アニメ沼

アニメ沼

沼の底からアニメの感想をお届けします。

2024年夏アニメ 総括感想

 

 



 

 

夏アニメの総括感想を書いていると思っていたらいつの間にか12月になっていた。

何を言っているのかわからねーと思うが(ry

 

と言っても特に明確な理由があった訳ではないんだけど、最近リリースされたポケカ対戦ゲームのポケポケや、美少女版ガンダムVSシリーズと名高い(?)対戦ゲームの星の翼を新たに始めてしまったため、前回総括よりも更に遅れてしまったという感じでした。要するに自業自得なんだけど、前者は初期紙ポケカポケモンカードGBで遊んでいた人間として手を出さざるを得なかったし、後者も青春を捧げたと言っても過言ではないVSシリーズと似たゲームと聞くとこれまたやらざるを得ないよねと。ゲーマーとしては充実している一方でアニメオタクとしては不甲斐なく、何とかバランスを保っていきたい所存。

 

閑話休題

 

そんなこんなで今回総括も大幅に遅れたというわけですが、ようやく今期も全て見終わったので、感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう!

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

 

【目次】

1.2.5次元の誘惑

2.僕のヒーローアカデミア(7期2クール目)

3.義妹生活

4.負けヒロインが多過ぎる!

5.推しの子(2期)

6.烏は主を選ばない(2クール目)

7.化物語 オフ&モンスターシーズン

8.かつて魔法少女は悪と敵対していた。

9.小市民シリーズ

10.狼と香辛料(2クール目)

11.真夜中ぱんチ

12.逃げ上手の若君

13.SHY(2クール目)

14.シャドウバースF(8クール目)

総評

 

 

1. 2.5次元の誘惑

 

2次元キャラであるリリエルが大好きで筋金入りのオタクな漫研部長・奥村と、同じくリリエルをこよなく愛するコスプレイヤー・リリサが出会うところから始まる、熱血コスプレ青春ストーリー。

本作の魅力は、コスプレイヤー達を軸にした溢れんばかりの愛と情熱。特に自分の好きなものとなれば鼻息荒くまくしたてる、暑苦しい程のオタクな奥村&リリサが大好きで、やっぱオタクはこうじゃなきゃと思う。大衆に受け入れられる趣味ではないことは理解しつつも、自身の好きという衝動には抗えない…そんな純然たる姿は眩しかったし、共鳴する二人には憧れすら覚えた。リリサが自身の在り方に迷った時も、「自分だけが信じてれば良い」「(一人で信じ切れないなら)俺が隣でリリサを信じてる」という、自分が好きなもの・信じるものに一直線な実にオタクらしい言葉をかけてくれたのが嬉しくて、無限に頷いていた。

リリエルへの愛をコスプレで表現するっていうのがまた良くて、衣装への拘りは勿論、コアなファンしかわからないような連続ポージング等、あらゆるところからリリエルへの膨大な愛が伝わってくるのがたまらない。まゆらのROMが世界で一番大好きだと語るシーンもそうなんだけど、これ以上ないくらいに好きの感情が爆発していて、込められた熱量に思わず涙してしまう。

更には先生になるべくコスプレから離れたまゆらや、仕事としてコスプレをする中で種々のしがらみに囚われた753といった複雑な感情を抱えるコスプレイヤー達が配置されることで、対照的に純粋なリリサの輝きが一層増していたのが良かった。歳を重ねてくるとどうしてもあれこれ考えちゃったり、初期衝動が薄れがちだから、似た境遇であるまゆらや753に感情移入しやすかったのも嬉しいポイント。また753に関してはコスプレへの愛という、キャラ愛のリリサとベクトルは異なりつつもスカラーは負けず劣らずな熱量を持っており、応援したくなるキャラだったと思う。まゆらとのお互いがお互いを眩しく思っている関係性も素晴らしく、心で泣きながら原点へと立ち返る753には涙をこらえることが出来なかった。

序盤はちょっとお色気含めたコメディで、それはそれで楽しんでいたんだけど、中盤以降に熱さマシマシで一気に加速した印象な本作。続けて2クール目もあるということで、更に盛り上がっていくことを期待しています。

