アニメ沼

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沼の底からアニメの感想をお届けします。

2021年秋アニメ 総括感想

 

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初めましての方は初めまして、明太子と申します。

明けましておめでとうございます…というには遅過ぎますね。

最近仕事がなかなか忙しくていつも以上にズレこんでしまいました。

 

早速ですが2021年秋アニメも全て見終わったので感想をまとめていきたいと思います。

そこそこ分量あるので、時間がある時にでも読んでもらえると嬉しいです!
更に気軽にコメントとかもらえると跳ねて喜びます。

 

それでは早速振り返っていきましょう。

※下の目次タイトルから各感想に飛べるので、見た作品だけでも読んで頂ければ。

 

【目次】

1.ブルーピリオド

2.王様ランキング

3.大正オトメ御伽話

4.逆転世界の電池少女

5.無職転生(2クール目)

6.吸血鬼すぐ死ぬ

7.白い砂のアクアトープ

8.ダイの大冒険(5クール目)

9.見える子ちゃん

10.月とライカと吸血姫 

11.エイティシックス(2クール目)

12.ジャヒー様はくじけない!(2クール目)

13.SELECTION PROJECT

14.結城友奈は勇者である 大満開の章(3期)

15.先輩がうざい後輩の話

16.サクガン

17.ルパン三世 PART6

総評

 

 

 

1. ブルーピリオド

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今期のNo.1はこの作品となりました!

空気を読む能力に長けるが打ち込めるものもなく、日々を漫然と過ごす主人公・八虎。

そんな彼が絵の魅力と出会い、美大の中でも最難関とされる藝大合格を目指す…というストーリー。

 

この作品の魅力は絵(芸術)というテーマにあって、まずは単純に物珍しい。

自分はこの作品に触れるまで絵=天性のセンスという認識だったのだがそうではなく、同じものを描くとしても構図や配色は当然異なり、またその表現方法も無数に存在する。ここは自分の知らない世界なので新鮮で面白かった。

 

更に恐ろしいことに絵というものには明確な正解がない。表現方法は無数にあるにも関わらずだ。

これが本作最大の魅力だと思っていて、基本的には向上心が強い八虎ですら、出口の見えない迷路に度々心が折れそうになってしまう。

技術を身に付けて上達していく喜びと、それだけでは上手くいかない苦悩…その両方が描かれていたのでどっぷりと感情移入した。ラストの桑名さんとかこっちまで涙零れてしまったよ。

 

挫けそうになる八虎を支える周囲の人々(家族・友人・先生etc)も素敵でしたね。

特に先生陣の言葉は含蓄あってこちらも考えさせられることがよくあった。

思うに本作における絵というのは人生と通ずるものがあるのではないだろうか。

 

"作った本人が好きで楽しんで情熱を込めて作ったものはそれを見た人も楽しくなる"

"絵って思ったよりもずっと自由だ"

"芸術に失敗は存在しない"

"(他人と比較しての)1位の絵ではなく矢口(=自分)の最高の絵を目指す"

"大事なのは何を選んだら一番気持ち良く描けるか"

 

例えば作中の上記台詞は全て絵に関して言及されているわけだけれども、人生に置き換えても成立している。だから絵(芸術)という馴染みのない題材であったとしても、正解のない世界でもがき苦しむその姿に親近感を覚え惹かれたような気がした。

自分に出来ることを探してストイックに取り組む八虎を見てると自分も何かしなくては!と思っちゃう。そういう熱さも本作の魅力ですね。

 

ストーリー構成としても藝大受験編までということで区切りが良かった。自信のない、けれどこれまでの確かな努力と戦略で裏打ちされたありのままを描いた八虎自身とも言える絵を世田介くんが認めてくれるシーンはこっちまで嬉しくなったし、森先輩から始まって森先輩で終わるという締めが成長を感じられてまたグッとくる。5話で森先輩の絵から着想を得るシーンとかもそうなんだけど、直接ではなく絵を介してやり取りをするのが芸術家っぽくて好き。

 

あとアニメハマった後に即原作を購入してアニメ化したところまで読んだんだけど、大きくは変わらないかなという印象。

ただ間違いなく言えるのは龍二絡みのEPはCVが強過ぎる為、圧倒的にアニメが良い。前期のかげきも大活躍だったし花守ゆみり恐るべし。

アニメは影の付け方が不足しているのか画面が全体的にのっぺりとしてる気がしてて、そこが唯一の不満点かな。絵を題材にしているから尚更気を配って欲しかった感はある。

 

とは言え何故この作品を途中まで見ていなかったのかと八虎のように愚かな自分の頬を叩くぐらいには楽しめたので、まだ見ていない方には是非ともオススメしたい一作です!

