アニメ沼

アニメ沼

沼の底からアニメの感想をお届けします。

2022年夏アニメ 総括感想

 



 

お久し振りです。

しばらく呟いてませんでしたが生きてます。

 

もう11月目前ということで、気付いたら年の瀬が近付いてきていてビックリ。毎年言ってる気がするけど時が経つのは本当に早い。多分来年も言ってる。

 

遅まきながら夏アニメも全て見終わったので感想をまとめていきたいと思います。
そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです。
更にコメントとかもらえると跳ねて喜びますので良かったら。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.彼女、お借りします(2期)

2.アオアシ(2クール目)

3.メイドインアビス 烈日の黄金郷(2期)

4.よふかしのうた

5.シャドーハウス(2期)

6.サマータイムレンダ(2クール目)

7.リコリス・リコイル

8.ダイの大冒険(8クール目+4話)

9.Engage Kiss

10.シャインポスト

11.ラブライブ!スーパースター!!(2期)

12.ユーレイデコ

13.ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ

14.シャドウバースF(2期2クール目)

総評

 

 

1. 彼女、お借りします(2期)

 



 

華やかなヒロイン達とダメダメ大学生の和也が贈るレンカノラブコメ第2弾。

「君がいい」で終わった1期からの続編ということで、好意が漏れ出まくってるメインヒロイン・千鶴の振る舞いにはニヤニヤが止まらない。1期では和也を放っておけずに支える感じだったのが、2期では逆に千鶴が和也に支えられる場面が多かった印象で、惚れ込んで心を許していくラブコメ的に最も美味しい過程を存分に描いてくれたかなと。制服デート回でレンカノらしくいつも通り理想の彼女を演じようとしているんだけど平静を保てないのとか悶絶級の可愛さだった。

また千鶴の祖父回想が描かれることで、同じく馬鹿だけど夢を応援してくれる和也に惹かれる納得感が生まれたのが良い。クラウドファンディングによる自主映画作成という、ともすれば無謀な選択でもやってみせると言い切る和也は夢見がちな馬鹿な男かもしれないけど、そんな"男らしさ"こそが不安で震える実は甘えん坊の千鶴には必要で…そりゃここまでされたら心動いちゃうよっていう。

木部ちゃんの「きっとアンタのこと最後は幸せにしてくれると思う」という台詞だったり、千鶴の「私を一生幸せにしてくれる人かもしれない」といったフレーズが1期ではまだ現実味を帯びてなかったんだけど、2期でそれが確信に近くなったというか、和也なら千鶴のことをきっと幸せにしてくれると思わせてくれるのがたまらなく好き。

 

一方でここまで見せられるともはや他のヒロインが入り込む余地が無いのは今後が心配になるところではある。瑠夏ちゃんとの関係とかは既に違和感かなり出てるし、墨ちゃんもアタック強めてきてるけど和也の心が動くことは考えられないし…いやまぁ和也と千鶴の関係が好きだから個人的には構わないんだけど。かき回し役の麻美ちゃんですら、深まった二人の関係を脅かすのは難しいのではと思うぐらい。

 

唯一毎週最速で追ってた夏の生きがい枠だったから終わるの絶望してたんだけど、3期決まったようで嬉しい限り。新たなヒロインも出てくるようなので、その子の活躍にも期待しています。

 

 

2. アオアシ(2クール目)

 

 

1クール目から引き続き、いや更にパワーアップした2クール目だったなと。

DFへの転向を命じられる絶望展開から始まったけれど、持ち前の反骨心と前向きさでそれを乗り越えていくのが気持ち良い。地道な首振り練習や、試合に出ていない時にも観察・思考を続ける等、貪欲な姿勢で成長していく姿が眩しかった。

メッセージを込めたパスなど、これまで積み重ねてきたものが繋がって試合で発揮される瞬間は興奮するし、DFの経験を活かしつつフィールドを支配する司令塔としての片鱗を見せ始める葦人にワクワクが止まらなかった。