 

 

2. 僕のヒーローアカデミア(7期2クール目)

 

絶望的な壁として立ちはだかる弔&オールフォーワンを筆頭としたヴィラン連合に、総力戦で激闘を繰り広げるヒーロー達の構図で始まった第2クール。

悔し涙を流しながらもデクに追い付きたいと満身創痍で戦うかっちゃん、自分も迫害された身でありながらも負の連鎖を断ち切とうと「復讐者にならないでくれ」と叫ぶ障子くん等々、相も変わらず全員が主人公なのが素晴らしく、圧倒的な熱さに涙が零れてしまう。

ラブラバ&ジェントルやレディ・ナガンといったかつて敵対していたメンバーが窮地を救ってくれる展開には心が躍ったし、これが違和感ないのは敵を単純な悪として描かず、手を差し伸べてきた本作だからなのかなと。

そういう側面でトガちゃん回は屈指の出来で、喜ぶ顔が好きだからこそ涙に気付き、貴方の素敵な笑顔を無かったことにしたくないと真っ向から伝えるお茶子のヒーロー性が泣けるし、想いが通じて涙をボロボロ流しながら本心を吐露するトガちゃんにはこちらも涙を禁じえなかった。トガちゃんの「心が軽くなった」という表現がゼログラビティにかかってるのも好き。しかし"未成年の主張"回もそうだったけど、感情を爆発させるお茶子には泣かされっぱなしだ。

そして何より、かつて無個性だったデクへ「ヒーローになれる」と告げたオールマイトが、自身が無個性になった今でも闘うことで信念を体現するのがカッコ良過ぎて。A組の個性を武装として使ってるのも胸熱だし、「笑ってる奴が一番強い」を証明するかのように歯を見せながら立ち向かう姿には心が震えた。たとえ力を失ったとしても、この人は間違いなくヒーローなのだ。

ボルテージがMAXになったところでお預けなのは痛かったけど、ここからも最高潮に熱くなってくれるだろうから不安は一切無い。FINAL SEASON、楽しみにしています。

 

 

3. 義妹生活

 

父の再婚により義妹となった同い年の少女・綾瀬沙季と浅村悠太が出会い、二人の関係性が少しずつ変わりゆく日々を映す恋愛生活物語。

本作の魅力としてはまず雰囲気が抜群に良くて、義妹というワードから連想されるアニメ的軽さは一切なく、義兄妹として共に生活をすることになった二人の距離感を真摯に描いてくれていた。省エネ作画なだけかもしれないけど、家の描写も似た構図を繰り返し見せられることで、本当にこういう二人がそこで生活しているようなリアルさがあった(新居に来た沙季が照明の消灯を間違えるシーンには感心)。コメディ要素が削ぎ落されていたから余計にそう感じる。充分に確保された会話の間や、度々挟まれるモノローグも雰囲気作りに一役買っていて、徐々に感情が変化していく二人に没入することができた。

登場人物でいうとヒロイン・沙季がお気に入りで、自分と相手の気持ちを言語化する"擦り合わせ"を是としており、「本音を隠して言葉にしない人の気持ち、正直よくわからない」というスタンスだった彼女が、言いたくても言えない感情に芽生えていく様は見応えがあった。第7話とか特に顕著で、嫉妬という結論自体は分かり切ったものなんだけど、自身の感情にとことん向き合う葛藤っぷりが素晴らしかったし、前半の沙季のキャラもフリとして非常に効いていて惹き込まれた。妹だからと自分の気持ちを押し殺したり、それでもちょっとしたことですぐに溢れそうになったり…とにもかくにも、揺れ動く沙季にこちらも心揺さぶられた1クールだった。最後にはどうしたら良いか分からなくなってグチャグチャになる程の感情の嵐だったけど、同じ葛藤を抱えていた悠太とこれからの在り方を一緒に考えていくという、お互いに期待しない他人同士だった二人が家族(以上)になる締めは美しかった。

