよと、温かく見守って来てくれたことが伝わるのが地味に好きだったりする。

気になった所を強いて言うなら、送辞回後は若干引き延ばされてる感覚もあったけど、ラストで決めてくれたので全体としては申し分無かったと思う。ラブコメ代表作の1つとして名を刻んだのではないだろうか。

 

 

2. 葬送のフリーレン(2クール目)

 

1000年以上生きる魔法使いフリーレンを軸とした後日譚ファンタジーの2クール目。

2クール目の軸は1級試験編で、受験者の新キャラを一気に大量投入して物語を展開させるというリスキーな面もあったと思うんだけど、それぞれのバックボーンや関係性を少しずつ描いてくれたので安心。何だかんだ仲良しコンビのラヴィーネ・カンネ、何でも切るやべー奴なユーベル、老獪だが時に拳で戦い仲間の面倒見も良いデンケン、一見ヤバそうなのに好きな女の子の為に頑張ってる純粋なヴィアベル等々…どのキャラも魅力的で気付けば好きになっていった。

また二次試験での複製体との戦闘はどう攻略するのかワクワクさせられたし、特に最強の魔法使いであるフリーレンとの対峙は絶望感MAXで興奮した。そしてそのフリーレンを弟子であるフェルンが討つのがまた良くて、エルフと異なる寿命が限られた人間だからこその成長、即ち人間讃歌として描かれるのが本作らしくて好き。しかも超えたかと思えば更にその上を見せてくるフリーレンの強さがまた痺れさせてくれる。直感で合否を決めるゼーリエも不条理なはずなのに説得力あったし、本作は強者の描写が巧いなと思う。

気になった点を敢えて挙げるなら、進行上どうしてもシュタルクの出番が少なくなってしまったのと、本作の静と動で言うと静の方が好みな自分としては、試験で動の割合が増えたのがちょっとだけ残念。とは言え全編通してハイクオリティな出来栄えで、自信を持って良いアニメと言い切れる作品だった。

 

 

3. ダンジョン飯

 

ドラゴンに食われてしまった妹・ファリンを救う為、様々なモンスター達を食料として現地調達しながらダンジョンを踏破していくグルメファンタジー

本作の魅力はタイトルにもなっている多種多様なダンジョン飯。モンスターの肉のような食料ちっくなものは勿論、動く鎧(の中身)・コイン虫・寄生虫等々、食べられそうにないものでも瞬く間に美味そうな飯に変身していくのが面白い。見てるとこちらも食べたくなる飯テロアニメだが、本作はそれだけでは留まらない。

というのも討伐~調理の過程で各モンスターの特性が掘り下げられるのが特徴的で、練られたダンジョンの世界観にどんどん惹き込まれていった。生態系バランスまで考えられているスケール感の大きさや、魂が肉体に縛り付けられ死が禁じられている特異性、そして何よりそんな奥深いダンジョンを人為的に作り出した魔術師がいる…底知れない壮大さを垣間見せてくれるから、ファンタジー作品としても魅入られた。

また冒険するパーティも魅力的で、キャラで言うと紅一点のマルシルが好きだった。というか千本木彩花さんの声が可愛過ぎるんだよな。ダンジョン飯を快く受け入れられない側としての感情豊かな反応がライオス・センシとギャップあって楽しませてもらった。あと普段は冷静だけど、いざという時は人情に厚いチルチャックも好き。13話で心からの本音を涙ながらに伝えるチルチャックには涙腺緩んだ…。

TRIGGER印のよく動く作画も冒険に華を添えてくれていて、視覚的にも楽しませてくれたのがグッド。

気になった点としては、ファリンの生死がかかっているにしてはそこまで危機感が無いように感じられる時もあったけど、死んでも生き返ることが日常の世界ではこういう感覚になるんだろうなと思って見てたのでそこまで問題ではなかったかな。

2クール目も続けて放送ということで、どんどん広がっていく世界から目が離せない。

 

 

4. メタリックルージュ

 

人間と人造人間が共存する世界で、人造人間の少女・ルジュがバディのナオミと共に政府に敵対する9人の人造人間の殺害任務にあたる、ボンズ25周年記念のオリジナルアニメ。

本作は謎多き世界観とそこから醸し出される雰囲気が魅力で、回を経る毎に勢いを増す情報量の嵐にどんどん引き込まれていった。またルジュ&ナオミのテンポ良い掛け合いを筆頭に台詞回しも光っていて、作品の核でもある自由意志を軸に交わされるキレのある言葉の数々には滾るものがあった。この辺りのベース部分が気に入ってたので割と何やってても楽しめてたのが大きい。

主人公であるルジュの成長も見所で、兄・ジーンの人形であった自分自身への葛藤から始まり、悩みながらも自分がどうしたいか向き合い決断していく姿に惹かれた。また自身に留まらず妹分のシアンに自由意志を促し、合理主義者のナオミも自身の意志を優先させたりと周囲へ影響を及ぼす程になったルジュの姿は勇ましく、迷える少女だった頃を思うと感慨深かった。バディであるナオミとの関係性も最初はサポートされる側だったのに、覚悟の決まった終盤はむしろ手を引く側に入れ替わってるように感じられたのがグッド。

残念だったのは締めが尺不足だったところで、コード・イヴを起動→ウイルストラップ仕掛けてました→アンチウイルスを作っておいたんDA☆を僅か2分でやったのはギャグにしか見えなくて笑ってしまった。そこまではある程度形になってたと思うから余計にこの展開いる?って感じだった。まぁ他にも詰め込みまくってたインモータルナインのドラマももう少し掘り下げてくれればとか、ナオミとのバディ感を強めるエピソードがもうちょっとあればより感情移入出来たかもとか思うところもあるんだけど…2クールと言わないまでもあと半クールぐらいは欲しかった印象。あとOP大好きマンとしては羽生えたルジュを楽しみにしてて、最後の変身でようやく見れると思ったらダサいフォルム(好きな人ごめんなさい)になってしまってしょんぼりだった。

とまぁ色々書いたけど、密度の濃さもあり間違いなく今期で一番集中して見ていた。「正直オススメはできないけど好き」に分類されるタイプの作品。

 

 

5. アンデッドアンラック(2クール目)

 

色々と盛沢山な後半戦だったので各EPにそれぞれ一言コメントを書く形式で。

まずはvsビリー。否定者達の能力コピーという全能感溢れる強キャラとの対峙は興奮するだけでなく、タチアナに感情移入して見てた自分としては胸が締め付けられた。タチアナの辛さを汲み取って涙を流す風子にはグッときたし、アンジャスティスを受けてもなお攻撃出来るという形で示されるタチアナの想いには涙腺が緩んだ。

続いて明かされる世界の真実。ループ自体は珍しくないものの、神の手によって破壊と再生が繰り返されるというダイナミックさがこの作品らしくて良いのと、抗い続けるジュイスとヴィクトルの関係性が今後の更なる展開を期待させてくれるのが好き。

そして主役ながら謎が多いアンディ(ヴィクトル)の過去ではいつでも男前なアンディに惚れ惚れしつつ、ジュイスを苦しませたくないと言うヴィクトルの深い愛にも惚れた。あと能力にまで影響を及ぼす死生観の切り口にも感心。

最後は全てを知った安野雲との出会い。unknownの否定者となってしまっても、あの日見たヒーロー達に勇気をもらって一人で戦い続けた生き様に痺れるのは勿論のこと、"忘れられなければ人は死なない"のだと思わせてくれるアンディとのグータッチには「ちゃんと全部伝わってるよ…!」と心が震えた。

とこんな感じで全体を通して怒涛の展開が続いて面白かったんだけど、1クール目でもあったテンポの悪さは相変わらずというか、所々の回想が長めで尺稼ぎしてるように感じられたのは残念。唯一ではあるものの結構目についてしまう不満点かな。オータム編が了、とくれば続編もありそうだけどこの辺りは改善してくれることに期待したい。

 

 

6. スナックバス江

 

場末のスナックに集うどうしようもない男達と、バス江ママ&チーママ・明美を中心に繰り広げられる愉快なギャグアニメ。

本作の魅力は個性豊かな常連客で、特にブサキモ童貞の森田はやることなすこと残念過ぎて出て来る度に笑ってた。散々な扱い受けてる割にめちゃくちゃ前向きなのもまた笑える。

また会話としては日常から下ネタ・パロディと何でもアリで、緩い雰囲気で適当に喋ってるのがまさにスナックって感じで好き。下ネタは結構酷い(褒めてます)のも多くてだいぶ笑わせてもらった。英語=賢いイメージに対してアヘ顔で「せっくしゅー!!」を返す最低の反証やシュレディンガーのチ○ポ等、インパクトの強いネタを刻んできたのは高評価。あしらう明美を筆頭にツッコミが意外と冴えてたのも良かった。