 

葦人以外のドラマも見所で、己の弱さを克服する橘・仲間を認め連携を見せる冨樫といったチームメイト、指導に悩みながらも選手を信頼し導いていく望コーチ(冨樫の"あのオッサンを困らせたくねぇ"が好き)、執念で這い上がってきて立ちはだかる敵チームの金田etcと色んな方面で盛り上げてくれるのが強い。

 

また葦人と花の関係大好き侍としては、恋愛方面でもキッチリ締めてくれた最終話は悶絶ものだった。サッカー方面では力になれないと後ろ向きになっていた花を見てるの胸が苦しかったから、「お前の応援は効く。力が出る」って台詞だけで泣きそうだった。何なら1話前に一言くれと求めるシーンでも泣きそうになってた(感情移入し過ぎ)。

 

あとサッカー詳しくない自分でも、戦術とかしっかり説明してくれるからついていきやすいのが地味に嬉しい。リアル寄りの作風だからこそ、作中キャラを身近に感じられるというのはあるかもしれない。

 

最後は遂にAチーム昇格ということで、また新たな壁にぶつかる葦人がどう乗り越えていくのか楽しみ過ぎるので頼むから2期やって欲しい!…やってくれるよね?

 

 

3. メイドドインアビス 烈日の黄金郷(2期)

 

 

深界六層の成れ果て村を舞台に、かつてアビスに挑んだガンジャ隊の行き着く先を描き切ってくれた2期。リコ・レグ・ナナチ辺りの主要人物はサブ的な立ち位置だったけど、重厚な物語で見応えは十分だった。

本作の魅力の一つである"思わず目を背けたくなる程の容赦ない展開"は2期でも健在で、病に侵されていく隊員達、歪んだ形で自らの子を成す願いが叶えられるイルミューイ、生き残る為に躊躇なく赤子を食させるワズキャン等々…あまりにもエゲつないんだけど惹き込まれてしまう。更には悲劇の先にイルミューイが遺した復讐心を抱く果てぬ姫君・ファプタも登場し、苛烈な物語は留まることを知らない。

 

そして何よりこの作品が凄いのは、これらの暗い感情が凝集された始まりが、最後には希望が持てる終わり方に変わっているところ。自責の念に駆られていたヴエコがイルミューイに最も愛されていたと分かるシーンはボロボロ泣いてしまったし、自らをファプタに捧げアビスへの憧れを託すかのように散っていく住人達には一種の美しさすら感じた。ファプタの激情の奔流を見事に演じ切った久野美咲さんには敬意を表したい。

最終回が1時間枠だったこともあり、映画を1本見終えたぐらいの満足感があった。

 

少し引っ掛かった点としては、ファプタとレグやガブの組み合わせはヴエコと比べると思い入れが弱く、いまいち感情移入し切れなかった。ナナチとミーティの別れも1期でやったしなぁ…というところで同様に作中キャラの反応と温度差を感じるシーンがちょくちょくあったのが個人的にはマイナス。

 

とは言え全体的にレベルが高かったのは間違いなく、続きがあるなら勿論見たい。ただ原作ストックがほとんどないらしいので、かなり待つことになりそう…成れ果てにならぬよう気をつけねば。

 

 

4. よふかしのうた

 

 

眠れない不登校の少年・夜守コウが夜更かしをして夜の街へ繰り出し、吸血鬼・七草ナズナと出会うところから物語は始まる。

 

本作の魅力はまず雰囲気が抜群に良いところで、"夜更かし"という非日常が持つ背徳感や高揚感が表現されている。例えば本来なら真っ暗なはずの夜の街がカラフルに描かれているのが印象的で、コウを始めとした作中のキャラが感じている夜の魅力が自分にも視覚的に伝わってくるのが良い。見てるとどんどん魅惑的な夜の世界に引き込まれていく感じ。夜に居場所を求める夜更かしというテーマだったり、人間なんて大体皆病気という台詞だったり、道を外れた人を優しく包み込んでくれるところも好きだった。