 

 

 

2. 王様ランキング

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生まれつき耳が聞こえず、話せず、非力…そんな王の器には程遠いと蔑まれていた王子・ボッジがカゲと出会い、強く優しい立派な王様を目指す冒険ファンタジー

 

本作の魅力はまず先を読ませぬストーリー。可愛らしい絵柄とは裏腹に、各キャラの思惑が交わることで複雑な様相を呈しているのが見所。ボッス王やミランジョ等、真意の全てを見せ切っていないキャラの謎めき方は先が気になるし、ドーマスやダイダみたいな一辺倒ではない人間臭さに溢れてるキャラの葛藤がより物語に深みを与えていると思う。更に脇役ポジの臣下達にもドラマがあって愛着持って見れるのも良いところ。

 

あと作品の根底に温かさがあるのが好き。ボッジを信じてくれるカゲの熱い言葉には何度涙したか分からない。カゲ自身も涙脆くてことあるごとに泣くんだけど、涙腺ガバガバな自分はカゲに感情移入して涙零してた。

他にも愛に溢れたヒリング王妃や師匠となるデスパーと、温かい人達が多くてホロりときてしまうこともしばしば。「自分の全てを愛しなさい」というデスパーさんの言葉には救われる人も多いんじゃないだろうか。

 

またよく動く戦闘シーンや感情表現豊かなボッジ&カゲなど、単純なアニメーションとして楽しめるのも魅力ですね。上手く言えないけど細かい動きも気合入ってるように感じる。

 

にしてもこの作品は悪い所が思いつかないぐらい欠点が無いと感じる。強いて言うなら、ボッジが背負っているハンディキャップを全面に押し出しまくって「ボッジは辛いけど頑張ってる」を押し付ける感じだと苦手かもと最初は危惧していたんだけど全然そんなこともなく、純粋な成長物語として描いてくれてるので気持ち良く見れてる。

話が進むごとにどんどん面白くなってきてるし、2クール目もめちゃくちゃ楽しみ。

 

 

 

3. 大正オトメ御伽話

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事故に遭って全てを失い厭世家となった主人公・珠彦と、その世話係(嫁)として金で買われた少女・夕月が出会うところから物語は始まる。

本作の魅力はまず珠彦の成長にあると思う。

最初は全てを否定し夕月を受け入れすらしなかったのが、天真爛漫な夕月に少しずつ心を開き前向きになっていく。弱気になることも何度もあったけれど、その度に夕月に釣り合う男にならなければと自らを奮い立たせるその姿には非常に好感が持てた。優しい夕月にただ支えられるだけの男では無かったのがポイント高し。

 

また珠彦だけでなく夕月の心情変化も見所だった。

優しく明るく献身的と元来の性格だけでも勿論魅力的なのだが、義務や責任から始まった珠彦との関係性が変化し、珠彦の成長に伴って本心から惹かれていくのが最高。自分の中で湧き上がる恋の感情を制御できない姿は正に”オトメ”で愛おしさが爆発してた。最終話の夕月視点の回想とか悶絶もの。

聖母のようなキャラかと思いきや、6話の喧嘩回のような別の女に嫉妬しちゃう女の側面まで見せてくれるのも歳相応のらしさがあって良かった。

 

ストーリーとしてはラスト3話で関東大震災が発生して雰囲気が一変したのが印象的。ただ物語の軸はブレておらず、成長した珠彦を描くのに必要なEPだったかなと。

そこまでのところで二人には充分に感情移入していたので、再会して溢れる想いをぶつけるシーンでは自然と涙が零れてしまった。

 

全体通じて敢えて気になった点を挙げるなら、綾の扱い。

事情があったとはいえ酷いことをしてるわけで、最終話であった謝罪はもっと早い段階で欲しかったかな。軽いノリで居座って珠彦達と関わってるのは違和感あった。

 

とはいえ珠彦と夕月、二人の物語としては1クールで非常に綺麗に纏まっていたので満足度はかなり高かった。

ちなみにOPは今期で一番好き。イントロ然り、夕月を象徴する春の嵐のような楽しさや明るさが詰まっててお気に入り。

二人を見てるとこっちまで温かい気持ちになれる素敵な作品でした。

 

 

 

4. 逆転世界ノ電池少女

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真国日本と呼ばれるかつての軍国主義を維持し続けたif異世界により征服された日本では、サブカル文化が厳しく検閲され絶滅の危機に瀕していた。それに抗う秘密結社・アラハバキ、その主力兵器ガランドールの動力源として戦う電池少女達と主人公・細道が出会うところから物語は始まる。

 