道中では5話の読売先輩の切ない負けヒロインムーブに思わず心が傾きそうになったりもしたんだけど、流石に沙季が強過ぎた。CV:中島由貴というと自分はデレマスの快活アイドル・乙倉ちゃんが思い浮かぶんだけど、イメージがガラリと変わったね。

映像面では作品的に動きは少ないながらも演出に気合が入っていたし、落ち着いたBGMも相まって静のアニメとして良く出来ていたと思う。

しかしなんというか、タイトルからは想像もできないくらい誠実な作品だった。感情の機微が秀逸だったから原作小説も気になってる。2期は無さそうだし読んでみたい。

 

 

4. 負けヒロインが多過ぎる!

 

恋愛ものにおいて定番の存在である、従来であれば日の目を見ない負けヒロインに焦点を当てた青春ラブコメ

本作の魅力はタイトルにもなっている負けヒロイン達。

まず1人目・八奈見杏奈。食い意地が張りに張ったバラエティ担当で、表情豊かに怨嗟の言葉を吐き捨てる負けインっぷりには随分と笑わせてもらった。八奈見さんが出てくるとそれだけで楽しくなってたし、本作の面白さを担うキーマンだったのは間違いない。『う゛わ゛き゛た゛よ゛!』は何回聞いても笑う(遠野ひかるさんGJ)。かと思えば、言ってはいけないことが分かっていても抑えられない好きの気持ちや、簡単には諦めきれない他ヒロインの切ない感情を負けインという似た境遇から掘り下げてくれたりで、つくづく本作に欠かせない存在だった。

続いて2人目・焼塩檸檬。元気いっぱいな陸上部のエースで、隠していた片思いが相談に乗る内に肥大化し、悪い子になってしまう自分を嫌悪するような、そんな良い子。臨界点を超えて溢れ出す感情が声に乗った若山詩音ボイスが素晴らしかったのと、アニメーションとしても、1話の杏奈(=負けイン)を彷彿とさせる入道雲や、叶わぬ夢を描いたED(これがまた切ない…)と絡めた、一瞬重なってもシンデレラの魔法が解けて残酷にもまた離れていく時計の針等、演出面が光っていたように思う。

ラスト3人目・小鞠知花。人見知りの小動物系ヒロインで、不器用ながらも一生懸命な姿には心を動かされることが多かった。お気に入りは告白してフラれた後の第4話で、「ちょっとの間だけ月之木先輩に勝った」という台詞を象徴するかのように線香花火が儚く消え、涙を見せる場面は胸がキュッと締め付けられた。他にも文芸部の部長として頑張ろうとしたけど上手く行かず、溜め込んでいた不安な気持ちが堰を切るように文章として流れるシーンは小鞠らしさも相まって心に響いたし、側にいて守ってあげたくなる魅力があった。

ただヒロイン達が粒揃いだったのは間違いないんだけど、一方でそれ故に、相対する主人公・温水に関しては若干物足りなく感じるところもあったり。ヒロインを立てる潤滑油としては上手く機能していたけれど、草介に食って掛かった4話みたいにもう少し主張するシーンが欲しかった。あと明確な恋愛感情までは至っていないとは言え、始まりだけぼっち陰キャオタクと思わせておいてあっさりハーレム形成してるのも受け入れがたいものがあった。え、お前が嫉妬してるだけって?それはそう。

とまぁ思うところもあったものの、楽しさと切なさを兼ね備えた良質なラブコメだったことは疑いようがなく、人気が出るのも納得でした。

 

 

5. 推しの子(2期)

 

言わずと知れた人気シリーズの第2弾。今シーズンの軸となったのは、舞台役者としてのドラマを描いた東京ブレイド編。舞台化を見越してなのか、無駄に長尺の舞台シーンを入れてくるのは頂けなかったものの、見所は充分にあった。

1つはあかねとかなのライバル関係で、お互いがお互いのことを眩しい程に輝く太陽だと思っている関係性が好きだった…ホントこういうのに弱い。焚き付けるように演技をぶつけるあかねや、こっちは任せろと受けの巧さを見せつけるアクアのアプローチが面白く、それらに導かれて本来の輝きを放つかなは美しかった。