 

そして楽しく夜を満喫するだけの作品(それはそれで良いのだが)かと思いきやそうではなく、勢いで言った吸血鬼になる宣言の重さを改めて突きつけられる後半の展開には唸った。

普通に考えれば人間の道を選ぶべき。でも、それでも…と理性も理屈もぶっ飛ばしてナズナの元へひた走るラストがもう最高過ぎて。退屈から救ってくれたナズナが夜は楽しいだけじゃないと、非日常な夜はいずれ退屈な日常になってしまうと寂しそうな顔を見せるのを放っておけるわけなんかないよなと。孤独な吸血鬼だったナズナ自身もコウくんとの楽しいよふかしに救われていたのもたまらないし、好きになる=吸血鬼になってずっと一緒に楽しいことをして退屈させない宣言もカッコ良すぎて涙出た。

吸血鬼になる為に好きになるのではなく、退屈させない為に吸血鬼になるのだと、目的から手段へと移り変わる心の機微が美しく、コウの出した純粋な結論に共感の嵐。私も一緒にいたいと言わんばかりのナズナのキスでのアンサーも言わずもがな最高だし、照れ隠しで少し震えた声での「…仲良くやろうや」は悶絶ものでつまり何が言いたいかというと最終話大好きです。

 

というわけで予想外に綺麗に締めてくれたお陰で評価が爆上がり。素敵な作品をありがとう。

 

 

5. シャドーハウス(2期)

 

 

大規模洗脳が平然と行われる歪なシャドーハウスという巨悪に立ち向かう物語。

箱庭の中で思考を奪われていく不気味な描写には相変わらずゾクゾクくるし、特有の設定である煤を利用した展開(シャドーと生き人形の入れ替わりには驚いた)や、シャドー・生き人形のバディ&同期会での絆など、1期で感じた魅力は健在だったかなと。

更に2期での魅力としては、人間らしさを見せる生き人形・エミリコに対して恋心を抱いてしまうシャドー・パトリックの描写は切なく心動かされた。頭の中で勝手に生き人形とシャドーは分けてペアで考えてしまっていたけど、確かに惹かれてもおかしくないよなと。禁断の恋の行方がどうなるかも今後は気になるところ。

 

また謎のローブ様の正体を暴く展開が2期の主軸としてあったが、ケイト様スキーな自分としては単純に出番多いのが嬉しかった。ただ一方で謎解きが尺として長かった気もしていて、シャドーハウスが抱える闇の部分にもっと切り込んでいって欲しかったかな。コーヒーでの洗脳や一体化とかは1期で既に出ていた情報で、2期はその先を見せてくれるのを期待していたところからすると消化不良感がある。

 

星付きの掘り下げが完了し、バービーやアンソニーといった縦の繋がりも絡めてどのようにシャドーハウスを攻略していくのか…!というかなり盛り上がってきたところで終わったのが残念というだけなので、3期やってくれるなら全て許します。というかやって下さいお願いします。

 

 

6. サマータイムレンダ(2クール目)

 

 

駆け抜けた1クール目の勢いを大きく落とすことなく走り切ってくれたかなと。

やはりループに制限がかけられているのが良い味出してて、じわりじわりと追い詰められていく感じが常に緊張を保ってくれていたように思う。敵が認識のみならずループまでし始めたりと、一口にループものと言っても他作品では見ないような展開もあり固有の魅力を持っていた。また影の複製能力等を駆使した戦闘なども面白く見応えあり。

ただ色々と凝ってる裏返しでループや能力等の設定が少々複雑でややこしく、説明聞いても「そうなんだ…?」という感じで見ていてスッとは入ってこなかったのがマイナスポイント(自分だけかも)。

あと未知の存在である影の不気味さやミステリー要素も1クール目はウリだったと思うんだけど、2クール目は敵がシデ(&ハイネ)に定まりどう倒すかというバトルものちっくな作風になってしまったのは自分の好みから外れていてちょい残念。南雲先生の死闘とか熱くなれるところもあったんだけどね。