あとEDのカラオケも知ってる曲は多くなかったけど、スナックの雰囲気が出てて結構好き。酒入った状態で自分の好きな曲歌うの気持ち良いよね。

ギャグアニメの宿命でエピソードによって多少ムラがあったものの、比較的コンスタントに笑いを提供してくれた作品だった。ちなみに酒飲みながら見ると楽しさ3割増し。

 

 

7. 魔法少女にあこがれて

 

魔法少女が大好きな女の子・柊うてなが、謎のマスコット・ヴェナリータから悪の組織の女幹部の力を与えられ、何故か魔法少女と戦うはめになるところから始まるゆるふわギャグアニメ(諸説あり)。

本作の魅力は放送ギリギリ(というかアウト)まで攻めたプレイの数々で、お馴染みの謎の光が眩し過ぎて画面がまともに見えなくなることもしばしば…ちゃんと最後まで放送しきってくれたことにまずは感謝したい。オーソドックスなSMプレイから少し(?)ハードな赤ちゃんプレイや放尿プレイ、果ては半強制百合ックス鑑賞プレイまで…様々な趣向を凝らして辱めてくれるから最後まで楽しむことが出来た。一方でどんどん開発されていく魔法少女達に笑わせてもらってたら最初から快楽を求めて溺れるのは解釈違いと正されたりして、何というかSMとはかくあるべきという作者の魂を感じる側面もあった。絵面は酷い(褒めてます)が芯のある作品だと思う。

最終話も「"やっぱり"魔法少女にあこがれて」のタイトル通り、初期衝動である魔法少女への憧れへと回帰する締めで構成としても美しかった。

好きなキャラはキウィで、うてな好きが前面に押し出た古賀葵ボイスが癖になるし、戦闘服のデザインも好き。演技面で言うとドSな主人公・うてなを演じ切った和泉風花さんも素晴らしかったと思うので今後も活躍していって欲しい。

 

 

8. 薬屋のひとりごと(2クール目)

 

後宮を舞台に様々な事件を解決していく謎解きミステリーの2クール目。

2クール目の目玉は何と言っても羅漢(と鳳仙)のエピソード。陰謀を企てている危険人物といった感じの印象を強めていた羅漢が、実は娘を溺愛し鳳仙のことも純粋に愛していたというのは中々に衝撃的でイメージが180度変わった。悲しいすれ違いをしてしまった二人が再会するシーンは感動的で、あの幸せだった時のようにと万感の思いが込められた「碁をやろう」にはグッと来たし、見守って来た梅梅の涙には此方も涙を浮かべてしまった。複雑過ぎる心境の猫猫が敢えて多くは語らず舞を贈るのは余韻たっぷりで味わい深く、暗い風景の中で歪んだ小指の先が仄かに光っていたのもそんな複雑な感情が表れているようで好き。

ただラスト2話は盛り上げてくれたものの、そこまでを溜めとして見るとやや長く感じたというか、相関が薄いエピソードも多かったような。壬氏様暗殺未遂事件に繋がっていくところとか緊張感あってその瞬間は見応えあったんだけど、最後に振り返ってみるとあの辺りの描写は結局何だったんだ?という気もするし。まぁその辺りは無事制作の決まった2期に持ち越しなのかな?引き続き追いかけます。

 

 

8. 姫様"拷問"の時間です

 

魔王軍に囚われの身となった姫様が、秘密を聞き出す為の過酷な拷問()を受け続けるギャグアニメ。

本作の魅力は拷問に屈する姫様で、「私は国王軍第三騎士団長~」というお決まりの台詞で強がったかと思いきや即陥落する様式美がどんどん癖になってくる。「結構抗ったけど屈したよ!」とか「いつも拷問して頂いております」とか「屈するに値する」等のパワーワードが飛び交い、拷問とは?屈するとは?と考えてると可笑しくなってしまう。

また屈しっぷりを楽しめた大きな要因としてCV:白石晴香さんの好演が間違いなくあって、盛大に屈する際は感情が画面だけじゃなく声からも存分に伝わってくるから、見てるこっちまで気持ち良くなってた。

拷問の種類も最初は飯テロだけかと思いきやバリエーションに富んでていて飽きさせなかったのがグッド。地味にツボだったのは目の前でコアラのマーチの絵柄を確認せず食べる拷問が意味分からなさ過ぎて好き。

姫様意外で言うと親バカでオタクな魔王様も面白いキャラしてて、怖いのは見た目だけで中身は理想の上司でめっちゃ良い人なのが笑ってしまう。「国宝盗ったら可哀想だろ…」とかあまりにも魔王らしからぬ台詞で草生えた。

後半は日常系テイストが強くなってたけど、それはそれで癒されていたのであり。ネタの流れとしてはお決まりなので徐々に慣れては来たものの、1週間に1話見るなら丁度いい感じだった。そしてまさかの2期決定ということで、更に厳しい拷問が待ち受けているんだろうなぁ…姫様が屈しないか心配だ()

 

 

10. うる星やつら(2期)

 

令和版としてリメイクされたドタバタラブコメの第2期。

2期でも安定感抜群なので特に改めて書くことは無いんだけど、今シーズンはラブコメのラブの比重が高めだった印象。

普段はガールハントに明け暮れているあたるだけど、言葉が通じなくなったり、攫われたり、牛になったり、未来の花嫁になってなかったり…ラムが色んなトラブルに巻き込まれた時には素直な一面を覗かせる塩梅がたまらない。何だかんだでラムのことを大切に想っているあたると、そんなあたるのことが愛おしいラム…この二人の関係性が魅力的だと改めて感じるシーズンだった。あたるが可愛過ぎて困る。

そして全4クールということで、いよいよ物語は最終章へ。原作未読でラストシーンだけは知ってるんだけど、その過程は知らないので楽しみにしてる。

 

 

11. 勇気爆発バーンブレイバーン

 

Cygames制作のオリジナルロボットアニメ。

始まりはリアルロボットアニメかと思ったらまさかの喋りまくるスーパーロボットが主役という1話で度胆を抜いて来たのは記憶に新しい。

本作の魅力は圧倒的存在感を放つブレイバーンで、うるさい程に喋り倒し、主人公・イサミへの愛が溢れた言動の数々には笑わずにはいられない。食い気味に叫んだり、敵の口上途中だろうが攻撃したり、挿入歌かと思ったら本当に音楽流れてたり…自由奔放に暴れ回るブレイバーンと、それに翻弄されるイサミのペアは見ていて楽しかった。他にもロボットなのに筋トレしてたり、水をかけられ続ける拷問になってない拷問受けたり…そうはならんやろと思わずツッコミたくなるところが盛り沢山でギャグアニメとしては結構ツボだった。

一方でストーリー展開としては後半こねくり回し過ぎてたような気もしてて、スミス・ルルのタイムリープとか勢いで突っ走ってたけど、話がややこしくなるからお馬鹿な本作と食い合わせが悪かったように思う(その辺りを真面目に見るアニメではないと思うが)。あと最終話でイサミがメンタル崩壊して白旗振り出すのとかも違和感あって残念…何かの作戦かと思って見てたらマジの行動で困惑してしまった。

とは言え1話の出オチになるかと思いきや最後までノリと勢いでお馬鹿にやり切ってくれたのは評価したい。自由で楽しい作品だった。

 

 

【総評】 

以上、計11作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(気持ち左右差あり)。


S(歴代上位) : 該当無し
A+(クール最上位):  > 僕ヤバ フリーレン ダンジョン飯
A(クール上位) : メタリックルージュ アンデラ バス江 まほあこ 薬屋 
B+(中の上) : 姫拷 うる星 > ブレイバーン
B(中) : 該当無し

 

評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

ベスト回は僕ヤバ18話『山田は僕が好き』でした。

ちゃんとサブタイのように思えるまで成長した市川に感動しきり。


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

春アニメは例に漏れず見れていませんが、軽くチェックしただけでも続編だけで10個ぐらい見るのあるし、新規も負けじと盛り上がっている様子…普段ならGWで取り返すんだけど、今年はGW終盤からアメリカ出張があって色々と準備で忙しくなりそうで追い付くのは遅くなりそうかも。

と言いつつまたマイペースにぼちぼち感想書いていくつもりなので、今後ともよろしくお願いします。

 

それではまたの機会に。

 

2023年秋アニメ総括感想

 



 

皆様、明けましておめでとうございます。

 

年末年始は時間あったはずなんですが、溜めアニメが多いこともあり結局いつも通りのタイミングでの総括となりました。ありがち。

近況としてちょっと前にMyGOにハマってガルパ(バンドリアプリ)を始めたんですが、直近更にシャニソン(シャニマス新作アプリ)も始めてしまいまして、ソシャゲに忙殺される日々へ片足突っ込んでます。付き合い方は考えないとなーと思いつつ貧乏性だからなかなか割り切れずについつい真面目にプレイしちゃう…やめさせてくれる人募集中。

 

閑話休題

 

2023年秋アニメをようやく見終わったので早速感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.オーバーテイク!