本作の魅力は何といってもサブカルへの愛!とにかくこれに尽きるでしょう。

電池少女達(特にりん)を中心に、サブカルへの熱い想いを存分にぶちまけてくれるのが最高に気持ち良いんですよね。所詮創作だと冷めた言葉を投げかけられれば、それで熱くなれるんだからいいじゃないかと言い返してくれる。空想に浸っている現実逃避に過ぎないと言われれば、空想が魂のエネルギーになると言い切ってくれる。

誰しもが一度はぶち当たる壁に対して、サブカルが好きで何が悪いんだと、自信を持って好きだと言っていいんだと、我々オタクの背中を押してくれるこの作品のこういうところが好きでたまらない。

”空っぽだからこそトキメキ(=サブカル)を受け止めることができる”という細道が辿り着いた結論も、空虚な自分だったとしてもトキメキ(=サブカル)を受け止めればemptyではなく充電MAXとなり現実に立ち向かうことが出来るというメッセージだと感じた。

 

サブカルが大好きな電池少女達が魅力的に見えるのは、自分が好きなものに自信を持っているからなんだと思う。夕紀は特に顕著で、アイドルを好きだという隠しきれない熱が皆を魅了していた。「アンタには人には譲れないものってないの?」という台詞もありましたが、それは裏を返せば人には譲れないものを持つべしということ。

対象が何であれ、情熱や自信を持って取り組んでる人というのは魅力的に映るもので、自分もかくありたいと改めて感じた。

 

また今でこそアニメ文化とかも広く浸透してきてサブカル=悪という雰囲気はなくなって来てるけど、ひと昔前はホントに肩身狭かったよなぁと懐かしい気持ちになったり。

少年時代の熱を取り戻すというストーリーもそうなんだけど、自分含めある程度年取ったオッサンの方がこの作品は刺さるような気がする。

 

一応ロボアニメだったりするんだけど、個人的にはSDより等身大ロボの方が好み。ただこの作品にはSDの方が合ってるかな。スパロボ意識しまくりだったし参戦しそう。

とっかえひっかえの連続換装や全部乗せ形態など、燃える展開のツボを押さえてたのはポイント高し。ガンダム好きとしてはちょくちょく関連ネタが散りばめられてるのも面白かった。

真面目なシーンでも茶化すギャグのノリは人を選ぶと思うけど、個人的には嫌いじゃなかった。作画はあまり動いてなかったものの、お馴染み渡辺明夫さんのキャラデザが強くてそこまで気にならず。

 

色々出来そうだった異世界設定とかはいまいち掘り下げられずに終わったけど、この作品で言いたいことは最初から一貫していたので違和感無し。むしろ清々しい。

最終話も熱い展開てんこ盛りで勢い良く駆け抜けてくれたので非常に後味が良かった。

宗方さんの心変わりっぷりとか色々と粗さ満載で評価割れるのも正直わかるけど、個人的にはお気に入りの作品でした。

 

 

 

5. 無職転生(2クール目)

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まずは2クール目になっても全く衰えないクオリティの高さに感服。

作画も演出も格が違ってて、単純にアニメーションとしてだけでも楽しめるのは大きな強み。vs龍神オルステッド回とか圧倒的な作画の暴力だったし。

 

あとやっぱりこの作品は転生前を無かったことにしてないのがいいね。

転生はしたものの決して万能ではなく、何度も問題にぶち当たってしまうルーデウス。再会したパウロとの仲直り然り、エリスと別れ茫然自失になってから一人で立ち上がるシーン然り、転生前の自分を省みることであの時自分が出来なかった人生をやり直していく。

転生というのがあくまで別の機会というシチュエーションに過ぎず、変わったのはチート能力でもなんでもなくて自身の心の持ちよう。こういうところからほんの少しのキッカケで変われるという温かくて力強いメッセージを感じれるのが凄く好き。

俺TUEEE系の異世界モノは正直苦手な自分が無職転生を気に入ってるのはこういうところなんだと思う。

 

ただストーリー面での進行がゆったりしてたので、そういう面での盛り上がりが少なかったのはややマイナス。ロキシーの両親再会EPぐらいグッとくるなら単話でも全然アリなんだけど。12~15話辺りは必要性薄かったしササっと済ませて欲しかった感はある。

と言いながら"壮絶という程ではない旅"という要素を事前に見せていたからこそ、その後のパウロの非難や期待が突き刺さったという側面もあるので、やっぱり必要かも(どっちなんだ)。

 

なんにせよ冒険はまだまだこれからというところなので、是非とも続きが見たい。

絶対やってくれると信じてるけど、いつかのその日を待ち続けます。

 

 

 