 

とは言え2クールかけてしっかりと物語を描き切ってくれたのは評価したいポイントで、短い間だったけど一緒に過ごせて嬉しかったと笑顔で見送ってくれる影潮との別れは切なく涙が滲んだ。好きだからずっと側にいると告げるシーン(その後の照れ隠しのあっぽけが超可愛い)も素晴らしかったし、振り返ると慎平と潮が主人公&ヒロインとして安定してたのが大きかったかなと。こういう決めシーンは絵的にも気合入ってて良いアニメだったと思う。

エピローグに最終話まるまる使うという贅沢過ぎる構成だったけど、ようやく掴み取った愛すべき日常にしみじみと浸ることが出来て視聴後の満足感がすこぶる高かった。しっかり完結させてくれる作品はそれだけでも貴重。

 

 

7. リコリス・リコイル

 

 

今期を語る上では外せない、爆発的流行を見せたオリアニ。

本作の魅力はまずキャラクター、特に主役である千束&たきなのバディが魅力的だった。自由気ままな楽天家の千束とクールで効率主義のたきなの凸凹コンビで、堅物のたきなが少しずつ千束に心を開いていくのが見所。徐々に表情豊かになっていくのは見てて楽しかったし、戦闘面でも千束と共に戦う相棒としての活躍には心踊らされた。真島との対決で苦戦する千束を助けに壁を突き破って飛び込んでくるシーンとかカッコ良すぎて濡れた。その後無言で連携取るのも最高の相棒感出てて痺れる。

 

というか単純にキャラとして千束が好きだった。余命いくばくもないという闇を抱えてるんだけどそれを感じさせないよう明るく振る舞うギャップがあり、達観してるようでふとした時に壊れてしまいそうな危うさを抱えているところに惹かれた。圧倒的な戦闘センスを持ちながらも不殺の信念を貫く、芯の通った生き様も魅力だったと思う。そしてそんなブレない姿を見せられていたからこそ、信念を抱くきっかけであった吉さんが皮肉にも不殺を曲げさせようとする狂気には胸が痛んだ。

育ての親であるミカの涙など、サブキャラでもグッとくるシーンがあったのも良い。

 

あとJKに扮して犯罪を未然に防ぐエージェント・リコリスという刺激的な設定も魅力だったと思うんだけど、この辺に関する描写はやや粗かったかなと。敵である真島も信念を持って行動しているのは良いものの、民衆の行動がそうなるか…?というところがいくつかあったのは残念。個人的には世界観の掘り下げ描写も期待していたので、特に中盤辺りで物足りなさは感じた。ただ正直この辺を真面目に描こうとするとツッコミどころがどんどん増えがちなので、千束×たきなの描写に注力したのは英断だったようには思う。

いずれにせよテンポの良いやり取りや見応えあるガンアクションなど、ベースとなる魅力があったので安定して気楽に楽しめた作品だった。

 

 

8. ダイの大冒険(8クール目+4話)

 


約2年・100話続いたダイの大冒険も遂に終わりを告げたということで感無量。

護るべき者を失いかけて心が折れてしまうダイを再び立ち上がらせるポップの「一瞬、だけど閃光のように…眩しく燃えて生き抜いてやる」からの「最高の友達…ポップ」は熱過ぎて泣いたし、どんな願いも叶えることが出来る神のアイテムなのに「友達が欲しい」という純粋な願いを叶え続けていたゴメちゃんとの別れも泣いたし、世界中の人々が一つになって大魔王バーンへ立ち向かう集大成の展開は激熱だし、激戦を制して落ちていくダイへ一目散に駆け寄るポップにも涙止まらなかったしと、終盤は何かと昂ぶりっぱなしだった。

自分は原作既読だったけど原作以上に心を動かされるシーンが多くて、古き良き原作が、今の映像技術とキャストも含めた制作陣の愛で更に強化されて返ってくる理想的なアニメ化だったと思う。こういうの見てると昔の名作アニメ化シリーズを他にもどんどんやって欲しくなっちゃうね。