2.葬送のフリーレン

3.MFゴースト

4.呪術廻戦(2期2クール目)

5.Dr.STONE(3期)

6.君のことが大大大大大好きな100人の彼女

7.アンデッドアンラック

8.SHY

9.アンダーニンジャ

10.ウマ娘 プリティダービー(3期)

11.SPY×FAMILY(2期)

12.薬屋のひとりごと

13.16bitセンセーション ANOTHER LAYER

14.カノジョも彼女(2期)

15.アイドルマスター ミリオンライブ!

16.るろうに剣心(2クール目)

17.シャドウバースF(6クール目)

総評

 

 

1. オーバーテイク!

 

とある理由でスランプに陥ったフォトグラファー・孝哉と、若くしてレーサーの父を事故で亡くした高校生F4ドライバー・悠が出会うところから物語が始まる。

本作の魅力は悩み多き登場人物達が織り成す人間ドラマ。互いに傷を抱えながらもひた向きな生き様で活力を与えあう主役2人の関係性が素晴らしく、物語が進むにつれて対照的な両者の関係が変わっていくのがよく出来てて感心。応援はされる方だけじゃなくする方も力が湧いてくるという最後の締めも納得出来た。

またライバルチームメンバーである春永・徳丸も良いキャラしてて、1stドライバーをテーマにした苦悩や葛藤には随分と感情移入させられた。両者は途中で立場が入れ替わるんだけどそこでの感情の揺れ動きがまた良くて、一見お調子者な春永の人間らしい一面が露わになって一気に好きになった。他にも悠を支えるメカニックの錮太郎が悠のベルソリーゾ移籍で悶々としたり等々、どのキャラも等身大の感情が描かれていて愛着が湧き、共感出来たのが大きかった。

人間ドラマがメインの作品だとは思うけどレースシーンもきっちり仕上げてくれていて、6話の悪天候下でのレースは緊張感MAXで固唾を呑んで見守ってたし、白熱したラストレースは視点も凝ってて昂った。

敢えて引っ掛かった点を挙げるとすれば孝哉のトラウマに一区切りをつける第9話で、一連の流れに対する悠の関りが弱く感じてしまった。いや勿論確かにずっと側にはいたんだけど、悠がいなくても成立してしまいそうなのが気になったというか、悠のお陰だと明確に分かる描写が同話内に欲しかった。

とは言え全体通して非常に綺麗に纏まっていた作品だったので、見終わった後の満足感はすこぶる高かった。よく練られたキャラ配置やストーリー構成だったと思う。

 

 

2. 葬送のフリーレン

 

1000年以上生きる魔法使いフリーレンを軸に魔王討伐後の勇者一行を描く後日譚ファンタジー

本作の魅力は過去を絡めて描かれる情感豊かなエピソードで、新たな旅の途中で様々な記憶が呼び起こされるんだけど、楽しい日々だったり、大切な言葉だったり…噛み締めるように語られる思い出の数々が温かく、見てるこちらも幸せな気持ちになれるのが良い。時間にすれば僅か人生の100分の1にも満たない旅なのに、今もなお鮮明に思い出せる…そんなかけがえの無い日々を胸に少しずつ変わっていくフリーレンが見所。

基本的には落ち着いた雰囲気を保ちつつ、メンバーが増えてからはギャグや恋愛要素も出てきて作品としての幅が広がった印象。シンプルにフェルンの毒舌っぷりと乙女っぷりとむくれ顔が好きというのもあるが、青い少年少女のシュタルク・フェルン、二人を見守り導く大人組のザイン・フリーレンというパーティのバランスも良くより味わい深くなった。

あとは力入れて作られてるだけあって要所の戦闘作画も素晴らしかった。顕著だったのはアウラ編、特にフェルン・シュタルクの奮闘を描いた9話は至高と言って良い出来でアニメ化の強みを存分に活かしていたと思う。

2クール目も続くということで、引き続き楽しませてもらいます。

 

 

3. MFゴースト

 

頭文字Dの近未来の世界観設定で描かれる公道カーレースバトルアニメ。自分はイニDには全く触れたこと無いんだけど、新規からでも充分楽しめた。

本作の魅力はカーレースの熱&爽快感。主人公・カナタが駆る車は馬力の低いトヨタ86なんだけど、超絶技巧でライバル達のスーパーカーを抜き去っていくのがシンプルながら熱い。常人離れしたテクニックを見せつけてくれるのは勿論、それをミッションをこなすが如くクールに遂行していくのがギャップあって痺れるんだよね。また爪痕は残しつつ車の限界で結果は伸び過ぎないのが現実味あって良いし、車の制約→チューニングでの解放という盛り上がるイベントが用意されてるのも抜かりない。

あとレースに熱狂させてくれる重要な要素として実況がめちゃくちゃ良い。滾らせてくれるワードセンスと、臨場感溢れる渾身の叫びのハイブリッドで自然と熱が入ってしまう。「曲がれるのか…?曲がってしまうのか…?曲がったぁぁぁぁぁっっっ!!!」のところとか実況無しでは成立しない最高のシーンだったし、本作を支えるMVPと思う。

要所でかかるアゲアゲ(死語)なユーロビートも高ぶらせてくれて、純粋にレースをずっと見ていたいと思える。…いやレースクイーン描写がいらないとは言ってないよ?7番ちゃんのヒップは芸術だよなぁ!(相葉先輩並感)

最後はアップデートした86でのカナタ無双をチラ見せしたところで締めという何ともニクい構成。続編無かったらうーん…となってるところだけど決まってるからむしろ期待が高まる。続きも非常に楽しみ。

 

 

4. 呪術廻戦(2期2クール目)

 

五条悟封印という絶望的な状況から始まった渋谷事変第2クール。

始めから終わりまで重苦しい雰囲気が続き、見てるこちらも精神が削られることが多かった。そんな中でも渾身のアニメーションは健在で、毎週のように異次元の戦闘作画が繰り広げられるからそれだけで一定の満足感があった。1話毎の作画カロリーは断トツでトップだろう。変幻自在な戦い方で悪を貫く真人は勿論、パパ黒・宿儺といった強キャラが登場すると作中の緊張感もより高まるのでそういう面でも目が離せなかった。

ストーリー面で印象深いのは主要キャラの退場で、まさかまさかの展開には驚きを隠せなかった。ただ釘崎に関しては適切なタイミングだったかと言われるとやや急で掘り下げ不足に感じたかな…後々復活しそうなフラグ立ててはいたけど。

あと宿儺の所業や仲間の死といった背負い切れない程の事象が畳み掛け、悲痛な程に追い込まれていく虎杖は見応えあった。1つだけでも心折れそうなのに3連続でやるの作者ドS過ぎるよ…。渋谷事変も収束するどころか事態が悪化して終わってしまい、虎杖自身は殺害対象にされるという散々っぷりなんだけど、この困難をどのように乗り越えていくか先は気になるばかり。幸いにも続編決定しているので気長に待とうと思います。

 

 

5. Dr.STONE(3期)

 

メンバーの大半が石化されて大ピンチな状況から始まった3rdシーズン。

改めて本作は順序立てて少しずつ物事を進めていくのが魅力だと感じていて、水中へ潜る為のボンベや石化光線を奪う為のドローン作りといったモノづくりの楽しさとリンクした要素だったり、重要な人員から順番に石化を解いていくストーリーだったりと、物語に必要なピースがハマっていくのが見てて気持ち良い。あと全員に役割があるチーム千空を見ていると、科学をテーマにしつつもその根幹には人があるのを感じられるのがいいなと思う。

また今シーズンはバトル面でも見所あって、敵の大将であるイバラが非常に用心深く一筋縄ではいかない存在だったのが緊張感を底上げしてくれていた。そんなイバラと千空が一騎打ちする展開は滾るものがあって、最後の最後まで決着が読めない激戦には手に汗握った。やり遂げた千空の雄叫びや仲間と共に掴んだ勝利の余韻にはグッときたし、何より最後決めるのは仲間達に全てを託された千空っていうのが激熱過ぎて…無言のハイタッチを交わすシーン大好き。

そして次の舞台はいよいよ月ということで。もう何が起きても驚かないぞと思ってたのに目玉飛び出たけど、この作品ならまた一つずつ積み上げて実現してしまうのだろう。完結編のアニメ化も決まったとのことで楽しみに待っています。

 

 

6. 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

 