6. 吸血鬼すぐ死ぬ

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タイトル通りすぐ砂になって死んでしまう弱小吸血鬼・ドラルクとバンパイアハンター・ロナルドを中心に繰り広げられる愉快なハイテンションコメディ。

 

この作品の魅力は次から次へとネタが飛び出すマシンガンっぷり。

戦いは数だよ兄貴と偉い人も言っていましたが、落ち着く暇もないぐらいギャグを連発してくるので、多少当たり外れがあっても見終わった後には満足感が残ってるんですよね。ギャグとしてはこれがまぁ最高にくだらない(誉め言葉)んだけど、くだらなさがどんどん癖になってくるといいますか。性癖を繰り出せば攻撃に変わる猥談結界とかアホ過ぎてこんなん笑っちゃうよっていう。猥談の語彙力ショボ過ぎておっぱいしか出てこなくて「強くなりてぇ…」と涙を流して悔しがる主人公は多分ロナルドしかいない。

 

本作は個性豊か過ぎる吸血鬼が色々出てくるんですが、「ゼンラニウム」とか「Y談おじさん」とか「野球拳大好き」とか名前からしてクッソ適当で笑ってしまう。勿論やることは名前から想像される通りのバカな奴らなのが更に笑えるんですよねwしかも一発屋の使い捨てキャラかと思いきや何回も出て来るし、何なら吸血鬼同士で共鳴し合って謎の笑いのハーモニーを奏で始めるのが面白くてしょうがなかった。

そういう意味で後半になるにつれてどんどん楽しさが加速していく作品だったかなと。

アホなキャラしか出てこないのに声優陣が無駄に豪華なのもギャップがあって笑う。

 

あと作中でも大人気なアイドル的アルマジロ・ジョンの存在も大きかった。

ヌーしか台詞無いんだけどめっちゃ可愛くて癒されるし、意外と感情表現豊かなリアクションするのが面白可愛い。ジョンの大冒険回はお気に入り。

 

2期も決定したということで嬉しい限り。

2クール連続だとちょっと疲れたかもしれないので少し間が空くぐらいが丁度良い。

また笑わせてくれるのを楽しみにしています。

 

 

 

7. 白い砂のアクアトープ(2クール目)

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2クール目は舞台が変わってティンガーラ水族館で奮闘する姿が描かれる。

慣れない社会人生活に悪戦苦闘するくくるを中心に楽しく見させてもらってたし、様々な価値観を持ちながらも水族館が好きという気持ちは同じで分かり合っていく人々や、出会いを通じて前を向いて歩いていく人達といった辺りの話は自分好みだったんだけど、締め方がどうにも納得いかなかった。

というのもこの作品で描きたかったところが何なのかがブレてたように感じたんだよね。最終話で結言かのように「私達に出来ることは生き物のことを考え続けること」と言ったりしてるんだけど、そこが主軸なのか…?と。

 

まず環境問題の話が2クール目終盤で急にやり始めた感あったので、そこが終着点になるのは違和感あった。それよりもこの作品はくくるの物語だったはず。

1クール目で自身の拠り所であるがまがまを失い、「ここしかないなんてことはない」という風花の言葉を胸にティンガーラへ向かうも、自分が希望していた飼育員でなく営業の仕事をする羽目になったくくる。紆余曲折ありながらもひた向きに努力し続けた結果、副館長に認められ、営業の仕事を続ける決意をする…一番のクライマックスは自らの殻を破ったこの瞬間ではないのか?

なのに肝心のシーンはサラっと流れていき、着地点が曖昧なままで終わってしまったのでどうにも締まりが悪かった。副館長がよくやったというシーンとかくくるが喜びを噛み締めるのにもうちょっと時間かけて欲しかったし(下げ展開に2話かけた割にはあっさり過ぎる)、何ならなんでこの時までプランクトン呼びなんだよって感じだった。一人前と認める時は海咲野呼びに戻る前振りだと思ってたからそこでもガックリ。

 

様々な苦難を経験した上でくくるが「水族館が好き」と呟くシーンとかは積み重ねを感じられて良いなと思うんだけどね。あれもこれも描こうとした結果、イマイチ心に刺さり切らずにふんわりと終わってしまったという印象。キジムナーやらくくるの双子の姉やら、話や設定を広げた割にそこまで回収されてないような要素もあったりするし。

1クール目のがまがま崩壊みたいな盛り上がりがもうひと山欲しかった。

 

風花も物語を通して変化はしていたものの、W主人公と呼ぶにはちょっとすんなり上手く行き過ぎだったかなと。くくると比べるとドラマ性に欠けていたように思う。

くくるを支えるサブポジションと割り切るなら別にそれでも構わないのだが、それなら先述の通りくくるの物語に注力して欲しかった。

 