2年間本当に楽しませてもらいました、ありがとう。

 

 

9. Engage Kiss

 

 

1,2話で楽しいドタバタラブコメと思わせておいて、記憶を代償にした悪魔との契約というシリアス設定を3話でぶち込んで一気に惹き込んできた本作。

 

この作品の魅力はまず先述した記憶を失っていく主人公・シュウ。自らが戦う意味も、最愛の妹すらも忘れていってしまう姿は痛々しく、どんな結末が待ち受けるのかワクワクさせられた。

記憶を奪う悪魔かつメインヒロインのキサラがまた良い味を出していて、シュウ自身の望みとは言え自分との契約で好きな人が壊れていくのを見守ることしか出来ない境遇が切なかった。またヤンデレ属性を装っているんだけど実際はめちゃくちゃ優しくて、どこまでもシュウのことを想っている真っ直ぐさに惹かれた…恋人繋ぎのシーン大好き。振り返るとヤンデレ的なコメディ要素とシュウを支えるメインヒロインとしてのラブ要素を兼ね備えた本作の柱だったなと。

 

ヒロインでいうとこれまた愛が重い未練タラタラな元カノ・アヤノさんも魅力的だった。負けヒロイン臭凄いけどそこが良い。シュウだけじゃなくてキサラやシャロンに対しても面倒見が良いというかお人好しなところが好き。

キサラ・アヤノ・シャロン辺りのシュウと因縁あるめんどくさい女同士の楽しい掛け合いはさすが丸戸史明といったところで、むしろこっち主体でも良かったんじゃないかと思わなくはない。バトル作画とかも地味に気合入ってて良いんだけどね。

 

気になった点はマイルズ・カンナのEPがあまり積み重ねが無く、感情移入して見れなかったこと。特にマイルズは記憶を失う設定を生かした巧い展開だったのに、マイルズというキャラ自体に入れ込めなかったので響かず…回想とかでもっと描写を割いてくれればなぁと。

 

丸戸さんのオリアニと言えばClassroom☆Crisis(伝わるか?)の記憶がチラついて本作も正直期待してなかったんだけど、意外と楽しめた。ファンボーイなのでこれは嬉しい誤算。アプリゲームは……誰かお願いします(おい)。

 

 

10. シャインポスト

 

 

ウマ娘の及川監督が手掛けるオリジナルアイドルアニメ。

本作の魅力はまず高クオリティなライブシーン。CGも増えてきた昨今では珍しい、手書き主体で良く動くダンスには目を奪われる(CGも別に悪くないが)。またダンスが苦手な理王が実際に.微妙に遅れてるのを表現してたり、汗や疲れ具合で春にはついていくのが精一杯であることが伝わってきたりと、細かいアニメーションにも気合入ってるのはお見事と言う他ない。愛を感じる映像だった。

 

一方でストーリー面は後半粗さが目立った印象で、主人公である春が全力を出していないことが判明する7話以降から歯車が狂ってしまった。売れないアイドルでも地道に頑張ってる初期3人組が好きだった(必死にビラ配りしてる理王様で泣いてた)自分としては、実はそもそも手を抜いていた春に良い印象を持つのが難しかったし、本気を出させる為に雪音&紅葉が別れるのも分かるようで分からなかった。春が輝くにはHY:RAINではなくTINGSでなければいけない理由も腑に落ちなくて、圧倒的な才能を目にしても負けじと喰らい付く姿勢がメンバーに必要なものというような描きをしていながら、その後でHY:RAINも同じことしてましたってそれいる?って感じ。というか何ならそもそも過去を鑑みれば、社長が春をTINGSとして活動させたのも謎なんだよな。普通に螢さんみたいなソロアイドルが一番ハッピーじゃんっていう。