タイトルに偽り無しな100股(予定)ラブコメ。もう頭の整理が追い付かない。

本作の魅力は100人の運命の人と愛し合わなければ死ぬというハチャメチャな設定から生まれるぶっ飛びっぷりで、当然のように複数股をしてヒロイン達もそれを許容するというカオスな世界観が見所。挙句の果てにヒロインの母親まで彼女にしてしまうのには恐れいったw更に凄いのが義務感的なのは全く無くて、主人公・恋太郎がヒロイン全員のことを真剣に想っているのが伝わってくるんだよね。何故か一周回って誠実に見えてくる不思議。

そしてもう一つ本作の魅力としてヒロイン同士もすこぶる仲が良く、いがみ合ったりするどころか誰かが困ってる時は迷わず手を差し伸べてくれるのが好き。羽香里を助けんとする恋太郎ファミリーには不覚にもグッときたし、本気で心配してたが故の唐音の涙ながらのビンタには涙腺が緩んだ。全員が全員のことを大大大好きな幸せ空間が形成されていたのが微笑ましく、見てる此方も幸せな気持ちになれる作品だったように思う。

ヒロインは甲乙つけがたいけど、可愛さなら唐音で面白さなら羽香里かな。主人公にくすぐられてアヘ顔で嬉ションしそうになるヒロイン面白過ぎる。

最後には新ヒロイン達もチラ見せした上で第2期決定とのことで今後の展開が気になるところ。流石にまともに100人まで増えはしないだろうけど、絡みが増えて賑やかになれば面白さも増していきそうなので楽しみにしています。

 

 

7. アンデッドアンラック

 

最高の死を望む不死(アンデッド)・アンディと生身で接触した相手に不運をもたらす不運(アンラック)・風子が出会うところから始まる予測不能の"否"王道バトルアニメ。

本作の魅力は個性豊かな能力者達バトルで、"何か"を否定している否定者達の能力を軸に展開される駆け引きが見所。自身の身体を武器にして戦うアンデッドや隕石を落とすレベルのアンラックといった豪快な戦いっぷりだけでなく、頭脳戦の一面もあることで戦闘が単調にならずに楽しめた。

またメイン二人は個々の魅力は然ることながらその関係性も味があって、最初は風子のことを不死の自分を殺してくれる存在としてしか見てなかったアンディが徐々に惹かれていくのがたまらない。印象深いのはvsヴィクトルでのキスシーンで、特大の不運を起こす為のキスだけど決してそれだけではない感情が溢れてる二人の表情や、二人の特別な時間であることを強調する静寂が素晴らしくて大好き。その後の病室でのシーンも演出バチバチに決まってて9話は完成度高かったと思う。

たまに回想が多かったりでテンポの悪さを感じる時があるのが若干気になるけど、アンディの過去や壮大な世界観etcとまだまだ引き出しありそうだし、噂によると伏線回収も結構あるらしいので期待したい。2クール目も楽しみ。

 

 

8. SHY

 

各国の代表ヒーローが平和を守る世界で、恥ずかしがり屋の日本代表ヒーロー・シャイを始めとしたヒーロー達と謎の敵対組織『アマラリルク』との闘いが描かれる。

本作の魅力は主人公・シャイのヒーロー性。普段はその名の通り恥ずかしがり屋で内気な少女なんだけど、ひとたび変身すると闘志を燃やして全力で戦い周囲の人々の涙を拭っていくTHE・ヒーローになるギャップがたまらない。欲しい時に欲しい言葉をくれるというか、相手の心に寄り添って優しく掬い上げてくれるもんだからこんなのファンになっちゃうよっていう。

本作は愛や優しさ、またその継承がベースの考え方としてあって、そこからくる温かさが好き(主人公がCV:下地紫野なので「優しさのSHINING LINE*だ…」などと勝手に思っていた)。特に母からの愛情を確かに受け継いで立派なヒーローになったペペシャにはグッとくるものがあって、後悔と自責の念に駆られ悲しいすれ違いをしてしまった母との和解には涙腺緩んだ。普段は酔いどれお姉さんなのにズルいよ…。

シリアスブレイカーなクフフさんを筆頭に敵側の描写がまだフワフワしてて地に足着いてない印象はあるんだけど、その辺りは制作決まった続編(というか実質分割2クールっぽいが)次第かな。また楽しませてくれることを期待しています。

 

 

9. アンダーニンジャ

 

極秘裏に暗躍する2つの忍者組織、NINとUNの暗闘を軸に描かれるサスペンスアクションアニメ。

本作の魅力は全編に漂う濃さマシマシのシュールっぷり。苗字ランキング拘り男(主人公)・母乳おじさん・加齢臭フェチ女etcとキャラが濃すぎる登場人物達も然ることながら、戦闘に使用される兵器も多種多様で、宇宙から照射されるレーザービーム・ダンボール人型ロボ・ドローン刀etcとカオスが極まっていて面白い。またシリアスな展開で緊張感持って見てたらさらっと挟まれるギャグがシュールで笑ってしまうのがズルい。

謎多き世界観に加えて序盤は時系列シャッフルもあって余計に何が何だか分からなかったんだけど、その展開の読めなさがむしろ興味を持って視聴させてくれたように思う。飄々としてて底知れない主人公・九郎が特にそうだけど、次は一体何をしでかしてくれるのかが気になってどんどん引き込まれていった。

そして決戦の幕切れがまさかまさかの展開で、これは続きが見たくなってしまう。アニメ続編は流石に無さそうだし原作読んでみたい。

 

 

10. ウマ娘 プリティーダービー(3期)

 

キタサンブラックを主役に据えて描かれるウマ娘3rd season。

今シーズンで良かった点はまずキタサンのライバル・サトノダイヤモンドの勇姿。GⅠで勝てないサトノ家のジンクスに苦しめられつつも、その名の通り強靭な精神で決して挫けない姿には心打たれたし、悲願の初勝利でこれまで堪えてきた感情が決壊して子供のように泣きじゃくるダイヤには涙腺が緩んだ。その後もキタサンの好敵手として良い立ち位置を確保していて主人公に次ぐ活躍だったと思う。

次に印象深いのは12話のシュヴァルグラン回。決して届かない眩しい存在であり、それ故にずっと背中を追わせてくれた目標でもあり…そんなキタサンがいなくなってしまう悔しさや寂しさは共感出来たし、複雑な感情の集大成である「君が好きだ」の叫びはグッときた。正直掘り下げの積み重ねは不足していた感もあるんだけど、心境とシンクロした歌詞の挿入歌と共に、これまでの感謝とこれからの決意を返すかのような渾身の走りは刺さった。シャインポストもそうだったけど夏吉ゆうこさん歌唱力お化けで好き。

引っ掛かった点はキタサン描写のチグハグさで、ピークを迎えた…というには敗北が目立っていて全盛期が感じられなかった。また結果的にはGⅠ7勝という快挙を成し遂げた最強クラスのウマ娘にも関わらず、作中で天才ではなく凡人扱いだったのも噛み合ってない気がしてて、制作側でも扱いが定まってなかったように思う。

あと(おそらく)史実を優先してしまったが故に全く描写の無かったウマ娘が勝利するという、作劇として腑に落ちない結果が散見されたのが残念。色々難しいんだろうけど史実を完全再現する必要ないのではと素人目線では思っちゃう。

他にも各話の構成・レース展開が単調気味で変化に乏しかったことや、他のライバルは影薄めだった割にダイヤの凱旋門賞がサラっと流されたこと等々、不満点も目立つシーズンになってしまったかなと。

次作は劇場版みたいだけど果たしてどうなるか。地力のあるシリーズではあるので期待したい。

 

 

11. SPY×FAMILY(2期)

 

言わずと知れた人気シリーズの2nd season。

2期の軸である豪華客船編では特殊な背景を持つ主役3人がそれぞれのアプローチで奮闘するという本作の強みが出ていたように感じてて、特に暗殺者設定が浮きがちだったヨルさんの活躍が見れたのが今までにない味わいで良かった。今まではただ強いだけだったのが、家族を守る為に戦う(というにはバイオレンスが過ぎるがw)母としてのキャラが確立された意義深いシーズンだったように思う。着せ恋最終話を彷彿とさせる鮮やかで美しい花火を背景に敵をなぎ倒していくヨルさんは単純に映像としても見応えがあり、33話はお気に入り。

他の回も大きな波こそ無いもののコンスタントに笑わせてくれて安定感あったかなと。ステラ獲得の話はどこいった感あるけど、それが無いと成立しない作品でもないから固執する必要はなさそう。続編やるならまた見ます。

 

 

12. 薬屋のひとりごと

 

人攫いにあって後宮に下女として売られた薬師の少女・猫猫(マオマオ)が後宮を舞台に様々な事件を解決していく謎解きミステリー。

本作の魅力は小気味よく繋がっていく謎解きで、散りばめられた情報を基に事件の全容を組み立てていくのが見てて心地よい。またドロドロな後宮を舞台にしているだけあって真相に苦味が伴うことが多く、"ひとりごと"という表題通りあくまで猫猫の推定として断定しないような締め方も相まって絶妙な味わい深さがあった。この辺りのテイストは氷菓に似てる気もする。