主役以外のところでも、情けなくて悔しさを覚えるキャラに自分を重ね、その気持ちなら痛いほどわかると、自身の弱さを受け入れた上で演技に込める強さを手にしたメルトの成長っぷりにも滾るものがあった。

他にも頼子・アビ子といった原作者視点からの切り口は新鮮で面白かったし、師弟コンビである二人の絆が感じられるエピソード、とりわけアビ子の『今日あま』が大好きなのだと感情を爆発させるシーンには目頭が熱くなった。

そして舞台編が終わったかと思えば、間髪入れずに復讐劇へシフトしていくジェットコースターっぷりで飽きさせなかったのはお見事。この辺りは未だにどこが本筋なのか分からなくなる時があるんだけど、全部含めて本作の魅力なのだと思う。あと言うまでもなく、あかね&かなの二大ヒロインが安定して可愛さを見せてくれているのも魅力的。

当然の如く3期も決定したわけだけど、ルビーも復讐心に目覚めたことで、予測不能な復讐劇が一層加速することに期待したい。

 

 

6. 烏は主を選ばない(2クール目)

 

和風大河ファンタジーの第2クール目ということで、今シーズンでは人を貪る猿の怪物と街に蔓延る怪しい薬・仙人蓋、そしてある日出会った謎の少女・小梅を軸に物語は進行していく。

この人喰い猿が中々にバイオレンスだったのと、小梅についても信用ならない存在として描かれていたことで、常に一定の緊張感があったのが良かった。いやまぁ、小梅のことを信じ切れなかったのは大体1クール目のあせび姫のせいなんだけど…w最後まで見て雪哉と同じようにごめんなさいしたのは自分だけではないはず。小梅→治平(小梅父)→初音(小梅母)と容疑者が目まぐるしく変わっていくのが驚きの連続で、実は本作の舞台である山内が異世界的存在だったりとかもそうなんだけど、怒涛の展開とどんでん返しの連続が本作の魅力だと改めて感じた。

あと感情を殺して八咫烏を守ることは金烏の役目であり幸せだと、自身に言い聞かせるかのような素振りを見せる若宮殿下には危うさや哀愁が漂っていて、雪哉が放っておけない魅力があるのも共感できた。他のキャラで言うと地下街との取り引きで状況を完全に見誤ってる長束様がポンコツ感マシマシで悲しい一方、一周回って面白くもあったからこれはこれでありな気もする。

宮中のドロドロした人間関係が見所だった1クール目とはやや趣が異なったものの、謎と意表を突く展開を軸に繰り広げられるストーリーの魅力は健在で楽しませてもらった。世界観が広がったところで終わりというところもあり、是非とも続きが見たいところ。2期来てくれないかな。

 

 

7. 化物語(オフ&モンスターシーズン)

 

第何弾かわからないぐらいお馴染みと言いつつ、少しお久し振りな物語シリーズ

ここまで来ると懐かしのキャラや台詞が出て来るだけで「いえーいピースピース」とテンションが上がってしまうもので、長く続いてる作品の強みだなぁと。以下、各物語別に一言コメントを。

 

愚物語「つきひアンドゥ」(1話)

月火に対する「お前のほうが怖いよ」ツッコミは完全にシンクロして吹き出した。

 

撫物語「なでこドロー」(2~6話)

絵から具現化して逃亡したこれまでの撫子オールスターズをとっ捕まえる展開がユニークだったことに加えて、ダメダメだった今までの自分を無かったことにせず、全てが大切な1ページで自身の物語なのだと、過去を受け入れながらも力強い未来への一歩を踏み出す撫子の姿は逞しく、その成長っぷりには感慨深いものがあった。

 

業物語「あせろらボナペティ」(7,8話)

忍が吸血鬼になるまでの物語ということで、高貴なうつくし姫だったアセロラ姫がオリジンであるスーサイドマスターと出会い、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(言いたくなるよね)が徐々に形作られていくのに大興奮。荘厳な劇伴もバッチリ決まっていて、2話と短いながらも1本の映画を見終えたぐらいの満足感があった。何百年もの時を経た再会という次回以降の引きまで完璧で、非常に完成度の高いエピソードだったと思う。