書き出すとキリが無いのでこの辺にしておくけど、意外な展開を優先してしまったが故か細かい綻びが気になってしょうがなかった。随所にエモーショナルな場面もあるのに、そのせいで完璧に入り込めないもどかしさ…前半は今期TOP4入りも狙えるレベルだったんだけど一気に崩れてしまったのが残念。

期待してた反動でボロクソ言ってしまったんだけど最後に一つだけ。「Yellow Rose」という楽曲に出会えただけでも本作を見て良かった。今でも定期的に聴き浸っております。

 

 

11. ラブライブ!スーパースター!!(2期)

 

 

後輩1年生4人を新しい風として取り入れて始まった2期。

スパスタの明確な強みである5人というメンバーを絞った体制が崩れることに不安があったんだけど、意外と上手く溶け込んでいた印象。お金大好きyoutuberなど個性的なキャラで主張はしつつ、調和を乱さないバランス感覚はお見事だった。(後半は空気になっていたという表現の方が正しいかもしれないが)

ただせっかく人数多いのに1年組入部のきっかけがほぼかのん1人に収束していたのは無理矢理感があり頂けなかったかなと。オニナッツに他の先輩達は頼りないと言われても仕方ない。…と不満がないわけではないが、当初危惧していたところからすると1年組加入はハードルを越えて来たと思う。

 

問題は別のところにあって、まずライバル描写の雑さ。特にサニパはかなり酷くて、絶対的な強豪の位置づけである彼女達がぽっと出の新人アイドル・ウィーンにあっさり敗北。1期から通じて1回もライブシーンすら無いの扱い酷過ぎて笑えてくる。

まぁウィーンのキャラを立たせる為に衝撃的なイベントを用意したんだとしても、そのウィーンにLiellaが勝利した理由に納得いきにくいものがあった。ウィーンのライブが圧倒的なパフォーマンスとして描かれていて劣るように見えなかったのがまず1つ(虹ヶ咲の嵐珠と似たイメージ)。もう1つは皆と一緒のステージが勝利するというのは分からなくはないんだけど、サニパは皆と一緒じゃなかったから負けたんですかとなってしまう点。これらの点から勝利が釈然とせず、作中のキャラと勝利の感動を分かち合うことが出来なかった。

 

そして何より残念だったのは最終話。

Liellaか自分の夢か、究極の選択を迫られるかのんを後押しするメンバー、自らの夢、ひいては学園の為にもと留学を決意する…ここまでは良かったんだけど、最後に留学は無くなりました!!で頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされてしまった。

正直、皆の決意が水泡に帰すこの展開は馬鹿にしてるとしか思えない。続編あるからとか関係ない。期間空いた3期の1話でやるならギャグ落ちもまだ受け入れる余地があるけどこれはあんまりだ。他にも目標だったはずのラブライブ優勝が雑に消化されてしまったりと最終回には納得いかない部分が多く後味が非常に悪かった。

 

ちなみにブチ切れ過ぎて書くの忘れてたけどクゥすみ回は文句無し最高で泣いた。四季メイとかもそうだけどこういうカップリングの扱いは上手い。

 

しかしシリーズ初の3期!とか言われてるけど本当に何やるんだろうか。ラブライブも優勝しちゃったしドラマ作りにくいと思うんだが…そういう意味で期待はしてないけど興味が惹かれるところではあるので続編も見る。

 

 

12. ユーレイデコ

 

 

視覚情報デバイス・デコによって現実と電脳世界を行き来するトムソーヤ島の住人達。

そこでは「らぶ」と呼ばれる評価係数を価値としてやり取りが行われているが、突如らぶの数がゼロになる0現象を引き起こす怪人・ゼロの謎を主人公・ベリィを含めたユーレイ団達が追いかける…という話。(いやどういう話?)