結構好きな作品で期待してただけにだいぶ辛口かつ長文になってしまったけど、感じたことは以上です。決してこの作品が嫌いなわけではないので悪しからず…。

 

 

 

8. ダイの大冒険(5クール目)

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ここまで続くと改めて書くことが少なくなってくるので、印象的なエピソードを中心に触れる形にしてみる。

 

1つ目は前半で描かれたバランとの別れ。

不器用ながらも優しい心の持ち主であるバランは紛れもなく父親で、「相変わらず寝かしつけるのが下手だな…」とかちょっとした台詞でもグッときてしまう。

ダイの届かなかった叫びも胸を打つものがあったが、何よりポップがダイを想って激昂するのが泣けるんだよ…。

 

もう1つは周囲の期待による重圧から弱気になって逃げだしてしまうダイをポップが鼓舞する回。ポップは名シーンの宝庫。

バーン様の圧倒的な強さと仲間の期待のギャップに心が折れてしまうダイの気持ちも痛い程分かるし、そんな等身大のダイに寄り添うポップが素敵過ぎて涙が溢れた。ダイを信じて先に行くぜと背中で語る感じなのもカッコ良くて好き。

ダイが挫けそうになった時、励ましてくれるのはいつもポップなんだよな。ずっと共に戦ってきたからこその絆を感じれるのがよい。

 

vsバーン様回も見所だった。お馴染み「今のはメラゾーマではない…メラだ」の絶望感も気合の入った作画で存分に描かれていて満足。

裏切られたハドラーは哀切に満ちていたけれど、その分相手がバーン様だろうが関係ねぇと立ち向かうシーンは震えた。部下達との信頼関係も熱くて好き。

 

あと毎回書いてる気がするけど本当にこの作品は声優陣が良い仕事しまくってる。

見ててこんなにも感情が揺さぶられるのは間違いなく声優陣の熱演のおかげ。

次クールも引き続き楽しませてもらいます。

 

 

 

9. 見える子ちゃん

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ある日突然ヤバい霊が見えてしまうようになった見える子ちゃん・四谷みこが奮闘する新感覚ホラーコメディ。

本作の魅力はなんといっても唯一無二の設定(&ストーリー)。みこはただ見えるだけで普通の女子高生なので、徹底的に霊をスルーし続ける。震えながらも必死にあの手この手で無視して切り抜けようとするのが絶妙にシュールで笑いを誘うんですよね。

霊はガチで怖く&気持ち悪く描かれているんだけど、みこ以外には基本見えないので周囲ば平和な日常が保たれているギャップがまた面白い。

中盤から参戦した中途半端に霊が見えるユリアとみこが織り成す勘違いギャグとかはかなりツボだったw展開に無理がないというか、確かにユリアから見たらそうなるわというので笑ってしまった。

 

スルーするのが難しいシチュエーションの数々も然ることながら、"見える"ことを上手く活用したミスリードなど、意外と展開に幅があって出オチで終わらなかったのが良かったかなと。みこが"見える子"から自らの意志で"見る子"へと成長していく流れも見所でした。

ただ個人的な好みでいうと良い話系のEPよりはギャグ要素の方が気に入ってたので、そこで物足りなさを感じるところもあったかな。

とはいえこれまで経験の無いオンリーワンな作風だったのは間違いなく、随分と楽しませてもらいました。ありがとう。

 

 

 

10. 月とライカと吸血姫

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冷戦期のアメリカvsソ連の宇宙開発競争をモデルに、有人飛行に先立つ実験体として選ばれた吸血鬼・イリナとその監視訓練役の宇宙飛行士・レフの二人が共に宇宙を目指す…という話。

 

本作の魅力は上記の通り史実に基づく宇宙開発という堅実な題材と、レフ&イリナのラブロマンスという2つの要素がバランス良く描かれていたこと。

前者は少しでも相手国にリードする為に手段を選ばない姿勢や、宇宙に出るまでの訓練描写などがリアリティあって見応えあった。宇宙飛行までの過程が丁寧に描かれていたので、初めて飛び立つ時は作中のキャラと同様の緊張感や感動を味わえたのがグッド。

 

後者はこの作品自体がレフ&イリナの描写に注力されていたので非常に濃厚だった。最初は吸血鬼という迫害される立場なこともあり人間を毛嫌いしていたイリナが、徐々にレフへ心を開いていくのが見所。もうリアクションがいちいち可愛くて存分にニヤニヤさせてもらった。CV林原めぐみもマッチしてたように思う。

初の宇宙飛行時、二人にしか分からない単語で無線越しに感動を伝えるシーンがとても印象的。訓練や日常を通じて育まれた二人の絆が感じられる良きEPだった。

 