「また言葉遣いが乱れているぞ…いや、"乱れておらんぞ"」の言い回しが好き。

 

忍物語「しのぶマスタード」(9~14話)

スーサイドマスター来訪と共に発生した、直江津高校女バス部員の連続ミイラ化事件を探るお話。徐々に真相が紐解かれていく謎解きについては意外性もあり楽しめたものの、業物語の流れで忍とスーサイドマスターの濃厚な絡みを期待していた自分としてはやや物足りなかった。

それにしても阿良々木暦という男、以前も女子制服を纏って決め台詞を吐いていたけれど、今度は女パジャマを着て登場してたし、これは阿良々木変態と呼ばれても仕方がないのではないだろうか。

 

 

8. かつて魔法少女と悪は敵対していた。

 

悪の参謀・ミラが魔法少女・白夜に出会って一目惚れするところから始まるラブコメディ。原作は妖狐×僕SSと同作者さん。

本作の魅力はピュアな二人のやり取りで、白夜の可愛さに動揺しまくって心の内で発狂するミラがまず面白くて、冷静な通常時(ほぼないが)とのギャップには随分と笑わせてもらった。純粋な白夜の乙女っぷりも可愛くて、中原麻衣ボイスも相まってニヤニヤさせられた。この声には逆らえない。

敵対設定はあってないようなものなんだけど、敵対しているからこそ弱点を晒せ(=弱音を吐いて頼れ)と巧みにタイトル回収してみせた第5話は思わず唸った。

あとはもう一人の魔法少女・火花がFuckが口癖の強烈なキャラで、返事までFuckなのは流石に笑った。CV:三木さん&緑川さんの無駄にイケボな御使いさんもパンチが効いててギャグには困らなかった印象。

15分枠ということもありサクサクと楽しく見れる良作でした。

 

 

9. 小市民シリーズ

 

過去に苦い経験のある二人が清く慎ましい完全な小市民を目指す、『氷菓』でお馴染みの米澤穂信さん原作の学園ミステリー。

本作の魅力はまず謎解きで、あらゆる情報を収集し、僅かな綻びから仮説を構築して真実へと近付いていく小鳩の推理が心地良かった。痕跡を残さず美味しいココアを作った謎とか、当たりの無いロシアンルーレットあげぱんの謎とか、内容としては取るに足らないようなことを大真面目に熟考してるギャップが面白かったし、小鳩がシャルロット(ケーキ)を食べてバレないように隠蔽工作するといったドキドキする味変回もあったりで楽しませてもらっていた。

もう1つの大きな魅力としてはヒロインの小山内さん。基本的には大人しくてスイーツが好きな普通の女の子なんだけど、その内面はまるで別人。自分がやられたことは全て執念深く記憶しており、徹底的に復讐しないと気が済まない半沢直樹系(?)ヒロイン。真っ赤な背景で「償ってもらわないと」と言い放った3話から只者ではないのはわかっていたけれど、憎き相手に与える罰を重くするための用意周到な計画とその執念には舌を巻いた。ゾクゾクする程の底知れ無い闇を序盤に解放したことで、常に緊張感を持って見れたのも良かったと思う。そしてかと思えば、最後の最後はスイーツ巡り楽しかったとヒロインらしい一面を見せてくれるところまで抜かりが無く、この厄介過ぎる少女と今後どのような物語が紡がれていくのか興味は尽きない。

2期(という名の分割2クール目)が25年4月から開始ということで、楽しみにしています。

 

 

10. 狼と香辛料(2クール目)

 

第2クールはアマーティとの婚約騒動と、エヴァン&エルサとの出会いおよび協会との毒麦疑惑問題の2本立て。後者は若干エピソードが弱かった感が否めないものの、安定はしていたかなと。旧アニメでカットされていたところなので、原作に忠実にアニメ化するつもりなのだろう。

vsアマーティを改めて見ると、ロレンスは割とやられっぱなしだったり、ホロに対しても失言しちゃったり信じ切れなかったりで中々に情けないなぁと思いつつ、それでも「積み荷を諦めたくない」「お前と一緒に旅がしたい」と言い切る実直さが魅力的だなと。