 

本作の魅力は独特な世界観と強いメッセージ性。デコを通じて見る、情報が歪んだ世界の中で"本当"とは何か?を描く。はぐれ者同士が集まったユーレイ団のフィンに対する絆であったり、ベリィ親子の愛情であったり、人との温かい繋がりへと帰結していく流れが美しかった。良いも悪いも全てに目を向け、自分の目で見て感じたもの、自分の意志で決めたものこそが大切なのだと世界をひっくり返したハックの暴れっぷりも爽快。

 

一方で主要素である(と思い込んでいた)「らぶ」については設定を持て余しているように感じた。SNSで反応をもらうことを良しとする現実世界を風刺しているのは明らかなものの、思ったよりストーリーに絡まず踏み込んでこなかった印象。他者からの評価なんて気にするなという点では最後の結論に包括されてはいるが、個人的にはもっと痛烈な風刺が見たかった。世界の歪さを強調する描写がもっとあっても良かったかなと。

 

とまぁこの辺をモヤモヤしながら見てたんだけど、設定と画面作りが独創的で何だかんだ楽しめた。こういう攻めた作品は1クールに1つは欲しい。

 

 

13. ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

 

 

新章・迷宮篇と銘打たれているものの、4期にもなってくるとどうしても刺激が減ってくるなぁというところ。前半はvs強化種、後半はvs厄災・ジャガーノートについて描かれたが、特に敵に思い入れがあるわけでもないのでいまいちアがらず…もうちょっと闘いにドラマが欲しい(そういう作品じゃなかったかもだが)。またベルがレベル4になってしまったことで、魅力の1つだったベルの成長譚としても弱くなってしまったような。パーティがボロボロになって絶望の状況下で助けに来るベルはカッコ良かった一方で、すっかり英雄になってしまって少し寂しい。

未知の深層へ落とされるベル、強敵モンスターに襲われるパーティと絶望感マシマシな展開は悪くなかったんだけどここでまさかの分割2クール。せっかく盛り上げてるのに勿体ない…気にはなるから見るけど期待値は低め。

 

 

14. シャドウバースF(2期2クール目)

 

 

シャドウリーパーなど懐かしの初期カードの活躍が楽しいのは変わらず、リアルタイムで活躍している新パックのカードも出てきてくれたりでどちらも楽しめる作りが良い。バトルの中身も目の前の盤面ではなく勝利を見据えて敢えてネクロマンスを消費しないように温存するプレイとか、「おっ」と思わせるシーンがちょくちょくあって面白い。

あと2クール目はミモリ×アリスやレン×ツバサなど百合展開が多くて俺得だった。ミモリとアリスって1期でこんな感じだったっけ?と記憶が曖昧なんだけど百合の方が面白いのでそれで良いです(思考停止)。レンツバ回の21話は2クール目のベスト回で、百合要素は勿論のこと、大人になったとしても変わらない、好きなものを好きだと言えるレンの熱い気持ちが本気になれないツバサの心を溶かすというカードアニメとしてもアツい展開がお気に入り。引き続き追いかけます。

 

 

【総評】 

以上、計14作品となりました。

個人的段階別評価はこんな感じ(気持ち左右差あり)。


S(歴代上位) :該当無し
A+(クール最上位): かのかり アオアシ アビス よふかし シャドーハウス > サマレン リコリコ ダイ大
A(クール上位) :エンキス シャインポスト
B+(中の上) :スパスタ ユーレイデコ

B(中) : ダンまち シャドバF

 

 

クール全体感としては、かのかり'(2020夏1st)・サマレン(2022春1st)・アビス(2017夏3rd)・スパスタ(2021夏3rd)・アオアシ(2022春4th)・シャドーハウス(2021春4th)と個人的評価が高い作品の続編or継続枠が多く、またどれも概ね期待に応えてくれたかなと。スパスタ?知らない子ですね…

 

評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

ベスト回はよふかしのうた最終話「よふかしのうた」でした。

見終わった後思わず拍手してしまったぐらいには好きな回。

 

 

感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

例の如く秋アニメはまだ水星の魔女しか追えてないので、ぼざろ等のTLを賑わせてる作品をこれから見るのが楽しみです。


それではまた。