宇宙飛行を成し遂げた後も、吸血鬼故に初の宇宙飛行士だと認められないイリナの苦悩という本作特有のドラマが繰り広げられる。失意の底に沈むイリナに対し、力強い言葉で背中を押す友人のアーニャは頼もしかったし、レフとイリナの再会はドラマティックで涙腺緩んだ。

ただイリナに対して暴言を吐いていた国民達の掌返しの早さはちょっと違和感あったかな。吸血鬼と人間の壁は重要な要素の一つな割にあっさり解決した感はある。

あと全体通してレフがスマート過ぎた気も。個人的にはもう少し穴がある方が好みだった。

 

とは言えレフとイリナに焦点を絞って描き切ってくれたので、1クールながらも見終えた後に確かな満足感があった。良い作品だったと思います。

 

 

 

11. エイティシックス(2クール目)

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秋アニメとして総括していいのか不明ですが一応。

総集編に次ぐ総集編、更には決着すらも3月に持ち越しと、作品外のところでテンション下がってしまったのは残念。

 

2クール目はレーナとシン達が別れたその後が描かれ、シン達はギアーデ連邦に保護されるところから始まる。平穏な日常を経験し、戦う必要は無いと言われてもなお、そこが自分の生きる場所だと再び戦地へ赴くのは切なかった。

本作は戦闘が躍動感あって良いんだけど、皮肉にも戦場こそが86達のいるべき場所というのが強調されてるようにも見えて一層哀愁漂うのが魅力。もちろん臨場感たっぷりな澤野サウンドは言うまでもなく素晴らしい。

 

ただ1クール目同様、細部まで気を配られた丁寧な演出には目を見張るものがある一方で、ストーリー展開的な遅さはやはり気になる。生きる目的を見失い彷徨うシンとレーナの再会という最も盛り上がるであろう場面が見られなかったのは不満が残った(延期された22,23話で描かれそうだが)。フレデリカとキリヤが2クール目の主軸になっていたけど、作品全体からするとサブキャラのワンエピソードに過ぎないはずで密度は薄く感じてしまう。後半はメインヒロインであるはずのレーナの出番全く無かったしね。

 

モルフォ討伐まではやり切ってくれたので、3月放送でも何とか続きの話もついていけるかな?引き続き追いかけたいと思います。

 

 

 

12. ジャヒー様はくじけない!(2クール目)

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絶妙に間の抜けた平和で愛しいBGMともお別れということで。

2クールあると聞いた時は正直「この内容で…?」と思っていたのに、最終回を迎えるのがこんなにも寂しく感じるとは…自分が一番驚いてる。

祭りというイベントを通じて描かれた、すっかり商店街の日常の一部となったジャヒー様に何だか泣きそうになってしまった。Tシャツに燦然と輝く「魔界復興」を忘れてしまう程に温かで幸せな日々…ジャヒー様の心情変化が丁寧に描かれた作品だとほっこり。

ジャヒー様が慕われるのも納得なんだよね。放っておけない子供っぽい面を見せたかと思えば、仲間&部下思いな魔界No.2の矜持を見せつけてくれたりで、そりゃ皆ジャヒー様を求めてしまうよと。

 

2クール目は魔法少女・きょうこがメンバーに加わりギャグが加速したのも高評価ポイント。ジャヒーくん!の響きがクセになるし、ジャヒー様大好きキャラとしてドゥルジと対立するのも面白かった。

 

爆発的な笑いや可愛さを有しているというわけではないけれど、見終わった後には温かさとちょっぴりの寂しさが残る…そんな良き日常系アニメでした。

 

 

 

13. SELECTION PROJECT

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アイドルデビューを懸けて競い合う全国アイドルオーディションリアリティショー「SELECTION PROJECT」。

ユーザーからのエール(投票)を受け、アイドルとしてのデビューをするのは一体誰なのか?熱きオーディションバトルが今始まる…という話。

 

この作品の魅力は各アイドルに愛着を持てたこと。アイドルものは登場キャラが多くなって各人が薄くなりがちなんだけど、どのキャラも好感持って見ることが出来た。

理由としては応援したくなるアイドル像というのが上手く描けていたかなと。例えば支えてくれる周囲の人々の描写が度々入るんだけど、こういうのがあることで各アイドルの背景に厚みを感じてこっちまで親しみを持って応援したくなったように思う。個人に密着するインタビュー等、"個"を意識した作りでキャラ立ちがしっかりしていたのも良い。またキャッチ―な個性を持っているだけでなく、各地方代表である点や作品外ですがリアル人気投票をしていたりとキャラを推したくなる作りが非常に良かった。ちなみに自分は近畿圏の逆張りオタクなので広海推しです。不人気な理由が分かりません。