あとは単純にキャラクターとして主人公の猫猫が魅力的だった。薬屋としての知識を駆使したカッコいい一面を見せたかと思えば毒見でテンション爆上がりして顔を蕩けさせたり、執拗に粘着してくる壬氏様に翻弄されたりと基本は冷静で落ち着いてるんだけど意外と表情豊かなのが面白い。千変万化な感情を見事に演じ切ったCV:悠木碧もハマり役だった。薬屋としての知識無双や周囲下げが過ぎるとなろう感強くなってしまいそうだけど、今のところ怪しかったのは4話ぐらいであとは丁度いいスパイスになってるかなと。

2クール目も連続してあるということで、引き続き追いかけます。

 

 

13. 16bitセンセーション ANOTHER LAYER

 

美少女ゲーム大好きなイラストレーター・コノハが黄金時代の名作「同級生」のパッケージを開き、そのゲームが発売した過去にタイムリープをしてしまうところから始まるオリジナルアニメーション(一応原案はある模様)。

本作の魅力はタイムリープを軸にした息もつかせぬ展開で、ゲームを開封すると発売年にリープする設定を活かして次々と時代を移り渡っていくのが特徴。今となっては珍しくもないリープものだけど、急に現代に戻ってしまったり、コノハじゃなく男主人公の守がリープしたりと意表を突いた脚本で飽きさせなかったのは凄い。引きもバッチリ気になるところで決めてて、誰も先を知らないオリアニの強さを発揮してたと思う。8話の「想像」と「創造」をテーマにした概念的なエピソードも印象的だったけど、急にこういう話をぶち込めるのもオリアニらしくてワクワクできた。

他にも時代の移ろいと共に徐々に進化していくゲーム制作事情や、懐かしのタイトル群(登場作ではKanonぐらいしかやったことなかったが)等、今では下火なギャルゲー全盛期の匂いを感じ取れるノスタルジックさも魅力だった。

残念だったのはいつの時代にも普遍的に存在する創造力というクリエイターの熱量が軸にあったはずだけど、それがあまり感じられなかったこと。というのも先に述べた通り時代を転々とする関係上そちらの描写に時間が割かれてしまい、ゲーム制作描写が薄くなってしまっていたかなと。"熱は全ての可能性"という台詞もありそれ自体は納得出来るものの、作中描写とのリンクが弱く感じた。

あと「コノハが過去で得た経験を基に未来でどう生きていくか」を(勝手に)期待していた自分としては、そこはあまり主眼に置かれてなかったのが物足りなかった。

とは言え爆発力を秘めたオリアニをリアルタイムで見届ける楽しみは唯一無二なので、これからもオリアニには頑張って欲しい。

 

 

14. カノジョも彼女(2期)

 

2股系ラブコメ第2弾にしてまさかの今期2枠目で日本が心配。

主人公・ヒロイン共に常識外れのアホ達で構成された愉快なコメディだった1期に対し、その味は残しつつも一風変わった様相を見せた2期。

というのも2期の主役は今シーズンからヒロインとして本格参戦した紫乃になっており、彼女の内面が深く掘り下げられることになった。ずっと密かに抱いていた淡い恋心が肥大化し、自身でも制御不能になっていく…抑えなければいけないと頭では分かっているのに、心がそれを許してくれない。恋心と友情の間で葛藤する姿が切なく、最後にやっと想いを打ち明けられたシーンにはグッときた。怒るのではなく、気付けなくてごめんと号泣するサキサキがまたいい子でさ…無人島から直也が帰還するシーンでも直也のことが本気で好きなことが伝わってくる泣きっぷりが魅力的だったし、本当良い彼女だよね。アホだけど。

ただ紫乃の恋心は見応えがあった一方で、本作はスタートがそもそも二股から始まってる倫理観度外視コメディなので、真面目な恋愛模様を描かれても…というチグハグ感が若干あった。まぁ100カノとの差別化は出来てたから結果的には良かったかも?また続編やるなら見ます。

 

 

15. アイドルマスターミリオンライブ!

 

ご存じアイドルマスターシリーズのミリオン編。ミリオンのゲームは未プレイ。

本作の魅力は個性豊かなアイドル達。…と言いたいところなんだけど、残念ながらその魅力は伝わりきらなかった。とにもかくにも数が多過ぎるのが問題で、脚本が悪いというよりシンプルに39人ものアイドルを12話で描くのはそりゃ無茶だよと。この絶望的な数字差からするとグループ毎で分けて見せ場作ろうとしたりで健闘してたとは思うんだけど、最終話の連続ステージで名前すら浮かんでこないキャラがいるのは致命的と言わざるを得ない。先輩として初代765プロメンバーが出てくるのは感慨深い一方で、存在感が完全に食われてしまっていた。

一番印象に残ったのは10話の静香回で、幼い頃に他ならぬ静香父自身も元気を貰っていたことに気付く回想からの「…それならよく知っています」が温かくてグッときた。

キャラ単体で言うと亜利沙のリアクションやら声がオジサン臭強くて好き。常にグヘグヘしててもはや声から涎出てる勢いなのが笑う。

4月からシャニマスのアニメ化も決まってるけど、人数的にはミリマスよりやりやすいと思うので期待したい。

 

 

16. るろうに剣心(2クール目)

 

昔の名作漫画リメイクシリーズで原作既読なので特に語ること無し。

雷十太3話、津南2話、アニオリ2話と正直内容は薄めで箸休めのクールだったかなと。原作既読組としては雷十太みたいなちょいキャラにスポット当ててくれるのはむしろ嬉しいんだけど、新規組がついてきてくれてるか心配ではある。

vs斎藤は名言連発で盛り上がるものの、原作でも名シーンの1つだから順当といったところ。斎藤一とかいう男カッコ良過ぎなんだよな。あと序盤を改めて見てると思うけど、何だかんだ抜刀斎モードが出て来るとアガるね。

少なくともvs志々雄の京都編までは作ってくれるのは素直に嬉しいし楽しみ。引き続き追いかけます。

 

 

17. シャドウバースF(6クール目)

 

今シーズンで印象深い戦いは2つあって、1つはルシアvsミカド。

立て続けに敗北し、負けることが怖くなってしまったミカドの追い詰められっぷりが真に迫っていて見応えあった。そこから「弱い自分を乗り越える」と再び立ち上がる姿が熱く美しかったし、本作は一貫して敗北を価値あるものとして描いているところが魅力なんだけど、その良さが出てたと思う。

もう1つはヒイロvsライトの新旧主人公対決で、強者として立ちはだかる成長したヒイロは感慨深いし、ポセイドン伊達政宗のお馴染み最強コンボはシャドバおじ歓喜だし、何よりお互い純粋にシャドバが好きで楽しそうにプレイしてる姿が良かった。

以降はアークを絡めた世界観に切り込んでいく話になりそうだけど、その辺りは正直あまり期待していないので程々にして欲しいがどうなるか。

 

 

【総評】 

以上、計17作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(気持ち左右差あり)。


S(歴代上位) : 該当無し
A+(クール最上位):  > オーバーテイク フリーレン MFゴースト 呪術廻戦  Dr.STONE 
A(クール上位) : アンデッドアンラック SHY アンダーニンジャ > ウマ娘 SPY×FAMILY 薬屋のひとりごと 
B+(中の上) : > 16bitセンセーション カノジョも彼女
B(中) :ミリオンライブ るろ剣 シャドバ >

 

評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

今シーズンのBEST回は葬送のフリーレン第9話『断頭台のアウラ』でした。これは言わずもがなだと思うので詳細割愛。

 

全体感としては良作が多いものの、頭一つ抜けたものは無かった印象。

他には盾と勇者の3期も見るつもりだったんだけど2期がハマれず+今期の数が多くて断念。正直1シーズン10作品ぐらいが丁度良い感あるんだけど、供給豊富過ぎてそれを許してくれないのが悩ましい…20作品以上とか見てる人本当に尊敬する。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

冬アニメは例の如く追えてませんが、TL見ている感じだと普段見ない異世界転生系が多くて視聴数は減りそうかな?気になった作品を順次チェックしてまた感想書いていきますので、今年もよろしくお願い致します。


それではまた。

 

2023年夏アニメ総括感想

 

 

 



 

お久し振りでございます。

気付いたら1ヶ月以上アニメ感想呟いていませんでしたが、生きてます。

 

遅まきながら今期も全て見終わったので感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです!
気軽にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう!

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

 

【目次】

1.BanG Dream! It's MyGO!!!!!