あと物語が進むにつれて増していくロレンス&ホロのイチャイチャっぷりにはついニヤけてしまう。特に事あるごとに尻尾を揺らして嬉しさを抑えきれないホロはアニメ的にも可愛さが倍増してて良い。商取引の要素は勿論魅力の1つだけど、どっちかと言うとロレンスとホロの軽妙なやり取りが一番の魅力だと思う。ずっと見ていたい。

そして2期も決まって嬉しい限り。"お話はまだまだ続く"ということで、じっくりと腰を据えてアニメ化していってくれることを期待しています。

 

 

11. 真夜中ぱんチ

 

炎上問題でチャンネルを脱退させられた配信者の真咲が、りぶを始めとしたヴァンパイア達と出会って新チャンネル・真夜中ぱんチを立ち上げ、チャンネル登録者100万人を目指すオリジナルアニメ。

本作の魅力はタイトル通りぱんチの効いたキャラが繰り広げるドタバタコメディで、真咲が好き過ぎて着信があればエクソシスト走りからの蕩け顔を見せるりぶを筆頭に、子供っぽい元気さと可愛さを兼ね備えた苺子(曲芸バケツ立ちの罰を受けてる絵面が大好き)、パチンカスの十景(「変わっちまったな…何もかも」を連呼する回がツボ)、大人しいけど趣味は俗っぽい譜風(ふう)、お堅いようで実はぶりっ子ゲーム配信者の側面も持つゆきりんこといった愉快な面子が揃っており、各々好き放題にワチャワチャしているのが楽しかった。

基本は自由奔放なギャグなんだけど、苺子の気持ちに寄り添って一緒に食事をしてたり、真咲が一人で背負い込んでいる時は「皆でまよパンなんだから」と支えてくれたりと、油断するとホロリとしてしまうような温かいエピソードを盛り込んでくれるのも緩急ついてて良かった。他にも、かつての親友との切なくも確かな友情を描いた4話のふう回、一見冷めてるけど姉を応援し続けていた9話のさくら回など、作品のベースにある人情味が魅力だったように思う。

ストーリーの軸だった真咲の再起については、炎上して動画出演を恐れていた真咲が、皆に背中を押され、動画に出たいという自身の気持ちを正直に吐き出すことが出来るようになる展開は王道ながら悪くなかった。かと思えば、youtuberならではのドッキリ企画でひっくり返し、殴って始まった物語が再び殴って終わりという綺麗なオチをつけてくれるのが本作らしくて好き(絵面は同じだけどりぶなら受け入れてくれるのも良き)。

賑やかで騒がしかった分、終わった後に寂しさを感じる良い作品だった。

 

 

12. 逃げ上手の若君

 

足利尊氏によって鎌倉幕府が滅亡し、生き延びた逃げ上手の少年・北条時行が再起を目指す物語。史実はほとんど知らないので純粋に作品を見るスタンス。

本作の魅力は、タイトルにもなっている"逃げ上手"。主人公である時行はとにかく避ける能力が卓越しており、縦横無尽に機敏な動きで相手の攻撃どころか血飛沫までかわしてしまう姿は、躍動感あるアニメーションも相まって単純に見ていて痛快だった。また主君である時行を囮にするような戦術は勿論、馬で逃げながら弓を放つパルティアンショットや、退きながら敵の手首を斬る鬼心仏刀等、繰り出す技も"逃げ上手"の特性が存分に活かされており、作品の軸としてブレずにキャラ立ちしていたのが良かった。

反面、時行の郎党である逃若党のメンバーが時行に対してややパワー負けしているような印象が最初あったんだけど、これに関しては変装や工作を得意とする玄蕃や、武芸と軍略に長ける吹雪の参入によって緩和されてきたかな。子供であることに甘んじず強くならんとする狐次郎も良い味出してきてるので、亜也子にもう一押し深みが欲しいところ。