 

ストーリー面としては粗はありつつも楽しめてた。

ED「Only one yell」になぞらえて、鈴音がたった一人のエールに救われるEPにはグッときたし、意図や必然性は不明なもののメンバー同士で枠を争う投票は中々に刺激的でワクワクさせられた。(枠争いを受け入れてた詩や栞の心情変化はもうちょい丁寧に描いて欲しかったが…)

 

全員不合格となってゼロからスタートする展開は流石に予想外でビックリした記憶が。地道な活動を続けて次第にファンの心を掴んでいき、かつて予選で戦ったアイドルの厳しい言葉には本気のパフォーマンスで返す展開には胸が熱くなった…ここまではまだ良かったんだよ。

何故かセレプロ側が再度9-tieをスカウトして、しかもそれをあっさり承諾するというあまりの「そうはならんやろ」展開っぷりに椅子から転げ落ちてしまった。両者共これまでの行動と全く嚙み合って無くて理解に苦しむ。

その後もぶっ倒れてる鈴音を心配するというよりも絶対戻ってくるよねみたいなスタンスを取り始める鬼畜メンバー達も違和感凄くて、なんというか終盤は脚本が先にあってキャラが動かされてる感満載で見てるの辛かった。天沢灯の過ちを繰り返したくないとか言いながらライブ強行するのとかもはや狂気の沙汰。

IDOLY PRIDEと異様なまでに設定が被ってるという意味不明さとか可愛く見えるぐらいの失速っぷりだった。

 

ラストで音を立てて崩れていったのが残念なものの、何だかんだで楽しんで見てました。ただオススメはしません。

 

 

 

14. 結城友奈は勇者である 大満開の章(3期)

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楠芽吹の防人編、乃木若葉の西暦勇者編、勇者部メインの最終決戦な3部構成。

 

防人編。描かれなかった裏側という切り口が新鮮。光り輝く勇者でなくても、交換の利く消耗品かもしれなくても、命を賭して闘う防人の生き様は胸に響くものがあった。夏凛を叱咤するシーン等も含めて芽吹が魅力的だったと思う。

 

西暦勇者編。どこまでも真っ直ぐな勇者である若葉と、その光のあまりの強さに心が闇へと染まっていく千景が真に迫っていて惹きこまれた。防人編もそうなんだけど、光と影の対比が秀逸。そして悲劇を経験してもなお、制約を振り切って国民達へ「郡千景は紛れもなく勇者だった」と宣言する若葉には心が震えた。

 

…とここまでは順調に楽しませてもらっていたんだけど、肝心要の勇者部メインの最終決戦はイマイチ盛り上がり切らず。というのも2期の焼き直しだったから当然と言えば当然なんだけど。前2章との繋げ方も粗いというか、勇者部の描写は既にしたから知ってますよねみたいな感じでいきなりクライマックスで進んでいくから全然感情移入出来なかった。せっかく声優陣が魂込めた叫びをしてくれても空滑り。

 

原作勢の反応的にはカットされたところも結構あるみたいだし、前半2編だけで勝負しても良かったのでは?もしくは最終話でやった4年後の世界が言わば3期に相応しい内容だからそっちを主体にするとか?いずれにせよ構成が中途半端だったように感じた。

話広げられるなら4年後の後日譚は面白そうな気もするけど、この辺りで止めとかないと傷口が広がりそうな気もする。長期シリーズの宿命かな。

 

 

 

15. 先輩がうざい後輩の話

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どこがうざいのかわからない先輩の話。

流石の動画工房だけあって、双葉・桜井のダブルヒロインが見せるリアクションの可愛さは圧倒的だった。もはや暴力と言ってもいい。

ただその上で個人的にはあまりハマりきれなかったというのも本音。

 

理由はハッキリしていて、どちらのペアも過程(関係の変化)がなかったんだよね。

双葉武田ペアはカップルというよりも親子という感じで、武田先輩が双葉をどんどん意識していくような描写が欲しかった。逆に桜井風間ペアは初々しいカップル感は楽しめたものの、桜井さんが風間に惚れている理由に納得感が欠けた。要は恋愛ものとして見た時にどちらも男側に魅力が乏しかった(武田先輩は漢としては魅力あるけどそういう意味ではなく)。

好感度が既にMAXの状態から物語が始まりそのまま終わってしまったので、後半になるにつれて退屈に感じてしまったかなと。個人的にラブコメは恋に落ちる瞬間が最大の見せ場だと思っているので、それが無いのは味気なかった。

 