2.呪術廻戦 懐玉・玉折(2期)

3.彼女、お借りします(3期)

4.蒼穹のファフナー THE BEYOND(3期)

5.好きな子がめがねを忘れた

6.AIの遺電子

7.るろうに剣心

8.無職転生(2期)

9.わたしの幸せな結婚

10.アンデッドガール・マーダーファルス

11.シャドウバースF(5クール目)

総評

 

 

 

1. BanG Dream! It's MyGO!!!!!

 

リアルな人間の感情を描くガールズバンドアニメ(公式)。今期の個人的No1はこの作品となりました。

まず初めに言っておきたいのは、バンドリシーズを題しているが基本独立してるのでこれまでのを見て無くても全然大丈夫です。自分もバンドリは初代の1期しか見てないので、シリーズ見てないのを理由に避けてる方は一度見てみることをオススメします。

本作の魅力は人間臭い登場人物達が剥き出しの感情をぶつけ合うところで、1話開始3分のギスギスしたやり取りで一気に惹き込まれていったのが懐かしい。『ドロドロ、ぐちゃぐちゃ。それでも。』というキャッチコピー通りメンバー達はすれ違いやいがみ合いを繰り返すんだけど、そこでは等身大の感情が描かれている。迷って、ぶつかり合って、傷だらけになって、"それでも"懸命に生きる彼女達の姿を見てるとこちらもどんどん感情移入してしまう。主要5人はハッキリ言って色々と難アリなところもあるんだけど、そういう不完全さを持ち合わせているからこそ愛おしく感じられた。

あと本作で好きなのは失敗を、過程を肯定してくれるところ。1話の「またダメにならないように頑張れば良くない?」から始まり、「迷子でもいい、迷子でも進め!」で終わるところまで一貫してテーマになっており、転んでしまった人に手を差し伸べて絆創膏を貼ってくれるような温かさが根底にあった。ギスギスしていると評されることも多いけれど、一癖も二癖もある彼女達を受け入れてくれる懐の広さも含めて本当に温かい作品だったように思う。

ストーリー面に触れておくと、序盤は前バンド・CRYCHIC解散という大きな気になるイベントを軸に展開させつつ、そよさんが感情を爆発させた7話から緊張度が一気に増して目が離せなくなった。というか最後まで見てから改めて7話を見ると祥子の涙が一層辛くて…本当はこの手を離したくなかったのに、もう自分の手の届かないところにいるのをまざまざと見せつけられるの切な過ぎる。他の回もそうなんだけど、祥子に注目してもう一周すると色々と発見があってまた違った趣があるんだよな。そして修復不可能に思われた関係も、全ての始まりでもある燈が紡ぐ言葉で、心の叫びで、MyGOという一つの形を成していくのは納得感あって良かった。

キャラも本当に魅力的で皆好きなんだけど、特に一番迷子だったそよさんには心を動かされまくりだった。復帰後の絶妙な感情も解像度高くて、本作は表情表現が凄く良いのも相まって共感してしまう。お調子者な愛音との絡み好き過ぎるから無限にして欲しい。剥き出しの自分を受け入れられるようになったラストもグッとくるものがあり、これまでの経緯を思うと感慨深いものがあった。

最終話ではこれまであまり触れてこられなかった祥子にも焦点が当たり、そのまま続編発表があって嬉しい限り。祥子は勿論のこと睦の心の内も気になるところなので、更なる感情のぶつかり合いが見れることに期待したい。というか祥子と睦は頼むから幸せになってくれ…。

 

 

2. 呪術廻戦 懐玉・玉折(2期)

 

大人気シリーズとなった呪術廻戦の2ndシーズンで、夏クールは過去編である懐玉・玉折と渋谷事変の触りといった構成。

まず懐玉・玉折について、これがべらぼうに良かった。本作は五条悟の最強っぷりが魅力の一つなんだけど、常に冷静な五条がまだ"青かった"時代が描かれることで、彼の人間的な部分が垣間見えることとなった。全て思い通りに出来そうな力を持っている五条悟がどうにも出来なかった夏油傑という存在…夏油の絶望も、それを止められない五条の歯痒さも痛い程伝わってきたし、爽やかなOPとのギャップがまたクるんだよなぁ。劇場版で結末を知ってるから尚の事切ないものがあった。

渋谷事変についてはまだ始まったばかりというところだけど、やはり心奪われるのは五条の無双っぷり。特級呪霊が束になっても敵わない、常に相手の予想を超えていく戦いには興奮するなという方が無理というもの。無量空処からの殲滅とか表現難しかったんじゃないかと思うけど、目にも止まらぬ速さで行われたことが伝わってくる迫真の映像で素晴らしかった。またそれだけじゃなくて(偽)夏油との再会で心が揺れるところも味があって、脳裏を駆け巡る夏油との思い出が、魂が、目の前の存在を否定する…五条にとっての夏油は何者にも代えがたく、"今でも青が棲んでいる"のだなと。五条は過去編を経て一層魅力的なキャラになってて、そういう意味でもやっぱ最強だよこの人。

と言いつつ第2クールは虎杖達の活躍も見れそうでそちらの方も楽しみ。引き続き追いかけます。

 

 

3. 彼女、お借りします(3期)

 

ダメダメ大学生・和也と色々な彼女達が織り成す大人気ラブコメ第3期。

3期は「千鶴が出演する映画を小百合婆ちゃんに見せるべくクラファンでの映画製作に挑む」というストーリーの軸がハッキリしていたので見やすい構成だったかなと。2期で片鱗を見せ始めていた和也の頼もしさが更に1ランク上がり、逆に千鶴は弱さを持った女の子の側面を見せるようになった。そんな千鶴のことをただ好きだという気持ちでは足りず、支えたい、守りたいという愛おしさが溢れる和也には共感しまくりだったし、そんな和也のお陰で悲しみを乗り越えられた千鶴を見てるとこちらまで幸せな気持ちで満たされた。自分は和也が千鶴のことを"君"と呼ぶシーンが好きで、レンタル彼女である水原だけじゃなくて普段の一ノ瀬も含めた全ての"君"へ向けられているようで、その想いの大きさに泣きそうになる。

恋愛面でも千鶴のメインヒロイン力は相変わらず圧倒的で、"好きじゃなくもない"なんて台詞が出たり、二人の旅行では意識しまくりで寝れなかったり、自然と楽しそうに和也のことを語ったり…ちょっと不本意さを滲ませながらも確実に惹かれている言動の数々には存分にニヤニヤさせてもらった。

ただ3期はちょっと引っ掛かった点もいくつかあって、クラファン編前半の映画作りについては割とすんなり進行して2期終了時の期待値は越えなかったのが正直なところ(小百合婆ちゃんとのエピソードは盛り返してくれたが)。またストーリーの軸が千鶴に固定されたことで他ヒロインの影がかなり薄くなってしまったのも仕方ないとは言え少し寂しい気がした。特に麻美ちゃんとかほぼ出番無かったし…最後は思わせぶりだったけど今後何かしでかしてくれるのだろうか。あと文字演出自体は前からあったけど、方針が変わったのか今期は相当過剰だったと思う。

そして今期から登場したみにちゃんについては賑やか&楽しいキャラで、ギャグ成分を補充してくれる貴重な存在だったかなと。ただ中々一歩踏み込めない二人を強引に近付ける起爆剤として機能していた一方で、外から関係性を明示するのは自覚していく過程が大好き侍としては若干野暮な気もしたり。

とまぁお気に入りのシリーズなだけに気になるところもあったんだけど、後半、特に最終回がかなり刺さったので最終的な満足度は高め。4期発表は無かったけど、また来年か再来年の夏に絶対やってくれると信じてます。というかやって下さいお願いします。

 

 

4. 蒼穹のファフナー THE BEYOND(3期)

 

1期からすると約20年続くファフナーシリーズの完結編。

主人公が転生した子供の総士というまさかの新章ながら、見終わってみるとファフナーを完結させるにはこの存在が不可欠だったのかなと。ファフナーと言えば常に誰かの犠牲の上に成り立つ物語で、身体を蝕まれても、大切な人を失っても、それでも平和な日常を手にすべく戦う。視聴者だけでなく作中キャラも、そういうものだと思ってしまっていた。美羽が自身を捧げようとしていても誰も止めなかったように。

そんなファフナーの世界に「いつまで同じことを繰り返す気なのさ…!」と総士は叫ぶ。こんなものは受け入れられないと、子供のようなワガママを。

ファフナーを象徴する一騎と直接ぶつかって超えていく第11話をもって、「幸せの為に必ずしも犠牲が必要ではない」という当たり前と言えば当たり前な、でも過酷な戦いを経験してきた島民達には無かった価値観を与えてくれるのは納得だった。強引さもあるけれど、過去に囚われない総士という純粋な存在が必要だったんだと思う。