そしてめでたく2期決定ということで。激化していく戦乱の中で逃げ上手の若君が如何にして英雄になっていくのか、引き続き見届けていきたい。

 

 

13. SHY(2クール目)

 

今シーズンは東京奪還編ということで、豹変してしまった双子の妹・昧(まい)を追って里を出た忍者・曖(あい)と共に、東京都心部に出現した謎の黒球内でアマラリルクとヒーロー達が激突する。

見所は新たに登場した天王寺姉妹の絆。忍びの極秘任務で心が壊れてしまったけれど、姉の曖を討つことは出来ない昧に対して「昧は今でも優しい子や」と、押し殺した心の中を掬い上げてくれるのはグッときた。全てが終わって涙ながらに力いっぱい抱き締めるシーンもそうなんだけど、昧を想う曖の気持ちが溢れる場面は心を動かされた。

一方、本作の主人公であるシャイの影が若干薄かった気がしていて、シャイのヒーロー性が好きな自分としては物足りなく感じたところも。曖の愛刀・無垢に導かれて助けに行くのも受動的な印象を受けたし、熱いシャイをもう少し見たかった。突入部隊のリーダーとして任命されたシャイに期待し、評価してくれているピルツとか良いシーンもあったんだけどね。

あと本作の特徴として真面目な場面でもギャグを挟んでくるんだけど、他の作品だとノイズに感じることの方が多いのに、本作では不思議とこの緩さ加減が味になっているように思う。「何茶飲んでんねん!!」とか思わず笑ってしまったし。

全体通して1クール目よりはトーンダウンしたものの、何だかんだで楽しめました。

 

 

14. シャドウバースF(8クール目)

 

8クール続いたシャドバFも遂に完結ということで。

vsアークルーラー戦では、前クールに引き続き、マーウィン・リーシェナ・ギルネリーゼといったゲームでお世話になった絶傑シリーズの活躍に心が躍った。

そして何と言ってもその後のvsウルフラム戦。敗北を喫したライトが救世主としての活躍を望まれ、重圧に押し潰されそうになっていた震えを掬い上げてくれるレンのヒーローっぷりがグッとくるし、涙を流して弱さを吐露するライトも、そんな等身大な姿を受け入れてくれる仲間達の温かさも美しかった。楽しんでくる、楽しいだけで良いという締めも、ゲームを題材にしたアニメに相応しいものだったように思う。

総括としては、前作と異なり何度も敗北を経験する、決して完璧ではない主人公としてライトを据えたことで物語に厚みがあったのが良かった。新作アプリゲームの方は延期になっちゃったけど、何だかんだ期待しています。

 

 

【総評】 

以上、計14作品となりました。

ちなみに個人的段階別評価はこんな感じ(気持ち左右差あり)。

 


S(歴代上位) : 該当無し
A+(クール最上位): にごリリ ヒロアカ > 義妹生活 負けイン 推しの子 烏は主を選ばない
A(クール上位) : 化物語 まほあこ 小市民 > 狼と香辛料 まよパン
B+(中の上) : 逃げ上手の若君 > SHY

B(中) : シャドバF

 

クールによっては継続・続編が占拠することもある中で、にごリリ・義妹生活・負けインと光る良作があったのは嬉しい。特ににごリリは自分にぶっ刺さりだったし、連続2クール放送なのでこれからも期待大。

 

また評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

 

ベストエピソードは2.5次元の誘惑第10話「まゆら様 VS 753!!」でした。

丁寧に掘り下げてくれるから、753にどんどん感情移入しちゃって涙無しでは見れなかった。


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

 

秋アニメはと言うと今年もあと残り3週間しかないのに案の定全く見れていない上に、12/13からヘブバン中編解禁で来週潰れるのは確定だし、何なら再来週も用事入ってて動けそうにないというかつてない程の追い込まれっぷりで、今の気分は完全に世界に置いていかれるまゆり先生。

 

年末年始に大逆転なるか、乞うご期待。

 

それではまた。