また社会人設定が違和感バリバリで、どうみても学生恋愛にしか見えないんですよね。各種イベントも社会人とは思えないものばかりで、純粋にラブコメを楽しみ辛かった。

今期では結構人気寄りの作品だったと思うんだけどいまいちハマれずでした。

 

 

 

16. サクガン

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秋のどうしてこうなった大賞受賞作品(ちなみに次点はセレプロ)。

岩盤に隔てられたコロニーで人類が生活する未来では、コロニー外の危険な未開地帯「ラビリンス」を開拓するマーカーと呼ばれる者がいた。マーカーを目指す娘・メメンプーとマーカーを辞めた親父・ガガンバ-との旅が今始まる…という話。

 

1,2話辺りでは冒険の始まりと無限に広がっていく世界を想像してワクワクしていたというのに、どんどん尻すぼみになって終わってしまった。

本筋であるはずの"メメンプーが見た夢の景色を目指す"が一向に進む気配を見せず、寄り道ばかりしてるなぁと思って見てたらいつの間にか終わってて口ポカーン状態。

聞くところによると元々2クール予定だったのが大人の事情か何かで1クールになったとか?そう言われるとこの惨状っぷりも理解出来るが、2クールかけて面白くなったかと言われるとそれはそれでやや疑問が残る。

ザクレットゥは結局因縁があったから良いとしても、ユーリは仲間になってついてくる必然性が感じられなくてそもそもパーティとして違和感あったし…尺足りてないと言うには余計な話が多過ぎた気がする。

 

まぁ最後まで見るとこの作品としてはドラマティックな1話とかがむしろ例外だったような気はした。ガガンバ-みたいに情けない男でも、本当の父親じゃなくても、それでも大切な存在に成り得る。ワクワク冒険譚ではなく、そういう絆の物語を描きたかったのかなと。

ちなみにガガンバ-の絶妙な情けなさっぷりは結構好きだったりする。ダメダメで人間味に溢れてるというか。天才少女と言いつつまだまだ子供なメメンプーとの掛け合いも楽しく見れたので何とか最後まで視聴を続けられたというところ。

 

最終話でNOT ENDとか書かれて続編やりまっせみたいな顔してるけど、万が一やったとしても多分見ないかな…。

 

 

 

17. ルパン三世 PART6

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説明不要の長期シリーズ第6期。

1クール目はゲスト脚本家達による単発回を間に挟みつつ、vsホームズを描くメインストーリーという構成。この構成がすこぶる悪手だったように感じる。独立した単話がメインEPを中断してくるからメインEPは間延びした感じになるし、単発回はノイズに感じるしで良いことなかった。単発回は味変みたいな意味合いでたまにはあっても良いかなとは思うんだけど、割合が大き過ぎた。割り切って短編集みたいなシーズンにするならそれもアリだと思うんだけどね。

自分自身がルパンを見始めたのがPART4からなので、メインストーリーありきのルパンに慣れてるから余計にこの構成に違和感あったというのもあるかもしれない。

押井脚本回とか癖強過ぎてルパンでやる必要性は全く感じなかったけど、それ以上にやっぱり先述の構成が純粋に楽しむ邪魔をしていたかなと。次元のガンマンという生き方を魅せる回とか単品で見ればアリだったから残念。

 

あと今作から次元のCVが小林さんから大塚さんに変わったけど、1クール見たらもう慣れてしまった。最初聞いた時は違和感結構あったんだけど、今ではフィットしてるように感じるんだから恐ろしい。

 

2クール目がどうなるかは分からないけど、好きなシリーズなので挽回を期待してる。

 

 

 

【総評】 

以上、計17作品となりました。多い。


個人的段階別評価はこんな感じです(不等号つけてるところは気持ち左右差あり)。

 


S(歴代上位) :該当無し
A+(クール最上位):ブルピ 王様 > 大正オトメ 電池少女 無職転生 吸死
A(クール上位) :アクアトープ2k ダイ大5k 見える子 ライカ > 86
B+(中の上) :ジャヒー2k > セレプロ ゆゆゆ
B(中) :先輩後輩 サクガン ルパン

 

ブルピ・王様は頭一つ抜けてたかなと。

あとは感想が辛口気味になって申し訳なかったんだけど、序~中盤の期待より下回る作品が少し目立ってしまった印象。

 

評価の元となる各話点数表はこちら。

 

 

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全体通してのBEST回は無職転生17話「再会」でした。

作品のテーマでもあるやり直しが色濃く出た良き回。

 


感想は以上となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

ちなみに言うまでもなく冬アニメは全く見れていません。オタクに優しいギャルに早く会いたい。

 

今後もこんな感じでマイペースに楽しんでいこうと思いますので、遅くなりましたが今年もよろしくお願いしますということで。


それではまたの機会に。