惜しかったのは敵サイドに魅力が乏しく感じたところ。マリスの目的が美羽を同化させたくないというのもスケール小さいし、総士の言う通り「早く言え!」って感じなんだよな。あとこれは完全に自分が悪いんだけど、EXODUSから8年経過してる故にキャラとか設定とか色々と忘れてて、過去シリーズを活かした展開には感情移入しきれなかった。2期までは一気見したから問題なかったけど、用語とか多いのもあって時間経つと全然覚えてないなと…wikiとか見ながら見てたけどついていけない所あったのは残念。

何にせよ長く続いたシリーズがきっちり完結まで描かれるというのはそれでも素晴らしいことだと思う。制作陣の方々に祝福のあらんことを。

 

 

5. 好きな子がめがねを忘れた

 

いつも眼鏡を忘れてしまう天然女子・三重さんとちょっぴり奥手な中学生男子・小村くんが織り成すラブコメディ。

本作の魅力はまずメインヒロインの三重さん。ド近眼であるが故に距離感が近く、無自覚に小村くんを翻弄する天然っぷりが良い。そして物語が進むにつれて徐々に小村くんへの想いが強まっていくのがまた良くて、最初は無邪気にしてた言動に照れが混じっていくのは天然ヒロインならではの味でニヤニヤしてしまった。若山詩音ボイスも至高。

主人公の小村くんについては三重さんの一挙手一投足が気になって仕方ないTHE・思春期真っ盛りの中学生男子な思考回路が解像度高くて、中々にキモい(褒めてます)心の声には何度も笑わせてもらった。

ベースとなる眼鏡を忘れまくる設定は流石に無理があるんだけど、「ねーよwww」って感じでギャグとして観れたので特に問題なし。ずっと見えていなかった小村くんの表情を見て小村くんの気持ちに気付く9話など、見えないことを活かしたストーリー展開もあったりで巧かったと思う。

1話はクセのあるヌルヌル作画で若干とっつきにくい印象もあったんだけど、瑞々しくてどこかこそばゆい、中学生らしい恋愛模様が進展していく良質なラブコメだった。

 

 

6. AIの遺電子

 

AIが発展し、人工知能を有するヒューマノイドが同じ人間として総人口の1割として生活する未来でのドラマを描くSF作品。

本作の魅力はAIやヒューマノイドを軸にしたメッセージ性の強さで、記憶・感情・性格と言った人間らしい要素を意図的に弄ることが出来てしまうが故に葛藤が生まれ、「人間らしさとは何なのか?」を視聴者に提起してくるのが興味深い。例えば5話とかお気に入りで、難ありな性格だがその分ピアノに情熱をかけていた少年の性格を矯正した結果人間関係は良好になったが、どこか張り詰めたピアノの音色は昔と変わってしまうのとか考えさせられるテーマで好き。あと8話は個人的ベスト回で、リサの"ずっと友達"とか"恋してるサバちゃんが好き"という紛れもない本心が、サバちゃんの決して叶わぬ恋を強調してるのあまりにも切なくて涙が零れてしまった。辛くて消したくなる面倒臭い感情だけど、その面倒臭さこそが人間の魅力なのだと訴えかけてくるのがまた良い。

更に面白いのはAI文明を悪として描くのではなく、上手く共生していくようなエピソードも描かれる点。ChatGPTやAI画像生成etcと最近のAI技術の進歩は更に加速している印象で、本作のような世界がファンタジーでなくなる未来もそう遠くない気もする中、人類はどのように共にあるべきか?を問われるのは真に迫るものがあった。

惜しむらくは基本1話につき2本の短編という構成上、積み重ねからくるような劇的なドラマは無かったことかな。深さよりも種類(観点)を重視してるから当然だけど。あと主人公である須藤先生の母を巡る物語については全く解決せずに終わったのもちょい残念。ヒロインのリサはCV宮本侑芽も相まって可愛くてグッド。

SFでありながらどこか現実味を感じる不思議な作品でした。

 

 

7. るろうに剣心

 

古き良き名作漫画のリメイクシリーズ。自分は原作既読で旧アニメ未視聴。

自分にとってのるろ剣はオタクになり始めた頃に買って何度も繰り返し読んだ思い出深い作品で、今回のリメイクは楽しみにしていた。

展開どころか要所の台詞も覚えてるので全然目新しさは無いんだけど、何もかもが懐かしくて心が躍ってしまう。何ならもう喜兵衛が出てきた瞬間笑ってたし、vs刃衛とか鮮明に覚えてて台詞の答え合わせ的な楽しみ方をしてた。

原作に忠実に作られていてファンに優しいだけでなく、要所でアニオリを挟んでくれるのも嬉しいポイント。技名の無かった白刃取りが飛天御剣流唯一の徒手空拳技・龍咬閃になってるのカッコいいし、御庭番衆が確かな居場所になってた般若の回想シーンとか泣けるし、観柳がガトガト言いながらガトリング撃ってるの面白過ぎるし…というか観柳は演技が荒ぶりまくりで全ての台詞が笑えるwCV:真殿光昭さんGJ。薫殿も原作より更に可愛く感じるのはCV:高橋李依の力が大きいと思うし、声優はつくづく偉大だなと。

どこまでアニメ化してくれるのか知らないけど、少なくともvs志々雄まではやってくれると思うので今後も楽しみ。

 

 

8. 無職転生(2期)

 

エリスとの手酷い別れを経験して失意の底にいるルーデウスという重たい開幕で迎えた2ndシーズン。

泥沼編、学園編共に軸はED治療とふざけているようで、当のルーデウスにとっては真剣な悩み。最後まで見ると真摯に向き合い立(勃)ち直る物語だったんだなと。踏み込むのが怖かったけど勇気を出して気付いて貰えたシルフィの嬉しさや、今までのトラウマとは違う幸せな朝を迎えられたルーデウスの涙と、終盤はグッとくるポイントもあった。

ただ正直1クール使う程の内容だったかと言うと疑問で、学園編で出会ったケモ耳少女達やクリフ等の人物が少なくとも現時点で必要性が薄く、横道に逸れてると感じることが多かった。物語の核心に迫る9話のナナホシ回はワクワクしたし、もっとそっちの話も見たかったというのが本音。あとエリスがまだ忘れられていない自分としては、シルフィと結ばれるENDに「エリスは…?」と辛くなってしまった。逡巡とか一切無かったから余計にそう思う。2クール目で胸中語られるかもしれんが…。

いずれにせよ期間を空けての2クール目があるということで、そちらに期待したい。

 

 

9. わたしの幸せな結婚

 

継母達から虐げられて育った少女・美世が孤高のエリート軍人・清霞と出会う所から始まる、愛と異能が紡ぐ異色のシンデレラ・ストーリー。

本作の魅力はまず美麗な映像で、鮮やかで色彩豊かなアニメーションには思わずうっとりしてしまう。OPとか見てるだけでもクオリティの高さを感じられるし、全編通して作画も高水準で保たれてて一度も不満に思う瞬間が無かったのは凄い。それだけでも一見の価値があったと思う。

またメイン二人の関係性も見所で、とんでもなく自己肯定感が低かった美世が虐待にも屈せず自らの強い意志で清霞との道を選ぶようになっていったり、抱え込み過ぎずに時には頼るのも家族なのだと気付いたり…斎森家のどん底スタートからタイトル通り幸せな結婚への道を歩んでいくシンデレラストーリーだったなと。夫である清霞も美世への愛情が溢れていて見ているこちらも旦那様と呼びたくなるというか、ここまで想ってもらえる美世の幸せはこれ以上ないくらい伝わってきた。

ただその反動なのか、清霞が美世に惹かれる過程がもう少しゆっくりであって欲しかったように思う。冷酷男()から変わるの早過ぎて都合の良さを感じてしまったかな。

あと話題になりがちな異能についてはどちらかと言うと肯定派。違和感はあったけどちょっとシュールで笑えたりしたし、綺麗過ぎる物語にアクセントをつける為には必要な要素だったと思う。

そしてうざねること香耶は徹底された素晴らしい悪役っぷりかつオシオキのされっぷりまで完璧で前半の面白さを支えていた。あやねるにああいう意地悪いキャラを演じさせたら合い過ぎてて笑ってしまう。一方で終盤の薄刃の異能を巡る騒動では新の心変わりが急過ぎるように感じてちょっと残念。

万事解決でハッピーエンドと思いきや2期も決まったということで。何をやるのかなと言う気もするけど、また見ます。

 

 

10. アンデッドガール・マーダーファルス

 

怪物専門探偵<鳥籠使い>一行が不死の生首少女・鴉夜の失われた体を取り戻すべくヨーロッパを巡り事件を解決していく笑劇(ファルス)。

本作の魅力は軽妙な台詞回しで、鴉夜の体が無いことや不死であることを活かした掛け合いがセンス抜群。例えば"無駄骨を折ってる"なんて悪態をつかれると"あいにく体を痛めることはありませんが"みたいにサラりと返してくれるオシャレさが好き。探偵である鴉夜のCV:黒沢ともよがまたハマってて、流暢な推理パートは聞いてるだけでも耳が心地良かった。

なので自分としては掛け合いや推理が好きだったこともあり、逆に本作のもう一つの特徴である戦闘シーンに関してはあまり惹かれなかったかな。度々混戦が繰り広げられるんだけど、戦闘になると基本的に鴉夜は蚊帳の外になってしまうのが残念だった。戦闘作画がずば抜けてるとか戦い方が斬新とかそういうのも別に無かったしね。

とはいえキャラとしても不死の生首探偵という設定特盛な鴉夜だけでなく、生意気な軽口を叩く津軽と冷静で鴉夜様ファーストな静句含めたメイン三人衆のバランスが良く安定感あったので、基盤がしっかりしていたと思う。良作でした。

 

 

11. シャドウバースF(2期5k)

 

vsセブン・シャドウズがメインの5クール目。

一番の見所はミカドvsヒイロで、前作主人公のヒイロが本気ドラゴンではなくネメシスで戦うのも強者感あって良いし、弱さを切り捨ててきたミカドに対して破壊されたフォロワーを力に変える初期ネメシスのフィニッシャーであるサフィラが決めることで敗北を意味のあるものだと教えてくれるの完璧過ぎた。挿入歌・灯火も熱くて見た後はしばらく興奮冷めなかった。

他はスバルvsカグヤの兄弟対決かな。カグヤがずっと抱えていた本心を打ち明けるのはグッときたし、仮面を取って真正面からぶつかるスバルとシンクロするマスカレードゴーストシンシアでフィニッシュするのが熱かった。あとリョウガとデモニアのコンビが可愛くて好き。

まだまだドラマを見せてくれそうなので今後も楽しみです。

 

 

【総評】 

以上、計11作品となりました。


個人的段階別評価はこんな感じです(不等号含めて左右差あり)。


S(歴代上位) :MyGO
A+(クール最上位): 呪術 かのかり
A(クール上位) : ファフナー 好きめが > AIの遺電子 
B+(中の上) : るろ剣 無職 わた婚 アンファル
B(中) : シャドバF

 

割と適当かつ個人的な感覚なので参考程度に。

 

また評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

 

BEST回はMyGO7話「今日のライブが終わっても」。

物語の転機となる回で、唐突に始まってしまった思い出の春日影で否応なく壊れる対比脚本がエゲつないし(褒めてます)、祥子に感情移入すると涙無しでは見れない。

 

全体感としてはMyGOに出会えたのは大きな収穫であった一方で、ハマった作品数は少なく寂しいシーズンになってしまったかなと。視聴数としてはこれぐらいが丁度良いんだけどね。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

秋アニメは例の如く全く追えてないんだけど、TL見てると連休だろうが見切れないレベルで数がとんでもなく多いみたいで戦慄してる。いつも以上に皆さんの評判を頼りにしつつ追い付いていきたいと思います。

 

それではまた。

 

It's MyGO!!!!! 11話 感想

 

MyGO11話も面白過ぎてtwitterの制約上では語り切れる気がしないし、かと言って何も書かずにはいられないので、異例の2話連続ブログ更新。

 

今回は好きなシーンをいくつかピックアップして感想を書いていこうと思います。

 

・一生、一緒

「それでも、一生、やる…!」

「一生なんて、馬鹿みたい…!」

今まで"一生"が叶わなかったそよさんにとっては簡単に信じられない言葉であると同時に、最も信じたい言葉なんだろうなと…ボロボロ泣く姿に感情移入してしまった。

 

・愛音×立希

見栄っ張りな愛音、不器用な立希…でも何だかんだでお互いに認めてる二人の関係が心地良い。

 

 

 

前話でのそよさんへの対応もそうだけど、愛音の包容力というか、立希やそよといった癖のある人間を愛おしいと感じてる節があって、時折見せる優しい表情が凄く好き。

 

・そよの困惑

11話で感心したのはそよさんの感情に対する解像度の高さ。

あれだけのことをしてしまった以上いきなり仲良しこよしとは出来ないし、どう振舞ったらいいか分からない…そんな絶妙な距離感がたまらない。

 

 

"私なんかがここにいていいのかな…"と心の声が聞こえてきそうな表情が素晴らしい。

そしてそんなそよの様子を立希は見逃さない。

 

・私"も"最悪

 

「そよがCRYCHIC忘れられないこと…気付いてて、私も利用してた」

「だから、私"も"最悪」

 

そよが最悪じゃないとは言わない、言えるはずもない。でもそれでも構わないんだと。相変わらず言葉足らずで不器用なんだけど、立希なりの優しさにグッとくる。

 

思い返せば愛音も似たようなことを言っていた。

 

「ムカついたけど、そよさん"も"人間なんだなぁって思って」

 

裏表凄いし、嘘つきまくりだし、意地悪いところがある…ポイントは"も"で、立希も愛音もそよも、エゴイストという点で共通している。自分を押し通す人と捉えれば楽奈や燈もそうではないだろうか。

 

あの感動的なLIVEが終わった後でも一致団結とはいかず、集合写真では向いてる方向もバラバラで全く統一性がない。

 

 

 

でもこれでいいんだ。

こんな不揃いな彼女達だからこそ、一緒にいられるんだと思う。

MyGOらしさが詰まった写真で凄く好き。

 

・一生、迷子

「傷付かずに一生は…無理」

「傷だらけ、泥だらけになって、いっぱい藻掻かなきゃ…」

「それでも、皆と一生バンドやりたい」

 

静かに、でも力強く語られる燈の想いが響く。

 


同時に映される歌詞ノートが幾度も書き換えて(藻掻いて)作られた様子で、燈の言葉とリンクしてるのが良い。恥(失敗)をどう捉えるかは自分次第というAパートの台詞とも繋がってるのかも。

愛音が燈から貰った言葉を大事に保管してたのもエモくて、めげずにギター練習してた時とかもずっと心の支えにしてたんだろうなと…バンド名に繋がっていく流れも美しく何も言う事がない。

 

 

あと11話はギャグもキレキレでだいぶ笑わせてもらった。立希の「ともりん?」「あのちゃん!?」からの「えっ…」のところ好き過ぎて何回も見てる。

愛音と立希・そよの掛け合い面白過ぎるから無限にやって欲しい。

 

 

イラつき顔のそよさんからしか摂取出来ない栄養がある。

 

 

にしても最高に楽しめてるのに来週で終わりだと思うと寂し過ぎる…頼むから終わらないで欲しい。

叶わぬ願いを胸に、今日はここまで。

 

それではまた。

 

It's MyGO!!!!! 10話感想

 

色々と見所の多い回で全て語っているとキリが無いので、そよの感情変化に焦点を当てて少しだけ。

 

これまでのそよを振り返ると、家族からの愛情を充分に受けられず、初めての居場所になったCRYCHICは理不尽に解散…まだ終わっていないと縋りつきたくなる気持ちも分かるというもの。また舞台装置としてMyGOメンバーを見ており、愛音も楽奈もいらないと言う。裏返すとMyGOに自分の居場所は無いと思っていたはずだ。

 

それを今回、燈がひっくり返した。

 

燈からすればそよには裏切られたような気持ちも当然あるだろう(事実9話ラストでは真実を知って絶望していた)。

でもそれ以上に、燈はそよを"迷子"と称した。それは 詩超絆の歌詞にも表れている。

 

"昨日を握ったまま ズキズキ震えてる 痛い程伝わるから 君を離れない"

 

CRYCHICを引き摺ってるそよの辛さに寄り添いながら、ずっと一緒にいたいと真っ直ぐに伝えてくるのだ。

 

そりゃあ泣くよ。

居場所を失くした(と思い込んでいた)迷子のそよにとって、こんなにも嬉しい言葉は他にないのだから。

もしかすると、平常時の冷静な言葉だったら心は動かなかったかもしれない。

 

 

でも今回は違う。他でもない、心の叫びである燈の歌を通して伝えられたからこそこんなにも響いたのだろう。

身体の向きも完全にそよの方を向いていて、想いを届けたいという燈の意志が明確に感じられるのが素晴らしい。

 

 

想いが通じて今まで堪えてきた感情が決壊したように泣きじゃくるそよに、見てるこちらも涙を禁じえなかった…泣き顔の表情がまた良いんだ。

 

しかし最終話でもいいぐらいの回をやってしまって残りどうするんだろう。もう祥子や睦の掘り下げはないのだろうか。

百合豚的には赤丸急上昇中の愛音×そよ(素)を強めでお願いしたい。何でもしますから…!

 

 

 

祥子に怒られたので今日はこの辺で。

それではまた。